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マインドフルネスに抵抗感がある人へ

マインドフルネスとの出会い

私が初めてマインドフルネスに出会ったのは、2016年、社内でマインドフルネスセミナーが開催された時だった。任意参加にもかかわらず参加したというのは、基本的に社内のイベントごとを悉く拒否してきた私には極めて珍しいことだった。

瞑想というと宗教的な響きがあり、馴染めないものだと思っていた。不定期に通ったヨガは、インストラクターの何ともスピリチュアルな解説が受け入れられず辞めてしまった。そんな私の心に響いたのは、Googleや世界の名だたる大学が推奨しているという触れ込みだった。ぼんやりと転職を考えていた時期でもあったし、新しい考えに触れたかったこともあるかもしれない。

このマインドフルネスセミナーでは、呼吸法(グラウンディング)とレーズンを使ったエクササイズ(レーズンメディテーション)を体験した。後から知ったのだが、このレーズンメディテーションは、マインドフルネスの入門的なエクササイズである。何も分からないところからマインドフルな状態を感じるのは難しい。そこで、マインドフルな状態、つまり自分に意識を向けた状態を手助けしてくれる媒体が導入される。それがレーズンだ。

一粒のレーズンをじっくり見て、嗅いで、触って、味わったことがある人がどれだけいるだろうか。何とも言えないモヤっとした思いを心に抱きながら、インストラクターの指示に従って瞑想をしていたのを覚えている。

約1時間のセミナーが終わり、私は自席に戻った。そして、午後一に設定されていた上司とのミーティングで仕事を辞めると伝えた。

はっきり言って、この時の私に「マインドフルネス凄い!」「頭の中が整理された!」「気持ちが落ち着いた!」なんて単行本の帯に掲載されるようなポジティブな感覚はなかった

一つだけ言えるのは、頭のどこかにあった転職という選択肢が、セミナーを通して具体化したということだ。ポジティブなものもネガティヴなものも含め、転職を考えた背景には様々な理由がある。瞑想の間、ずっと転職のことを考えていたのではない。


私はなぜ行動を起こしたのか

私は熟考してから行動するタイプの人間で、悪い見方をすれば優柔不断である。色々なデータを集めて、検証したのに、「決める」という段階でしばし二の足を踏む。にもかかわらず、即断で退職を決められたことに自分が驚いた。

今から考えれば、ただの勢いだったのかもしれない。行動を後押ししたのはマインドフルネスではなかったかもしれない。しかし、その行動を起こすことに何の迷いもない自分が存在したことも事実である。

答えは結局わからないまま、私も深く考えることもしないまま、3年が過ぎた。そして心理学やキャリア教育の勉強を始めた今、私が受けたマインドフルネスセミナーについて思い返すことがしばしばあった。


答えを探しに…マインドフルネスに取り組んでみる

周りを見回すと、知人にはマインドフルネスを実践している人が多いように思う。瞑想というくくりで考えれば、更に多いように感じる。

マインドフルネスの効果には科学的な根拠があり、宗教やスピリチュアルな考えとは全く異なることは様々な書籍を読んで理解した。しかし、やってみなことには真に理解できない...と、とりあえずやって見ないと気が済まない私は思った。

そして、私が手にした本が、オックスフォード大学のマーク・ウィリアムス教授が著した「Mindfulness: A practical guide to finding peace in a frantic world」である。この本を選んだ理由は、ケンブリッジ大学の学生向けマインドフルネス講座のサイトで紹介されていたこと、イギリス人が書いた本の方が個人的には読みやすい気がすること。

マインドフルネスの基盤を作るのには、8週間かかるらしい。あまり自律が得意な人間ではないが、まずは本に従って8週間実践しようと思う。

そして、実は今日、1週間目が終わったところだったりする。1週間経っての振り返りは別途するとして、残りの7週間も続けるぞ、という決意表明をして今日は終わりたい。



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