Blue eyes and brown eyes
約50年前に行われたある実験が話題になっています。
ご存知の方も多いのではないでしょうか。
「差別される側の気持ちがあなた達に分かるかしら?
いいえ、自分が経験するまで分からないでしょうね」
子供たちにそう告げた先生は、目の色でクラスを二つに分けて、実際に体験してみましょうと提案します。
「楽しそうでしょ?
(Sounds like fun, doesn't it?)」
子どもたちは口々にyeahと応じ、これから始まるゲームにワクワクしている様子がうかがえます。
そこで、先生は「青い目の人の方が優れている」と宣言します。
茶色い目の人は劣っている人間だとし、目印として黒い襟を付けられます。青い目の人は茶色い目の人と遊んではいけません。
その日の午後、茶色い目の子と青い目の子の間で諍いが起きます。きっかけは青い目の子が茶色い目の子を名前ではなく「brown eyes」と呼んだこと。一方、今朝まで仲良しだった友だちと遊べなくなって、校庭の片隅で立ちすくんでいる女の子もいます。
先生は、今朝までは仲良しだったのに、なぜ変わってしまったのと問いかけます。困惑しつつも、子供の答えは「茶色い目だから」なのです。
翌日、先生は「本当は茶色い目の人の方がが優れている」と宣言します。
黒い襟は青い目の子供の首に移ります。前日の状況が完全に逆転するのです。茶色い目の子供たちの目は輝きを増し、青い目の子供たちの目が暗く沈んでいるのが印象的です。
「目の色でいい人か悪い人が決まるのかしら?」
2日間の実験の最後、先生が問いかけます。
子供達は、深刻な面持ちで「No」と答えました。
この体験が始まる瞬間の楽しげな空気はどこにもありませんでした。
この実験によると、「優れている」とされた日はテストの点が最高で、「劣っている」とされた日はテストの点が最低だったそうです。
先日のネパールの記事を書きながら、このエピソードを思い出しました。
彼女の首にはジャパニという襟が巻かれているのかもしれません。
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