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グレイテスト・ショーマン もしも映画がゲームになったなら #7

ゲームプランナーのみえうです。
この記事シリーズは見た映画のエッセンスを抽出してゲームにアレンジします。版権もののゲームを作るわけではなく、何が楽しかったのかの分析とゲームへの再構築を題材とします。映画のネタバレが多く含まれますのでお気をつけください。
今回は第7回です。

今回の題材はグレイテスト・ショーマンです。

見たのは吹き替え版です。吹き替え版見たのめっちゃ久しぶり。小学生以来とかそんなレベルですね。Vtuberが同時視聴やっていたから見たのでいろいろノイズが入っているかもしれませんが、まぁ気にせずゲームにしていこうと思います。

王道構成で、さえない中年の成り上がり、転落、再浮上の構成が丁寧でした。人道やサーカスをテーマにしており、誰でも触れやすいんじゃないかと思います。テンポ重視の頭空っぽにしてみるタイプの映画です。サブキャラの心理はほとんど描写されなく、綿密な心理描写の優先度を下げ物語のテンポが優先されているように感じます。細かいところが気になる人やヒューマンドラマを見たい人は向いてないかな。大衆向けによく調整されているように感じました。

ゲームにできそうな部分は少ないです。メリハリが重視されており、楽しさのほとんどがメリハリ起因です。(テンポとメリハリは同じ意味で使ってます。)なので今回はこの映画をゲーム化していきます。この映画ゲーム化に向いてないけどまぁいいや。

前提を考えていく

映画ではとがった個性を持つ人を集めてサーカスにまとめあげてます。この過程をゲームに落とし込む思考をします。テンプレートのメカニズムに落とし込むので、今回は類似作品があるから別の方向にするという思考はしません。

プランナーとして働くとこの前提を作る作業は発生しません。だいたいプロデューサーやでぃらくたーが作ります。でもちゃんと言語化してくれるとは限らないです。ここをどう引き出すかもプランナーの腕が出る部分ですね。

どんな人が遊ぶのか考える
まずはこのゲームを遊ぶ人がどんな人か考えていきます。
このゲームを映画のゲーム化として発表するとした場合、このゲームは映画を見た人がやることになります。そのうえでゲームを買う人なので映画のファンかつゲームを遊ぶ人になります。

プレイヤー像についてもう少し掘り下げていきます。
原作が好きな人はどんなものを求めているでしょうか?上記したようにこの映画はゲーム化に向いてません。ちゃんとやるとこの項目は解なしの結論になります。
①この映画の楽しさ(つまり魅力)は映画のテンポが占める割合が大きい
 ゲームにするとテンポが変わるから安直に作ると期待外れになる。

②バーナムの追体験を主軸にすると、サーカスの経営ゲームになる。
 映画の魅力はサーカスの経営ではないのでミスマッチする。

③個性的な団員に焦点を当て、キャラゲーを目指すとこうなる。
 これはまだ芽がある方。
 サーカスの団員になって周りの団員と交流しながら
 バーナムサーカスでの大成を目指すゲームかな。

今回は無理やり③がいける!!ってなった世界にします。
ゲームの軸は「団員との交流を通し、彼らの個性や壮絶な人生を知る」。
(これなら小説にしろよって思う・・・。)

どこで提供するか考える
アニメ映画とかならともかく、大衆映画なのでこの映画とゲーム両方好きな人だと結構少ない印象があります。PS4などの据え置き機にしてしまうとさらに顧客数が減ってしまうので、普及率が高いiPhone、Androidをプラットフォームに選びましょう。また、世界中で売れた映画なので、英語版をベースに作成し、各国へのローカライズも視野に入れたほうが良いでしょう。

何を売るか考える
ちょっと面倒なので今回は売り切りにします。あと運用無しです。

予算感
映画見た人の10%が買ってくれるとして、単価1/4にするとグロスで1000万ドル、プラットフォーム手数料引いて700万ドルということは7億円くらいかな。開発費5000万円くらいかな。
これは物量を減らしてミニマムにしないと作り切れませんね。キャラゲーってシナリオに工数がかかるので、ここミニマムにしていかないとダメそう。コンセプトが崩壊してゆく。やっぱり小説だって。
それにしても5年前のDMMかよって予算だな。

ゲームの骨子を作る

この項目では前提をもとにゲームをデザインします。
プランナーとして働くとこの役割が来ることはないです。ディレクターがこの工程を苦手にしているなら回ってきますかね。大体は企画書に書いてあります。まぁ企画書がちゃんと成立してることなんてないので、大体企画書とは違うものを作るんですけどね。

ゲームの構造を作る
今回のゲームでプレイヤーの目標は「サーカスのでの大成」で取れる手段は「技術の向上させショーを成功させる」「他人との交流を通して評価を上げる」「町の問題を解決し街の人の評価を上げる」にします。ざっくりいうと「演者としての評価」「同業者からの評価」「街の住人としての評価」です。これらを上げることを大成への道とします。

演者としての評価
演者としての評価はショーで自分の出番を成功させ、顧客を満足させることで上昇します。ショーを成功させるには以下の要件を満たす必要があります。
①自身の技術が高い
②ほかの演者との連携がうまくいく
③ほかの演者の技術が高い

①はトレーニングによって向上させることができます。いくつかパラメータがあり、その一つを選んであげるタイプですかね。
②は他の演者との信頼度を上げると連携できるようになります。演目によって誰との信頼を上げるとよいかが変わります。
③は他の演者にアドバイスをすることで上げるパラメータを変えることができます。彼らに合ったトレーニングをアドバイスしてあげましょう。なんか偉そうなので、アドバイスを求められる設定にした方がよさそうです。

同業者からの評価
これは他の人と信頼関係を深めることで上がります。正確には信頼されると初めて評価してくれるようになり、信頼されている状態だと演者としての評価にバフをかけてくれます。仲が悪いとデバフになったりもするかな。
1信頼関係を深めるもう一つの効果はその人の身の上話などのサイドストーリーを読めることです。個性的で、壮絶な過去を持つ団員の話は興味を引くものが多く、このゲームのコアコンテンツです。

住人としての評価
奇をてらわず、住人の頼みごとを聞くと上がるようにします。これもバフをかけるタイプです。

大体完成

骨子までできました。後は肉付けといらないとこ取り除いてざっくり完成ですね。予算感の割には大規模なゲームにしてしまったので、素直に作ると予算オーバーますね。見積もりの時には気を付けましょう。このゲームの世界観を置き換えるとギャルゲーになります。「サーカスでの大成」→「女ことと付き合う」ってすると完全にギャルゲーです。
ゲームだけでではないですが、前提を作る作業が一番重要で難しいです。ここで見すると全部ぶっ壊れますから。
今回はマーケットインに近い感じで作りました。やり方もこれだけではないので、次はプロダクトアウトできる映画にしようかな。

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