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障害者等用駐車場は誰のためのもの?

今年から障害者等用駐車場のお世話になっています。

きっかけは叔母が脳血管疾患で半身麻痺になったこと。

このまま車椅子かと思われていたのですが、根性で杖一本で歩行できるまでには回復しました。室内は杖をついて歩行しています。しかし、長距離の移動は杖では難しいため、外出の際には車椅子を利用します。

車椅子体験とか色々やったことはあるものの、本当に生活の中に車椅子が入ってくると言うのは未知の体験で、今まで知らず知らず車椅子で暮らす方が迷惑を被るようなことをしていたのではないかと痛感しています。


障害者等用駐車場、意外と満車のなぜ

単身で暮らす叔母を週1回程度スーパーに連れていくのですが、そこで問題になるのが駐車場なのです。

ネットスーパーを使えと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、こういう外出が意外と息抜きになるのです。

車椅子に乗降するためには、車のドアを全開にする必要があります(ちなみに、杖で出る場合も車のドアは全開)。更に、叔母が倒れても良いように傍でスタンバイ。そのためには、あの駐車スペース脇の余白が必要です。

しかし、訪れるタイミングに拠っては満車ということもしばしば。仕方ないので空くまで駐車場をグルグル回っていることもあります。

実は、そのスーパーには二種類の障害者等用駐車場があります。

一つ目は車椅子専用スペース:
車椅子の条項に十分な幅広のスペースがあり、車椅子のマークが描かれています。数は少なめ。

二つ目は高齢者等用スペース:
入口近くで、車椅子専用ほど幅広でないが十分に広いスペース。利用者は高齢者、子ども連れや妊婦さんを想定しているようです。車椅子専用スペースの倍以上の数があります。

国土交通省の資料によるとダブルスペースという仕組みで、障害者等用駐車場の適正利用を促進するために導入されているようです。このスーパーでは、車椅子も無料で貸し出しているので、会社として障害者や高齢者の配慮に努めていることが分かります。

車椅子専用スペースが空くのを待っていると、買い物を終えて車に乗り込む人を見かけることがあるのですが、たいてい歩行に異常のない高齢者です。

私も今回調べて初めて知ったので、責められないのですが…恐らく、この二つのスペースを高齢者は混同してます。

駐車場が空いていなければ、入口近くで叔母だけ降ろして別のところに止めあたら良いと思うかもしれません。しかし、どこにも乗降用スペースはないのです。駐車場内は対面通行なので、前からも車が来るためとても降ろす余裕はありません。

あるいは、両隣の空いている駐車スペースに止めて乗降したら良いと思われるかもしれません。最悪その手段を取りますが、万一隣に止められてしまうと再び移動しなければ車に乗り込めません。安全策を取ると入口から程遠いスペースに駐車しなければなりません。雨の場合、傘を差して移動するのは難しいです。平らでない抵抗のあるアスファルトで車椅子で移動するのは思っている以上に大変でした。半身麻痺の高齢者が一人でという意味でも、傘を持って片手で車椅子を操作するという意味でも。

なので、物理的にそのスペースを必要としている人のために、駐車は控えて欲しいです。


障害者等用駐車場は誰のためのものか

じゃあどんな人が物理的なスペースが必要なのか?

こんな記事を見つけました。

こちらのサイトの、利用者を「入口への近さ」と「乗降に必要なスペース」の二軸に分けてマッピングした図が非常に分かりやすいです。

その上で、障害者駐車場に停める際の必要性について、次のような観点で考えて欲しいと言っています。

・乗り降りの際、広い横幅は必要ですか?
・そこに駐車する必要はありますか?
 同乗者を降ろした後、停め直すことは可能でしょうか?

このサイトを読みながらハタと気が付きました。

私の意見は「車椅子利用者」の介助者の視点だと言うことに。

車椅子利用者がドライバー(車椅子ドライバー)の場合、車椅子専用駐車場に停める以外の選択肢は更に狭まるのです。

あくまでドライバーは健常者である私なので、同乗者を降ろした後、停め直すことは可能です。車椅子専用駐車場の利用者を狭く定義するのであれば、介助付きの車椅子利用者に該当する私は、車椅子専用駐車場で叔母の乗降のみ行い、別のところに停めるというのが適切な利用方法と考えることも出来るでしょう。

つまり狭義で考えるのであれば、車椅子専用スペースに駐車が必要なのは車椅子ドライバー、車椅子専用スペースで乗降が必要なのは介助者付きの車椅子利用者、それ以外の方は利用しない、となるのかもしれません。


今後の私はどうするか

このスーパーでは、車椅子専用スペースに駐車をします。
なぜなら一般エリアに安全な乗降スペースがないからです。

車椅子専用スペースで叔母を降ろして、別のところに車を停め直したとします。しかし、買い物が終わって出てきた時に再び車椅子専用スペースが空いているとは限りません。すると、他に安全な乗降スペースがないこのスーパーの場合、車椅子専用スペースが空くまで叔母は車に乗れなくなってしまいます。

とはいえ、安全に乗降できるスペースがあれば、当人だけ降ろして別のところに停めるという選択肢は取れるかと思います。臨機応変に対応していきたいと思います。


スペースが不要な人は停めないで

それに尽きます。

あのスペースがないと、乗り降りできない人がいます。

足腰が弱い方、高齢者、妊婦さん、子ども連れ、様々な事情を抱えた方がいらっしゃると思いますが、普通の駐車スペースで乗降可能な方は、一般の駐車場を利用しましょう。

あるいは、ダブルスペースを採用している駐車場であれば、高齢者等専用スペースを利用しましょう。ダブルスペースというのは良い仕組みだと思うのですが、ぜひもっと周知されてほしいと思います。

みんなが気持ちよく駐車場を利用するためは、入口付近に多めに高齢者等専用スペースを設けるのも一案だと思いますが、〇〇専用駐車スペースではなく安全な乗降用スペースを増やすというのも良いかもしれません。

私も気を付けて利用したいと思います。


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