日本の(教育系)論文が世界に出回っていない件

Hello, みろろんです。すっかり寒いイギリスで外出時にコートを着るか迷っています。今から来てたら冬どうするの?!って感じで困っています。

さて、前回はじまったDissertationのお話。。


最初は先生が生物オリンピックも手伝っている、とか日本人の研究者を知っている、とかで盛り上がった私でしたが、どうも私は「教育心理」とよばれる分野に足を踏み入れてしまったようです。

教官は「理科教育」の人だったので、理科に対する「意欲」(aspiration)などを研究しているようでしたが、その前の選択(choice, decision)はまた違う、と。

ゆっくり日本の論文を読もうと思ったら・・ない! 読めない!!

イギリスでコースを始めてから困ったこと。それは理系の論文と違い、社会科学の論文がほとんど国際的な学会では発表されておらず、英語で書かれた論文を探すことが困難だったことです。

私はもともと化学系だったので文献の検索に困ったことはありませんでしたが、教育学では本当に困りました。

中でも英語教育については様々な論文が手に入り、日本の様子もわかったのですが、その他の教育に関しては本当に難しい・・。

イギリスからすると日本の教育も知りたいはずなんですよね。イギリス人に限らず日本の教育のイメージは

とてもオーガナイズされている

先生も生徒もきちんと規律を守り、学校に通っている

PISAなどの成績も上位なのでみな優秀

といった感じ。

私は暴露、ではないですが、Criticalにそれって本当なの?という問いをこのコースにいる間ずっと自分自身に投げかけてきました。

そして比較したいので日本のことを調べていくと・・情報が手に入らない!という事態に陥ります。

私は日本の論文を読むために高校のネットワークを使いました。

幸いいろいろな人が活躍していて、同級生の中に何人か大学教授をしている人が。他の友人に頼み、パイプを作ってもらいました。

同じクラブだった方はデジタル芸術系の教授になっていたので連絡させていただき、日本の論文を送ってもらいました。

その時もメールで気軽にPDFで送ってーと頼んだのにも関わらず、日本では電子書籍化されていないので、コピーを郵送(!)するほうが楽だ、と言われました。

私の大学ではオンラインコースにかかわらず、大学自体が学会に入っていて学生を含め論文をダウンロードできるんです。ほとんどの論文は無料で読めました。アメリカの学会はお金を要求することがありましたが、それ以外はほぼアクセス可能です。

しかし日本の学会は査読がある論文はほぼオンラインで読めず、大学内の紀要など限られたものしか読むことができません。

私は一学生なので、そんな仕組みにどうこう言える権利もないのですが、これでは日本のことを研究したい海外の研究者が、興味があってもあきらめるしかないのだな、言い換えると海外へ発信したくないのだな、という印象を受けました。

それは私にとってとても悲しいことです。

なぜなら日本の教育レベルは世界的にみても高く、世界的に交流することにより、より質の高い教育を提供できるかもしれないのです。

仕方がなく、同級生にコピー書類を送ってもらい、参考文献を集めていきました。

また、日本に一時帰国したときにも、そういう学会誌を読み漁り、日本の状況を引用するために勉強しました。

それらを読んで思ったのは・・・

絶対に世界に向けて発信すべき!


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