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ソウルの夏はどうしても苦しくなる

雨が降ったらしく、とても涼しい気候だった。
仁川国際空港は少し肌寒いくらいだったので、夏を追いかけているはずが寒くて風邪をひきそうだ。神様、「大人なんだから遊びたいだの楽しみたいだの言いなさんな」ということでしょうか。


知り合いの美容師さんに髪を切ってもらった帰り、「独立おめでとう」と書かれた小旗が電柱に掲げられているのを見た。韓国の8月中旬、いつも私は口を噤む。

おととし、8月15日もソウルにいて、友達に
「明日は韓国の独立記念日だよ」
と言われた。何も考えていなかった私は、
「韓国に独立記念日があるの?どの国から?」
と聞き返した。その場が、ではなく、私の心が氷つきなお汗が滲んだ。あれほどまでに自分の無知を恥じたことはない。いや、無知という言葉は全く正しくない。歴史を知っていたつもりであったのに、一度もこのように考えたことがなかったということを恥じた。ああ、なんとおそろしいことか。

彼は
「Independence day」
と明確に言った。
韓国語では"光復節"と呼ばれている。悲しい記憶たちを言い表している美しい言葉である。

19歳のその夏の8月15日、私はただ静かにしていた。実際多くの日本人がそうしていると言う。
私は初めて海外の戦争犠牲者にも祈りを捧げた。夏というのは、苦しい季節である。8月の半ばは、特に苦しい。

メディアは

「反日活動が今までになく活発になっている」

と叫ぶ。私の知り合いも先日予定していた渡日を控えたので、人々に影響力があるように見受けられたが、1日の短い渡韓では何も変わらなかった。無愛想な店員も、やたらと声をかけてくる通信系のキャッチもいつもの通り。

出発日にデミグラスソースをこぼしてクリーニングに出した白いTシャツの代わりを探すため、3時間で弘大入口駅を駆け抜けた。

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