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教育事業部授業レポート【京都市立塔南高校2コマ目】

こんにちは!NPO法人Mielka教育事業部です。
今年度実施した出前授業紹介第2弾!
前回に引き続き、京都市立塔南高校さんの2コマ目の授業を紹介していきます。

このレポートは2コマ目のものです。1コマ目のレポートを読まれていない方はまずこちら👇から読んでいただけると幸いです!


2コマ目は模擬選挙を実施しました。生徒のみなさんには1コマ目に学んだ知識を活かし、自分で良いと思う政策を実際に選んでもらいます。

【前回の復習】

1コマ目では、今回の模擬選挙で争点となる「エネルギー問題」について学習しました。
地球温暖化の問題や、火力・原子力・再エネといった各発電方法の長所・短所などを学んでいきました。
1コマ目で学んだ知識を今回の模擬選挙に活かしてもらうため、少し復習を行います。

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【模擬選挙 ~候補者演説~】

いよいよ模擬選挙を実施していきます!今回は2人の候補者を立て、それぞれエネルギー問題に対する異なる公約を掲げてもらいます。

生徒のみなさんには、2人の候補者の主張を聞き、自分が良いと考える候補者を選んでもらうことになります。

例年は体育館などの場所で、候補者が生徒の目の前に立って演説を行います。しかし、今年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、1つの場所に集まることが困難になりました…
そのため、今回は事前に撮影した演説動画を見てもらうという形をとっています。

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まず一人目の候補者演説を聞いてもらいます。一人目の候補者の公約は「バランスの良いエネルギー利用を」であり、具体的には以下のことを掲げています。

①原子力発電の再稼働
②再エネの大規模発電
③火力発電における再エネの利用拡大

原子力・火力・再エネのどれかに偏ることなくバランスよく活用し、できる限りCO2の排出を抑えていこうとする政策です。

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続いて二人目の候補者演説を聞いてもらいます。二人目の候補者の公約は、「原発廃止、再エネ推進でクリーンな社会に」であり、具体的には以下のことを掲げています。

①火力は削減、原発は廃止、再エネの徹底的な推進
②炭素税の導入&再エネ製品の補助
③省エネを推進

CO2の排出量が多い火力発電、安全面でリスクがある原子力発電を頼ることなく、再生可能エネルギーを徹底的に推進していく政策です。またその財源として炭素税の導入も提示しています。

【模擬選挙 ~ワーク~】

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演説を聞いてもらった後は、どちらの候補者がよいと思うかを考えていきます。

生徒の皆さんには、まず各候補者の良かったところ、悪かったところ、疑問に思ったところなどを各自でまとめてもらいます。

続いてグループワークを行い、他の人の意見を共有します。自分にはなかった視点や他者の考えを知ることによって、自分の考えを深めてもらうことが狙いです。
グループ内の意見交換はとても活発に行われていました。問題に対して真剣に考え、主体的に取り組もうとしている様子が見受けられました。

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【模擬選挙 ~投票&開票~】

いよいよ最後に、自分が選ぶ候補者を決め、投票を行います。自分の意見や他者の意見を踏まえた上で、自分が良いと思った候補者に投票してもらいました。

投票を終えたらすぐに開票です!

開票して結果を発表すると、勝った候補者にいれた生徒のみなさんに歓声が湧きました。やはり、自分のいれた候補者が勝つことは嬉しかったようです。今回の授業の中で1番盛り上がった場面でした。

しかし、ここには釘を指していおく必要があります。勝利した候補者は確かにみんなが多数決で選んだものですが、敗北した候補者に票を投じた人たちには意味がないのでしょうか。
そんなことはないですよね。敗北した候補者へ票を投じた人たちも、同じ場所を共有する同じ市民であり、その人たちの意見を全く無視することはできません。また、負けた候補者に投票した人が多ければ多いほど、その声は反映されるべきでしょう。

選挙結果が全てではなく、敗れた候補への1票も意味があるということを、ここで伝えました。

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他にも、政治参加の方法は選挙だけではなく、「署名」や「デモ」、「パブリックコメント」といった手段や、今回の授業で行った「話し合い」も政治参加の1つの形であるということを伝えました。政治参加のハードルは高くないということを学んでもらえたのではないかと思います。

~まとめ~

これで塔南高校さんでの授業は終わりです!
2コマ目は、1コマに学んだ知識を活かしてもらいながら、選挙という形で実際の政治参加を体験してもらいました。今回は主体的に活動できる機会が多かったこともあり、みなさん活発に取り組んでくれたように思います。

今回のような模擬選挙における肝は、意見共有のグループワークにあります。自分の意見だけではなく、他者の見方や考えを踏まえた上で、どれだけ自分の考えを深めることができるのかが重要です。単に投票先を決めて投票を行うだけでは意味はなく、その前に十分な話し合いがあるからこそ、よりよい民主政治が実現できるのだと思います。

今年度の授業では新型コロナウイルス感染拡大の影響により、グループワークは隣同士の2人で行う形に留まってしまい、残念ながら十分に実施できませんでした。生徒の皆さんにより考えを深めた上で投票してもらうためには、もっと多くの人との意見共有が必要だと思います。現状では難しい課題ですが、コロナ禍でも実施可能な意見共有の形を模索していきたいと考えています。

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