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オルターエゴ読書感想文6

『ALTER EGO』というスマホゲームがある。このアプリに出てくる読書記録まとめ6回目。


今回読破した本

『タイタンの妖女』

カート・ヴォネガット・ジュニア著 浅倉久志訳 (2009), 早川書房.

物語はマラカイ・コンスタントという男を軸に進んでいく。でも、なんだかこの男 主人公っぽくない。そんな風に感じたのは、たぶん、マラカイ・コンスタントが最後まで周りに流されているように見えたからかもしれない。

「利用してくれてありがとう」というセリフがあり、周りに流されるダメ男の話と切り捨てるのは早計に思われる。周りに流され利用されるなかでも、生きる意味はあるというか、誰か(人に限らず動物とかでも)と交流しながら生きるなら幸せかもしれない的な感じも伝えたかったのだろうか?

あと物語の途中に、全てが平等であることを善とし、秀でたところがある人はその分負荷を背負うという宗教が出てくる。これを見て、今の世の中の人々の無意識を表している気がした。ドラマでは大企業、警察組織、政治家などはすぐに悪役になり、中小企業は犠牲者で、正義の警察官、政治家はアウトローになる。強いものを悪者にすることで”弱者”と平等な立場に持っていこうとする感じ。今文字に起こしたことで、相手を下げて自分を上げようとしている雰囲気があることに気づいて、世の中の空気にいや~なニオイを感じた。

未読リスト

残り16冊

本屋に行くと未読リストの本を探し回って買いあさっているのだけれど、ついにやってしまった。そう、買った本をまた買ってしまったのだ。なので、入手状況もここにメモすることにした。

■入手済み

中島敦 (2003), 『李陵・山月記』, 新潮社.

エドガー・アラン・ポー著 阿部保訳 (1956), 『ポー詩集』, 新潮社.

飛浩隆 (2006), 『グラン・ヴァカンス』, 早川書房.

長谷敏司 (2011), 『あなたのための物語』, 早川書房.

夏目漱石 (2004), 『坑夫』, 新潮社.

フランツ・カフカ著 高橋義孝訳 (1952), 『変身』, 新潮社.

グレッグ・イーガン著 山岸真訳 (1999), 『順列都市』, 早川書房.

宮澤伊織 (2018), 『そいねドリーマー』, 早川書房.

■未入手

アンドレ・ジッド著 山内義雄訳 (1954), 『狭き門』, 新潮社.

イワン・ツルゲーネフ著 神西清訳 (1952), 『はつ恋』, 新潮社.

種田山頭火 (2000), 『草木塔』, 日本図書センター .

フョードル・ドストエフスキー著 江川卓訳 (1970), 『地下室の手記』, 新潮社.

アルベール・カミュ著 清水徹訳 (1969), 『シーシュポスの神話』, 新潮社.

メアリー・シェリー著 森下弓子訳 (1984), 『フランケンシュタイン』, 東京創元社.

ルイス・キャロル著 矢川澄子訳 (1994), 『不思議の国のアリス』, 新潮社.

シオドア・スタージョン著 永井淳訳 (2006), 『夢みる宝石』, 早川書房.

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