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2024年2月の記事一覧

詩 因果な夜

詩 因果な夜

乾いた空
はだけた心を晒す星々の影
震えて膝を折る少女の嘘を
寝床を追われた夜の鳥が
笑う
おののきは
こわばる石の像

手に入れ損じた安堵は
もとより
拒んだものだと
往生を諦めた言葉が
罰を下す

因果な夜にひれ伏すまで
#詩 #創作

その一葉

その一葉



取り残された一葉が
風に吹かれて身を離す
この時に抗うわけでも
ましてや待つでもなく
ただ落ちる

小川の水面をゆらゆらと
役目を終える葉を抱え
水の流れのその先にあるものは
恐らく次の春

少し眩しい日の光に
手を翳したわたしは
運ばれるままの一葉を

見送った



短歌
#詩 #短歌 #創作