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吉田 翠*詩文*
2024年5月23日 18:22
月影ならば隠れる物陰のひとつも見つかるものを一天に広がり射抜くまたたきに遠野の里の娘のごとく囚われた時間の長さは先細る伸びた黒髪わずかなおののきに身を屈める地の神々を諌める神話それを前に徒然の詩人は筆を置きただただ禁足から逃れるための神を隠すためのしののめを待ち侘びる*タイトルは本来の意味とは逆です。 #詩 #創作 #mymyth
2022年10月29日 17:50
遠吠えの獣秋一天に星顔をあげれば漆黒の緞帳自ら選びとった孤独に慰めは要らぬ筈と澄み渡る夜空を吹き抜けた一陣の風迷い巡る人の手にかからぬようにと古人は物語の神々を宙にあげたのか赦しを乞う者達を裁く事すら放棄させた神々の脈々と流れる終わり無き時間弱さを語る相手を星と決めた夜満天の星空に向かって遠く遠く獣は吠える◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇10月の句会に出した破
2022年3月26日 17:30
ほろほろと咲くや桜鎮守さまがおでましになって良い子じゃ良い子じゃと背中で眠る赤子の頭をなでておいでか春の霞は微かに色が乗りため息ひとつついた後でうなじにのぼる乳の匂いに我に帰るのは母か女かはらはらと散るや桜行きがよければ帰りもよいよい仰ぎ見ればいっときを惜しみつつ鎮守様の懐で杜の木々は伸びやかにやがて青々と薫る風の中花の命は短くと言う枝葉の先々を楽しみにそ
2022年2月18日 18:14
さあさあ唄へやれ踊れ共に笑ひゑらごうではないか着物の合わせを緩める位では物足りない乳繰り合うてやれ踊れ花街遊びは騙し合い歌舞伎者とはしごく上等男と女の戯れは八百万への捧げ物 男と女互いの嘘を知りたくば男が女に女が男さあさあ入れ替わってやれ踊れアメノウズメよ出雲阿国の踊りは楽しかろう手を叩いて喜んでおられるか天下の事など降っては消える淡雪のごとくいつの世
2021年4月14日 19:11
キャラバンが見た夜空の回廊ラクダの背が運んだ絹人は動き道は動かず今は打ち捨てられた都の足跡を覆う草は痩せた装束わずかに残る年老いた伝説は時代に消えた北辰を指さす者虚構を疑わずに恐れるものをただ恐れていればよかった世界キャラバンが見た夜空の回廊北辰を指さす者石のつぶてのひび割れにその身を押し込んだたくさんの冒涜と踏みつけられては足首を掴む神々の切れ端再びここで踊