けなげに

おらたち野菜。さやえんどう、にんじん、ほうれん草、ブロッコリー、じゃがいも、いんげん、さといも、かぼちゃ。

畑の持ち主は気まぐれに種をまいたり、種いもを植えただけで畑のお手入れというモノをしてくれない。水や栄養もたっぷりとはいえないが、おらたちは声を掛け合いながらけなげに生きている。

畑の持ち主はパソコンという四角い箱にかじりつき仕事をしているつもりらしい。だが遠くから見ていると遊んでるんじゃないか？外や空をぼーっと眺めている時間が長くないか。

畑は家のすぐ前にあるのに、見まわるのは朝と夕方だけ。「草を刈らなくちゃ」とか言いながら全く来ないこともある。いいかげんな持ち主だ。

それでもおらたち太陽と雨を浴びてすくすく育っている。持ち主よちっとはほめてくれてもバチは当たるまいよ。そんな気配はみじんもないが。

それでもおらたち野菜は大きくなったらおいしく食べられるのがよろこび。見ている人がいてもいなくてもすくすく勝手に大きくなるのだ。それがおらたちの使命なのさ。