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4月に出逢った5歳児クラス〜加配保育士から見る最近の変化

4月に今の保育園に転職して、2ヶ月半。

5歳児クラスに配属されてすぐに緊急事態宣言が発動された。

クラスの7割程の子どもが登園自粛に入る中、保護者の仕事柄などで休めない子どもとは濃厚な時間を過ごした。

その中に、その加配の必要な二人の子どもは居た。今思えば、毎日毎日、1日も休まずに登園している。

登園自粛が6月1日に解除され、5歳児クラスとして再び始動して2週間。

23人+転園して来たひとりの子どもが加わり、24人となった。

誕生月が後半に固まっている為、少々幼いクラスではある。(6月14日時点で6歳の誕生日を迎えた子どもはひとり)

そんな中、最近、様々な変化を感じている。

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まずは、二人の加配の必要な子ども達と私との関係。

最初は手探り状態で、模索した。その二人は双子ちゃんなので、最初はどちらがどちらか区別のつかないところから始まり・・・。今では全く異なる性格、特性を持つことを把握出来た。どちらもそれぞれに優れた能力を持っていて、兄弟と言えども全く違いがある。

Kちゃんが、ある日、私の姿が見えない時に泣いていた。「どうして先生居ないの?どうしてここに居ないの?」その様子に担任からは、執着が出始めているから注意するように言われた。私は、Kちゃんが私を受け入れてくれたのかもしれないと嬉しかったのだけど。

先日木曜日の朝、5日ぶりに私が出勤すると、それに気付いたKちゃんが、「来たぁ〜!」と言って笑っていた。そんな時は、バッチリ目が合う。目に飛び込んで来たもの(絵本、おもちゃ)に興味と集中力が半端ないKちゃんは、大抵呼びかけてもそちらから目を離さない。すごい集中力!いつ見ても素晴らしい能力だな、と思う。そして5歳でスラスラと絵本を読む。絵本が大好きで、じっくりと読んでいる。側に行くと「先生〜読んで〜!」と言う。もちろんそれに応じる。気に入っているシーンは自分で読みたがる。二人は共同作業であうんの呼吸でその絵本を読む。(バムとケロの冒険が大好き)図鑑も食い入るように見ている。記憶力が優れているし、集中力もずば抜けているので、かるた取りをしたらいつも一番!他の定型発達の子ども達は、歯が立たない。

Sちゃん。愛くるしいコミュ力。誰にでも好かれる要素がある子ども。この2ヶ月半、そう、たった2ヶ月半だけど、ニヤけた顔も癇癪でパニックになっている顔も眠たい顔も疲れた〜って顔も、まだまだ遊びたい〜!って顔もいろんな顔を見て来た。そのどれもが愛おしい。私がカバンを持つと、「もう帰る〜?」と聞いてくる。「まだ帰らないよ!」「恐竜作って〜!」と要求して来る。時に昆虫。Sちゃんは、恐竜と昆虫が大好き。時々自分でも作るけど、自信がないのか、私に求めて来る。私もそれ程絵が得意でもなかったので、「図鑑ある?見ながらなら描けるよ!」と言うと小走りで取ってくる。そしてその判定はとても厳しいので、私は一生懸命に現物に忠実に描く。例えば、カマキリの触覚の角度、足のギザギザなど省略は許されない(笑)私は一発OKが出るように集中する。すると「いいねぇ〜!」と満足しているSちゃん。それに色を付けたり、ハサミで切ったり、Sちゃんに仕上げてもらう。朝のお遊びの時間、いつも何か大作を作って、その日はそれと共に過ごしている。何かが出来た時の満足な顔と言ったら!私は可愛くて仕方ない。

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24人のクラスの中の2人。他にもグレーゾーンの子どもが数人居るけれど、定型発達の子ども達にも、私に甘えたい子どもは居る。当初私は、その双子くんの加配、と言う立場で、担任は「それ以外の子ども達は私が見ますから」と言う方向性だった。けれど、保育を進めて居るうちに、私も他の子ども達も気になるし、子ども達も私と関わろうとする。同じ空間に居るのだから、当然のことだろう。担任との対話を大切にし、試行錯誤していく中で、主に双子くんの加配に入りながら、担任との二人三脚でクラスを見るようになった。持ち上がりの先生なので、それがベストだと私も思う。

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そんな中、最近、クラスの子ども達の変化を見かける事が出て来た。私へのお手伝いをしてくれる女の子がちらほら出て来たのだ・・・。私は、他の子ども達への理解や学びにも繋がる事も考えていた。クラスは小さな社会であり、その中には色々な友達が居ると言う事。それを受け入れる力。中には、「どうしてSちゃんだけ?」と私が少し特別な関わりをして居ると、厳しめな指摘をして来る女の子も居る。

最初の2ヶ月ほどは、私自身も試行錯誤の中、余裕がなかった。でもそんな様子を見ていた数人の子ども達。私の気付かないところで見ていたのだろう。その女の子達が、手を差し伸べてくれるシーンが出て来たのだ。

私は、世の中が、多様性を認めたり理解したりする事がとても大切だと思うし、それは発達障害だけでなく、様々なシーンでそんな時代が近付いていると思う。まだまだ認識の浅い社会的養護の子ども達への理解もあるし、他にもたくさんの課題が現代社会にはある。そんな中、同じクラスの女の子が、私がやるようにその加配の必要な子どもに、「パジャマに着替える時間だよ」と教えてくれたり、行くべき場所へ連れて行こうとしてくれたり、もちろんそのやり方が強引だといけないので見ておかないといけないのだけれど、お願いした訳でもなく、考えて動いてくれた。そのことを私は心から、今日はありがとうね!!と声掛けした。

今ではその双子くんを取り巻くクラスの子ども達全てが愛おしく思う。担任とまた対話を重ねて、頑張らせたい事、受け止めたい事、を共有して行きたい。そしてクラス全体が成長して、卒園して行く日を今から想像している。

保育士って、幅広くとてもやり甲斐のある仕事です。ようやく私は人生の折り返しで、このステージに立てた事が、幸せだと思っています。

私の関わる全ての方に感謝の気持ち。



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