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二の足踏んでいるときに読みたい「パリでメシを食う。」

「#おもいつき」と、3人でお題をやりとりしている毎日noteのLINEグループに流れてきたのは、8月1日のこと。読書感想文とお互いのインタビューを夏の宿題にしよう、と言い始め、読書感想文はそれぞれ推薦本を1冊づつ挙げることになった。

勝股さんが推薦したのは、川内有緒さんの「パリでメシを食う。」だ。パリに住んでいた川内さんが、その時期にパリに住む10人の日本人の話を聞いてまとめている本。

カメラマンや国連職員、ヨーヨー・アーティストにお花屋さんなど、さまざまな生き方の日本人がこの本には登場する。読んでいると季節が移り替わる描写もあり、かなり時間をかけて取材をしている様子がうかがえる。あとがきによると、5年以上の時間をかけて話を聞いた人の話もあるらしい。

その人のストーリーを簡潔に、淡々と綴っているにも関わらず、読んでいてドキドキしたり、なかには感極まってうるっとしてしまう部分もあった。どうしてそんなに心が動かされたのかと考えると、みんながみんな、やりたいことに必死にくらいついていたからだと思う。

本に出てくる10人は、職種ややりたいこと、年齢も違う人たちが出ている。今回のようにスポットライトを当てなければ知られることもないような目立たない仕事や、パリでは多分「こんな人いたんだ」と片隅に置かれているかいないかのような人たちも、含まれていたように思う。

「パリ」の共通点を軸にバラバラな人生を送っている10人だけれど、読んでいるうちにみんなの共通点を見つけた。それは「全力投球」であることだ。

本の中の1人は、突然「海外に行こう」と考え、「せっかくだから」きちんとした大学に通ってみよう、と思い、けれど日本で大学は卒業しているので、「せっかくだから」行ってみたい大学院に行こう、とスタンフォード大学を目指し、そして合格してしまう。ちなみにパリへは恋人と一緒に暮らすため、MBAを受験して見事合格。アメリカから移り住んでいる。

本人の気持ちは違ったかもしれないが、読んでいると動機はとても軽くみえる。しかし大学院を目指し、合格に至るまでには、朝5時におきて出勤前の勉強、仕事が終わった後も深夜まで勉強する日々を繰り返していた。

動機や理由はなんであれ、「やってみよう」と思ったことをストイックなまでに追求したり、大胆に動いてしまう人たちばかり。私はそこに「必死になれる」魅力とカッコよさを感じ、「こんな風に生きたい!」とページをめくるごとに心を躍らせていた。

「何をするか」は人によって何でもよくて、そこに良し悪しや優劣なんてない。大事なのは、今していることに対して、どのくらい真剣に向き合ったか、100%でぶち当たったかどうかなんだろうなぁと思う。真剣に、全力でやればやるほどその人に経験は蓄積されるし、人間的な魅力や深さが備わってくるように思う。

今やっていることにやる気が出ないとき、ちょっと疲れてしまった時、1つの章でもピックアップして読みたいな、と思う。

「一生懸命動いたときの経験は、自分を輝かせてくれる肥料になるんだよ」と、エンジンかけて動き出すための、エネルギーをもらえるような気がするからだ。

#毎日note課題図書

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