専業主婦の働き方④ お買い物編
ー「餅は餅屋派です。」
近所に、昔ながらの八百屋さんがある。
馴染みのあるお野菜と果物から、マニアックで旬な山菜も売っている。店内の奥に進むと、盛りだくさんのキノコセットや、ちょっとついでに買いたい調味料が並び、レジの付近には異常に長いナス、自家製のぬか漬け、お買い得な卵まで揃っていてワクワクする。
こちらのお店さんには、いつも大変お世話になっています。
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夫婦で共働きをしていた頃、とにかく毎日が忙しかった。
夫の帰りは22時を過ぎるのが通常で、晩ごはん作りは90%妻の担当。残りの10%は二人で待ち合わせして、外で夜ごはんを食べるくらいで。
帰宅後の19時半〜21時頃から晩ごはんを準備し始めるので、仕事終わりにスーパーに寄っていたら時間のロスになりかねない、、。
毎日が時間との戦いだった。
平日は買い物どころではないので、土日に済ませるようにしていた。
週末に、車で大型のショッピングモールに出向き、1週間分の食料を買い込む。足りないと困るので、なるべく多めに。
そんなパッケージ化された毎日が窮屈で、美しくないなと思っていた。
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独身時代、京都でシェアハウス暮らしをしていた時のはなし。
駅から家までの帰り道に、小さい果物屋さんがあった。ツヤツヤとした旬のおみかんがとっても美味しそうで、「おひとつください。」とお店の奥さんに声をかける。そうすると、手慣れた手つきで袋を一枚取り、リズミカルにみかんが袋にすっぽり収まる。
そして、「いつもありがとうございます。」と商品を渡してくださる。そんなやりとりが温かくて、うっかりたくさん買っちゃう日もあるのだが、不思議と良い買い物したなあと余韻に浸る。
思い出の果物屋さんと、今の近所の八百屋さんのイメージがフッと重なることがある。
そこには、人それぞれの”生活”と”温かさ”があるから。
みかんをこよなく愛している夫は、美味しいみかんを求めて、週末に足取り軽く八百屋さんに出向く。
そしたら最近、半額になったローストビーフをついでに買ってきた。
なんとも楽しそうな様子で。
本来、お買い物って楽しいものだったな、と夫の美しい笑顔を見て思い出した。
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