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#39 38億年前に決まっていたとしても

ラジオ J-WAVEのBIBLIOTHECAで今週のテーマは

決定論

全ての行動は38億年前に決まっていて人間の自由意思など存在しないという考え方
仮に自分があるとき、右手をあげるとすると、それは38億年前から決まっていたということ。

どうやら仏教にも同じような考え方があって、因果応報というのはそれに相当しているのではないか。ことの結果は最初から決まっているのだから一喜一憂する必要はない。それを悟りとよんでいるということを、山口周さんは語っていた。

自分が選んだつもりでも、それは38億年前に決まっているというのは受け入れがたいが、それにもやもやするということは、結果のみならず過程までも決まっているからで、この考えから自分はその過程を大事にしているのだなあとわかりましたと長濱ねるさん。

確かに自分のはしのあげさげまで決まっているとすると、生きがいとはなんなのかということになる。宇宙創成からドミノ倒しのように自分の人生が通り過ぎていくというのはかなりせつない。

番組では、天気予報を例に取り上げる。
昔は、天気予報はあたらなかったが、最近はかなりの精度で予測できるというもので、それは計算に必要なパラメータが精度よく得られるようになったことや、3次元的な解像度と時間の解像度が高くなったからに他ならない。
昔、観測所で代表的な気圧や温度に衛星からみるという大きな武器を手に入れているし、東京、横浜といったざっくりとした気候予測から短時間のゲリラ豪雨予測までに発展しているのは、計算機の処理能力の飛躍的な向上の賜物である。

自分もシミュレーションをなりわいとしているので、たったこれだけの方程式を解くだけのことなのに、こんな複雑な現象をリアルに表現できるのかと驚くことはしばしば体感しているので、天気予報の例はぐっとくるものがある。

例えば波が岸壁に打ち上げて、泡が生成する。実際には、海水の化学的な要素もからむが、そのことを無視したとしても、波が着水してその勢いでまわりの空気を巻き込むことを考慮するだけで驚くほどリアルに現象を再現できる。
基本的に質量保存則、運動量保存則(ある領域に入った質量、運動量はどこからかでていきます。)、水と空気の質量分率を解いているだけといえばだけである。

ということは、人間の行動を支配する方程式があって、それをただ解いたものが人生ということになるかもしれない。

せめて、その方程式の途中に人間の決断というパラメータや、サイコロを振るゲーム的要素が組み込まれてほしい。

たとえ、この文章を書くことが38億年前に決まっていたとしても。

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