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「あなたもサザエさん」とは何だったのか 舞台『サザエさん』 感想レポ

舞台サザエさん、偶然休みだったので初日に観てきました。筆者はオタクなのでそこを不快に思う方は読まない方がいいです。

思い出しながら書いているのでもし前後や展開が少しちがったらすみません。

※※※※ネタバレ含みます※※※※

















初日ということで関係者の人が多めっぽい。始まる前にお土産をたくさん買いすぎてしまった。甘納豆のお菓子美味しい…。


サザエさん アニメよりも少し元気な印象 ドジっぷりが半端なさすぎて心配になりました

マスオさん 昇進したマスオさん 責任が増えてしがらみも増えた。やさしいお父さん

波平 定年退職 外に出る趣味がないので家にこもりがち、なぜか先祖の霊と普通に会話できる

フネさん 綺麗だなあ…。頼りがいのあるお母さん。なぜかタマと会話できる能力を身につけていた

カツオ イケメンになって…。イケメンになったけどバイトが優先の生活で大学の卒業単位がやばい。でもイケメンになって…。

ワカメちゃん かわいい~!服飾系の専門学生。レトロ系の服装センスを貫いて本当にかわいい。先生には認められてるけど課題提出の締め切りを守れない。締め切りは守ろうよ。

タラちゃん 立派に賢い子に育っててなんか涙出てきた。

タマ 実写だ…


第一幕『10年後のサザエさん』

10年後、相変わらずサザエさんはせっかちでお財布を忘れて買い物に。でもお財布はかばんの底にあったり、実はちゃんとお金払っていたのを忘れたり…大丈夫なのか?と色んな意味でサザエさん。

波平の誕生祝いをするため皆で予定を合わせて夕食を共にするはずが、マスオさんは取引先との会食、カツオはバイト先のレストランの店長にいい顔がしたくてシフトを入れ、ワカメちゃんは課題の締め切りが守れず帰れなくなります。結果波平がスネてしまい誕生日会はお開きに…

タラちゃんは「誕生会しないんだったら夕食食べて塾いきます」とのこと。勤勉か???

磯野一家の若手は皆それそれを歩みはじめたり、みんなの歩む速度が変わってしまっている描画です。みんな立場も境遇も考え方も違ってきた。なんでフネさんタマと普通に会話してるの?フネさんも周囲に言わないので一人と一匹の秘密っぽい。

出不精で家でくだまいてる波平が本当にリアル。


第二幕「タマがいなくなった」

ブチ切れスネてる波平は不動産屋に…

カツオは就職活動を中島に聞かれるも、「単位も足りないしレストランに就職したい」と言い出します。は???? さすがにこれには私も(はあ~~~!!??)となりました。

ワカメちゃんは作品が認められパリ校へ留学しないかと言われます。正直横で喜んでくれてる友達がめっちゃかわいそう。彼女は締め切りも守って勉強してるのに…えらいなあ。

そんな中、マスオさんはなんだか体調不良。地味に心配。タラちゃんは何か大きな病気なのでは…と心を痛めて病気を調べるために図書館にこもります。

カツオ、ワカメは一応前回帰れなかったことを謝りに行きますが、ちょっと説教くさく話してしまう波平にカツオは不満。ワカメちゃんはパリ編入を打ち明けますが認めてもらえず…。不穏な空気に。

波平が不動産屋に行っていたことを家族が知り、「この家を売るのではないか」との憶測が出ます。

マスオ、サザエは「確かに末娘も産まれてこの家は手狭だし、いつまでも場所を借りていられない、出て行くべきでは」「このままこの家に居ても、タラちゃんたちに何も残せない」と話し合います。タラちゃんは「出て行きたくない」と号泣。なんだこの舞台悲しくて見てられない。こんなリアルな会話出てくると思わなかった。

カツオ「俺にこの家を継がせたくないってことか」とブチ切れ。「そんなに自分が嫌いなら家も出て自分で生活する」とのこと。いやカツオの気持ちもわかるけど大学は卒業してくれ。

そのころ波平はまだスネててさぶちゃんを飲みに毎日連れまわしていました。「みんな変わってしまった、マスオくんは忙しいし、タラちゃんは塾通い、カツオもワカメも学校やバイトで忙しい、フネは家の仕事で毎日走り回っている」

さては波平まじで寂しいんだな…?(家の仕事手伝ってみては…?)

そんな不穏な空気が磯野家に充満。タマは「こんなの見たくない」と外に出て行きます。


第三幕『磯野家の団欒』

タマが居なくなって必死に探すも見つからない、猫は死に場所を探しに出るという話を思い出し不安になる一家。私もペットのインコが逃げ出したことがあり家族総出で探したことがあるので胸が痛くなりました。

毎度お盆におなじみ先祖の霊が出てきて自分の気持ちを吐露する波平。普通に幽霊が怖いんだが…。

フネさんがカツオに「大学の単位が足りないから就職と言い出したのか」「大学は卒業しなさい。ワカメもパリに行っていい。お母さんが背中を押す」と諭します。なんて頼りがいのある…。

みんなが居ない居間でサザエさんは10年前を思い出します。みんなで過ごした団欒、みんなでのお出かけ、ちょっと高いレストランでナプキンの使い方がわからず、波平とカツオが二人で笑い合っていたこと。思い出に涙が出ているサザエさんを見ていて私も号泣してしまった。

悲しい空気のまま団欒ではない家族会議に。

波平はカツオに「大学は卒業してほしい、急いで家を出なくてもいい」ワカメちゃんに「パリに行っていい、ただ締め切りを守れないのは良くない。しっかりしてほしい」と告げます。

「みんな急いでバラバラにならなくていい、しっかり話し合おう」

「これからはちょっとしたことでもいいから、ちゃんと話そう」

そんな当たり前のことを一家で話し合います。当たり前ですがこれができないんですよね。そういうおうちも多いのではないでしょうか。

やっぱりサザエさん一家はそこにたどり着けてすごいなあと思いました。さすが国民的一家。

そうこうしている内にタマが、「迷っていただけで出て行ったわけではない」とぼろぼろで戻ってきます。

大喜びする一家。

みんなで団欒を向かえ、大団円です。

最後にタラちゃんは文化祭の劇脚本を書くことに。「とある一家」の話だそうです。

(もしかしてこの劇の脚本がそう…みたいなデジモン的オチでは…?違うか…。)



「あなたもサザエさん」とは何だったのか

こんなリアルな家族劇、サザエさんで見たくない。という人も居るかもしれないし、漫画やアニメ原作のファンの人は不満かもしれません。スピンオフとして別物としてならいいかも?

私もいい意味でも悪い意味でもショックを受けました。

あの家族がこんなに今時な家族問題を抱えていて、我が家とも重なるところがとても多かったので…。多分みんなどこかは重なるのではないかな。

アニメで昔『あなたもサザエさん』という歌を聞いたときは「?」と思いましたが、この舞台を見てやっとしっくりきました。

誰もが知っている国民的家族の誰も知らない10年後。

でもどこかで体験している問題を抱えた家族のお話でした。


今度のドラマではカツオは大学卒業できたのかな?ワカメちゃんはアパレルデザイナーになれたんだね。タラちゃんは就職活動ということでがんばって…!皆まだ同じ屋根の下に暮らしているのかな。

ドラマが楽しみになりました。これもテレビでやってほしい。


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最後まで読んでくれただけでめちゃくちゃうれしいです!ありがとうございます~!