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20230818(飯について)

 生ける者にとって飯は欠かせない。そんな当たり前を改めて実感した瞬間があった。

旅の始まり

 先週から今週にかけて私は夏季休暇を堪能していた。6連休の中3日で私は母の実家がある金沢を訪れた。パートナーと2人で訪れたのは初めてだったため、色々な場所を訪れたり様々なグルメを堪能する度に感動に包まれていた。小さい頃からよく一人で訪れていた金沢各地に彼女を連れて行く幸福感は特別なものがあった。

異変

 台風の予報とは裏腹に旅行の間は連日の晴天で恵まれていた。ただ同時に我々の身体は蝕まれていたようだ。3日目の午後、カフェに入って談笑しているうちに私は身体の異変を感じた。
 初めに来たのは腰の痛みである。いつも腰が悪いわけではないのだが、旅の3日目には体勢を変えるたびに腰に電流が走った。幸い駅の中にいたためそれほど支障は無かったが、帰りの新幹線が危ぶまれた。
 次に来たのが頭痛である。おそらく暑さからくる脱水症状だったように思う。常に痛みがあり、意識が遠のきそうなほどだった。
 加えて3日間の疲労がどっと乗っかり、もはや記憶がないほどフラフラになってしまった。

復活

 冷静な判断もできない中で彼女に連れられ早めの晩御飯を食した。食欲もさほど湧かなかったが食べなければなお危ないと考え、今夏初のうな重と冷たい蕎麦を頂いた。うな重を二口食べたところで自分の中に明らかにエネルギーがもたらされる感覚があった。そこからはみるみるうちに回復し、自分でも分かるほどハキハキと喋れるようになった。ここ数年で最も食べ物の偉大さを感じた瞬間であった。と同時に彼女の行動に感謝が絶えなかった。

異常な酷暑を乗り越えて

 昨今、夏の暑さは異常だ。50年に一度、100年に一度というワードを何度聞いたことか。電気代は上がる一方でクーラーなしには生きていけない環境の変化が街を、人々を襲っている。過信せず、涼しい環境、冷たい飲み物、そしてエネルギーの高い食事を積極的に取らなければ一瞬にして人はその命を奪われかねない。

 人の脆さを学んだ夏の一幕であった。

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