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緑川 悟
2023年1月30日 22:49
さんむい。今年は暖冬かもしれないですね、と言った気象予報士のほっぺに冷え切った手を当ててやろうかと恨み節と共に僕はひとり街を歩く。 夜ふけの街並み。するどく冷えた冬風が我が物顔で踊る時、僕はいつも牛丼チェーン店の松屋へ避難する。丼ものはなんだっていい、大事なのはそう「豚汁」だ。 松屋の豚汁はうまい。というかデカい。どんぶりと同じサイズの腕になみなみと注がれている。到着したらいそいそとたっ
2023年1月29日 22:00
「かつ丼」 どうやら僕は最近のかつ丼とは相性が悪いらしい。そう思ったのはかつ丼の名店を紹介するテレビを見ている時のことだった。どうも最近は玉子の上に「乾いた」カツが乗っていることが主流で、サクサクの食感も味わえるようになっている。 だが違う。僕が求めるかつ丼はあくまで玉子と一緒にとじてあって、カツの衣はむしろじゅくじゅくのしみしみになっていないと困るのだ。 ちょっと濃すぎるんじゃないの
2023年1月18日 00:48
「しょうが焼き定食」 男の子というのは未来永劫しょうが焼き定食から逃れられない運命にある。渋いたべものを少量頂く、大人になったら自然にできるものかと思っていたが、僕は今日も定食屋で元気よく「じゃあ、しょうが焼き定食で」と宣言してしまう。 じゃあ、とか仕方なしに選んでいるふうを装っているが、そんなことはない。初めからこれが食べたかったのだ。 名古屋市大須。ここに創業百年超えの老舗大衆食堂