Mifuji

映画の感想と日常エッセイ。 映画との出合いは、人生における人との出会いと同じように、出…

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映画の感想と日常エッセイ。 映画との出合いは、人生における人との出会いと同じように、出合うべきときに出合うべきものに出合う。そんな気がいつもします。 恋人とのポッドキャストhttps://open.spotify.com/show/7nM9QbCkPBmn2gqnxz0kzg

最近の記事

今日も1日、健やかに。

「健やか」という言葉が好きだ。 元気になりたくて、元気でありたくて、だけどそうなれない自分に、心がしなやかであればそれでいいと認めてくれるような気がするから。 「健やか」の意味をweblio辞書で引いてみた。 意味は「健康」とほぼ一緒だ。 わたしは医療系の国家資格を持っているので、WHOにおける健康の定義を暗唱できるほど理解している。 1年生の前期でこの言葉に触れたとき、講師が言った「今健康だと思う人は挙手してください」に対して手を挙げられなかったことを覚えている。 そ

    • 祖母との思い出は、ボンタンアメと爽健美茶

      ボンタンアメと爽健美茶には思い入れがある。 人見知り真っ盛りだったわたしと、やわらかくて温かかった祖母との思い出。 祖父母の家は自宅から電車で4駅のところにあった。家族みんなで訪問したり、わたしと2歳年上の兄を預けたりと数ヶ月に一度は顔を出していたように思う。 祖母はわたしたちが行くたびに近くのスーパーでお菓子を買ってきてくれていた。ケンカにならないよう、わたしの分と兄の分をサッカー台の薄い袋に分けて入れてあった。 ハイチュウ、グミ、駄菓子。そのなかで毎回必ず入っていた

      • 【愛がなんだ】自己肯定感の低い恋愛中流階級の沼|鑑賞記録と考えたこと

        2022年77本目 「愛がなんだ」(2018/日本) どうしてこの映画を選んだの?って、 都合いい女も振り回す女も両方したから選んだの。 あらすじはこちら。 ここ数年でよくある、東京の20代の恋愛モノ。 登場人物に共感したり、出てくる地名がよく行く場所だったりするくらいにはわたしも東京での一人暮らしに染まったのだろうな。 この映画に出てくる登場人物は、ほとんどが恋人も何度かいたことがあるし、友達もまあいるし、といったような それなりに人間関係には困っていない、恋愛にお

        • 弱さを庇いあって生きること

          「今日からあなたは家事禁止です。僕が全部やります。」 一緒に住みはじめた彼から家事禁止令が敷かれたのは、1週間ほど前のこと。 そもそもどうしてこんなに奇妙な命令が下ったのか、それには理由がある。 引っ越しと就活のストレスが重なり、引っ越し直前にひどく体調を崩した。その後予定が終わっても具合は良くならず、家からほとんど出られないにも関わらずじわじわと悪くなっていった。 そんなある日、彼が仕事で帰りが23時頃になった日があった。 わたしは1人でなんとか食事や入浴を済ませたもの

        今日も1日、健やかに。

          交際3ヶ月で事実婚を選んだわたしたちの話

          自分や恋人が収入を得られない状態になったとき、みなさんなら生活費を少しでも抑えるために事実婚を検討しますか? もともとは他の多くのカップルと同じように交際を重ねて籍を入れようと思っていたわたしたちですが、わたしが思うように働くことができず、十分な収入を得られない状態が続いています。 そこで、同棲を機に住民票の届出を「夫(未届)」と「妻(未届)」とし、事実婚となりました。 わたしたちのように、どちらか片方の収入に不安があるカップルの検討の一助になればと思い、わたしたちのこと

          交際3ヶ月で事実婚を選んだわたしたちの話

          【BLUE GIANT】熱量で人を魅了する映画の話|鑑賞記録と考えたこと

          BLUE GIANTのサブスク配信が始まった。 それとほぼ時を同じくして、早稲田松竹でも上映がはじまった。期間は1週間。 恋人が一番好きな映画を映画館で見られるまたとないチャンスに、わたしたちは迷わず予定を入れた。 わたしの恋人は、この作品を劇場で4回、家や飛行機で3回鑑賞するくらいこの作品を愛する人だ。 それでも彼は、作品について内容を今日までほとんど語ることなく、ただいつも通りの雑談をしながらわたしの左隣に座った。 その日、名画座には珍しく5歳くらいの男の子とその母親

          【BLUE GIANT】熱量で人を魅了する映画の話|鑑賞記録と考えたこと

          旅に出る。人に出会う。凍った心が少し溶ける。

          「門司港は、地方は、心が傷ついた人たちのための場所なんです。そういう人たちがいっぱいいて、認めてくれる人たちがいて、安心して生きていける場所なんです。」 埼玉出身、東京在住。一人暮らしと同時に始めた新しい仕事と職場が合わずに体調を崩し、先月末に退職。 壮絶な1年だった。フルタイム勤務のストレスによる過食で8kg太り、シフトを週1日に減らして6kg痩せたけど働く日数を少し増やしたらまた4kg太って。 お風呂もご飯もまともに世話できなくなって数ヶ月実家に帰ったし、仕事への拒否

          旅に出る。人に出会う。凍った心が少し溶ける。

          自己紹介をします。

          はじめまして。 わたしは11年前にうつ病と診断され、今年双極性障害Ⅱ型に診断が変わりました。映画を観るうえで、わたしの病気と人とは少し違う人生が大きく関わっているので、自分自身のことを簡単にまとめます。 わたし 1996年生まれの26歳です。 東京で一人暮らしを始めて1年が経ちました。 真面目でガリ勉だったわたしは、15歳のときに突然問題集の文字が滑るようになり、涙が止まらなくなりました。 なんとか入った高校も半年で通えなくなり、高認はとったものの大学を諦め、専門学校を

          自己紹介をします。