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代理母出産の記事を読んだんだけどね…

とある女性向けファッション雑誌の代理母に関する記事が炎上したらしい。ネット上の記事は既に削除されているのでリンクは魚拓です。

私は代理出産を語るほど知識はないし、自分の意見が明確になっているわけでもない。が、読んでモヤモヤしたので感じたことをここに記録したいと思う。

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この記事は、社会的には勝者と言われる部類に入るであろう2人の女性の対談形式だ。
その1人が、

ブランドバッグや海外旅行とそう変わらない金額で人生の選択肢を増やせる

と言っている。
ブランドバッグや海外旅行と変わらない金額で代理母を利用できるって意味ね。

さらにこんなことも言っている。

好きに生きて、好きなだけ仕事して、好きな人に出会えたらラッキーだし、そうじゃなくても「精子バンクで子ども産むもん!」って思えたら楽しいと思う。私はそっち派です (笑)。


まあね、女性が妊娠・出産によって、自由が利かなくなると感じるのは想像に難くないよ。

私は代理出産を全面的に否定するわけではない。
でも、この発言者の自分の人生を充実させるというエゴイスティックな思いのために、他人を犠牲にしてまで子供がほしいって、何て言うか…傲慢に感じるわ。

この記事、
「私、やりたいこと全部やりたいの。でも出産だけは色々制限されちゃうでしょ?男はそれをしなくて済むよね。ずるい。だから私の自由のために誰かに請け負ってほしい。もちろんお金は払うから。」
と聞こえてしまうように仕上がってるのよ。

工業製品じゃないんだよなぁ、人間は。
資金が潤沢にあって、それができる立場なら、やりたくなる気持ちはわからなくもない(わからないけど、笑)。でも、これを嬉々として公の場で語るって怖いんだけど。大事な視点が欠けていると思う。

出産は様々なリスクがあるよね。時には死ぬことだって。
それをわかっていても、代理母になるという選択をせざるを得ないくらい貧しい人がいるってことを忘れてはいけないんじゃないかな。

この記事を読むと、代理母に対しての思いやりが感じられない。
倫理云々以前に冷たさを感じる。

それと、富裕層が貧困層をお金で従わせるという図式があからさま過ぎて醜悪。生命をお金で買っているように見えるのだが…。
富裕層がみんなそうだというわけじゃないからね。

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つらつら思うところを書いてきたけど、一番言いたいのは「どうしてそこまでして子供がほしいのかを考えた方がいいよ」ってこと。
ここ本当に大事。

その答えは人それぞれだけど、心の穴というか、自分で無意識に足りないと思っているから、外側の何か(この場合子供)でそれを補いたいんだと思う。
人は皆、不足感を持っているものだから。

本当の自分はそれを望んでいないかもしれないよ。エゴが望んでいる可能性大だからね。子供がほしいと言いつつ、実は安心したいだけなのかもしれないね。
これは、子供に限らず、ほしいと渇望するもの全てにおいて言えること。
※エゴとは、体、感情、思考に「私」という思いがくっついたもの。ネガティブな思いが大好物。(ネガティブが悪くてポジティブが良いということでもないけど)

先ほど「冷たさを感じる」と書いたけど、冷たく自分本位な人になったのは生育歴に要因があるかもしれないと思う。

そんなことから、おそらく彼女たちは自分への愛が足りないんだと思う。自分の中の愛が不足してるから人にも与えられない。代理母の立場を思いやることもできないってことになるのかな。引いては生まれてくる子供に対しても。

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それとね、いい意味で諦めることも時には必要だと私は思うのよねぇ。いい意味で。

想像でしかないけど、自分の努力で多くを勝ち取ってきたような人には、諦めるって難しいのかもしれないね。

でも実は、自分の努力だけじゃなくて運もあるよね。恵まれた家庭に生まれることは自分の努力じゃなく運だよね。最初からその努力さえさせてもらえない家庭だってあるわけだし。代理母となることを選択する立場の人達のように。

もしかしたら、彼女たちは不安感や焦燥感から努力してきたのかもしれない。だったら他人になんか構っていられないとは思う。

じゃあ、どうすれば人に優しくなれるのか?愛や安心感を増やせるのか?

それは、外側の何かで埋めるのではなく、自分と真摯に向き合うことだと思うよ。そして、本当の自分の声に耳を傾けることじゃないかな。


長沼美恵/Mie Naganuma


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