ケニアの助産師なんでもできちゃう!?ケニアのお産の実際

病院出勤2日目。
ケニアのお産を初めて見学!

最初に申しておきますと
驚きとショックの連続でした。

このショックはカルチャーショックでもあり、自分の実力の無さからくるショックでもあります。

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お産中は30分に一回のトラウベ。
ただそれすら危うい時も多々あり。
一応ドップラーあるけどみんなトラウベを好んで使用します。
エコーなんてない。
赤ちゃんの大きさはお腹の大きさで想像。
予定日は最終月経から算出するけど
多くの産婦さんは月はわかっても日にちまではわからないなんてことも多々あり。
パルトグラムは4センチから記入で、それまでは分娩は始まっていないと解釈するとのこと。

今日は35週相当の初産婦。
破水+陣痛開始してしまい来院。
35週相当と聞き、生まれた後の赤ちゃん心配だし、CTGモニターないから分娩中の胎児の状態も不安。
あるのは助産師の知識と五感、トラウベのみ。

所見は3センチと聞く。まだ強く痛がってる様子もないけど、高位破水はしてるだろうなという感じ。レオポルドで胎位確認し様子を見ることに。

途中アクティブ入りそうだなで内診。5センチくらいのめちゃソフトな所見で、station±0くらい。多分赤ちゃん小さいしこのままアクティブ入れば生まれると思ったけどまだ陣痛弱め。しばらくすると明らかに様子異なり現地助産師が内診し全開大。
分娩準備開始!
…とりあえず清潔操作が気になる。
清潔手袋の上が清潔野でガーゼを使っていた。
物品の少ないケニアでの現地の知恵だと思う。
一応エプロンするけど暴露対策のゴーグルやマスクなし。
現地助産師にきいてみたら、本当はしたいけど物品がないからって言っていて、難しい問題だなと痛感。

そうしているうちに排臨して発露まできた!全開大からこの間心音一度も聞かず。なかなか発露以降進まないから、クリステレルやってたけど、早産でもあるから赤ちゃんがかなり心配。

会陰の伸びが悪くなかなか生まれないので助産師が会陰切開!
助産師ができることにおどろき!!

でも私はとにかく赤ちゃんの体調が心配すぎて気が気じゃない。やっと顔出たけど、見てられないくらい色が悪すぎ。え、死んでないよね?と不安になるレベル。すぐにクリップして切って体幹出してたけどその間会陰押さえない。児頭もそのまま。生まれてすぐにママの胸に乗せてたけど明らかに状態悪い。
泣いてない、色悪い。筋緊張なし。早産。私の判断のアプガーはカラー-2、筋緊張-2、呼吸-2、反射-1、心拍-1で2点。早く蘇生必要と思ってたのになかなかしない、意を決して手を出して赤ちゃんを受け取り新生児台に行く。酸素もインファントも何もないから必死に刺激と吸引した。そしたら現地助産師が変わってと背中を叩く。それに唖然の私。背中叩いてたので羊水拭いて、吸引繰り返す。ようやくか細く泣き始め、ピンクアップ。私の判断ではアプガースコア5分値7点。10分で9点かなという感じ。日本ならNICU行く。早産だし。でもここはケニア行かない。お母さんの処置が終わるまでタオルで包んでほったらかし。
赤ちゃんのたくましさをかんじました。
想像はしていたけど生で見るのとは全然違う。怖すぎる。

お産終わって助産師が会陰の縫合を実施。
ここまでできる裁量あるってケニアの助産師凄すぎる。
ただ清潔操作とかは気になるところあるなという印象。
一応抗生剤I投与してたけどこれは感染症にかかる人いるだろうなと痛感。
自分の免疫を信じるのみ。

総じてお産が本当に怖かった。
とにかく怖かった。
ケニア母ちゃんとベビーの生命力を感じた。
そしてこんな状況で焦っていたのは私だけで
現地スタッフは楽しそうに話しながら分娩介助実施。
場数が多いだけあって肝座っている現地スタッフを羨ましいとも思う出来事でした。

ちなみに縫合終了後速攻で歩いてシャワー浴びて部屋に歩いて行きます。ケニア母ちゃん強すぎた…!

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