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専業主婦の働き方⑱ 晩ごはん🍚編

ー「シングルタスクのお時間。」

効率化が求められる現代。同じ24時間で満遍なく日常を送ろうとすると、何かを諦めるか、無理にでも詰め込むか…選択を迫られる。

時間を確保するため「マルチタスク」をこなす
あれもこれも同時進行で、ぐるぐる回す。”ながら”の行動が定着していく。

一気に物事をこなせたら、タスクを消化できた達成感に満たされるかもしれない。それに、時間の節約もできる。

が、脳の疲れが半減とはならない。
むしろ、ひとつにまとめた分、どっと堪える。


慌ただしい毎日の中で、意識的に取りたい時間。

「シングルタスク」に向き合うこと。

あれもこれも気になるけれど、一旦隅っこに置いておく。目の前のことだけに没頭する。

いわば、「瞑想」とも言える時間。
これこそ、生活に求めるものなのでは…?



本日は、私主婦の瞑想時間について。

マルチなタスクが炸裂する朝でなければ、効率的に済ませたいお昼ごはんの時間帯でもない。
晩ごはんだからこそのお時間。向き合い方を綴っていきます。

よろしければ、お付き合いください^^



夏。

梅雨は明けていないものの、かんかん照りの夏日が続く。外に出るだけで、人ごみに紛れるだけで、どっとくる季節。

塩分を体に補給して、費やした糖分を心に溶かす。続いて、うとうとと睡魔がやってくる。ああやっぱり夏はこうなのだと、自覚をする。

ちょっと仮眠、してもいいのだけど。これは長い眠りについてしまいそうな重いやつ。であれば、やるべきことを済ませて、早めにお布団に入りたい。

コーヒーを自分のために淹れて。

「よし!やるか!」

喝を入れる。


晩ごはんの準備。朝とも昼とも違う、ちょっとこだわりたい時間。

食材を見つめて、”今日の主役”を決める。

昨日の残り物もあるから、量は少なめに。せっかくの暑い夏、大きくなり過ぎた強い味わいのお野菜をうんと使った、ガッツある晩ごはんにしたいな。

などと、コミュニケーションを重ねる。ひとつひとつの作品を見てうっとりして、香りを楽しんで。ようやく、晩ごはん作りを開始する。

八百屋さんで調達した、ピーマンと赤ピーマン。
プリッと弾ける色味にパリッと頼もしいシルエット。
強い日差しを浴びて育ったのだなあとしみじみ。



時間に追われる日は、パパッと簡単に済ませることだってある。けれど、なるべくゆっくりと、非効率に料理をしたい。

あれこれ同時進行せずに、目の前のことだけをする。時間をかけて淡々と。

そうしていくと、だんだん”無”の領域に入る。

何も考えずに、食材を理想の姿へと導いていく。

指示を出さずとも体が覚えていることは多い。そこは自分を信じて、黙々と。新しいレシピや食材にチャレンジしたい日は、光る画面をチラチラと頼りにしながら。



最短で進めると、どうも脳が疲れてしまう。そもそも料理自体がマルチタスクなのだ。限られた時間と健康面のバランスから献立を吟味して、段取りを組む。先に下準備した方が良いもの、まな板が汚れても良いような食材から切ること、使いたい肉や魚を解凍しておくことなど、多岐にわたる。

ここはあえて、一日を労る時間にシフトしたい。

時間が許すのなら、1時間でも2時間でも。たまには、クラシックを聴きながら、冷えたビールやワインを片手に。
鼻歌まじりで。その気持ちが最高潮に達すると、気付けばひとり踊ってたりして。



食器はなるべくシンプルなものを好む。
独身時代から使っているものも現役ではあるが、結婚してからふたりで揃えたものは青と白を基調としたものが多い。

これがまた夏っぽくていい。
冬になったらなったで、冬っぽい、と言うのだろうけど。

お料理によって、細長い皿、丸い皿、小さい小鉢を選んで、食卓に並べる。食材の色が映えて、ぱっと華やかになるものを。

平日の夜は、夫の帰宅を待たずに、ひとり晩ごはんを食べることがほとんど。それでも、大皿やフライパンのまま、食べる分を小皿に取っていただく。そのほうが、いっぱい食べたようなお得な気分になれるのがいい。


青は夫用、白は妻用。
左は長いお魚や大きめのケーキなど。
右は副菜やヨーグルトなどを入れるのに、
ちょうど良い大きさ。



晩は、朝にも昼にもない、特別なものがある。

「何を作ろうかな」と対話する時間、食材たちがコラボして料理になる時間、食卓を彩る時間。どれもこれも贅沢すぎるひととき。

「マルチタスク」「効率化」
ある瞬間に幾つかの物事を詰め込んだような、慌ただしい時間。こなせる人が立派だと、いつの間にか思うようになった。そう思わされてきた。

時間に追われているのは確かだ。
タスクを早く終えたい気持ちだってある。


けれど、ただのタスクにしておくには勿体無い。
自分にとって、”無”になれる時間。ひとつの物事と向き合う時間。
それは人によって違って、それぞれが大切にしたいこと。

ならば、1日の中でひとつだけでも、
「シングル」で特別な時間にしたい。

毎日でなくたっていい。好きな時に。
没頭して、深い瞑想の世界に入って。


そしたら、また

「よし!やるか!」

となれる。

私にとって、晩ごはんとはそういう時間なのだ。



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