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吉田 翠*詩文*
2022年5月29日 17:28
静かに去ろうとする切れ切れの雨音指の隙間からハラハラと落ちていったものをそのままとどめておけば良かったものを甦らせた切れ切れの雨音押し殺していた言葉が口をついて恐れていた嗚咽に飲み込まれる浮かんでは消え消えては浮かぶ言葉の数々はメロディを欲しがる頼りない詩のようで雑多な音を剥ぎ落としていたさっきまでの叩きつける雨が恨めしく窓に伸びる雨粒の通り道を爪でひっかいた雨
2022年5月13日 17:22
なんびとも知らぬ存ぜぬを決め込めば我が身を恥じる事もなく 見ざる聞かざるでただ首筋に入った深い皺と胸の奥深くに落ちた一点のシミに狼狽えれば済んだものを暖色のクリップライトを避けながら花として結実することもなくはらはらとこぼれる花弁は目のふちに留まりきれなかった真噛んだ唇から滲むものを捧げ尽くすのは女の業月の冷たくなる夜に繰り返し繰り返し溺れては生まれ変わる狂おしい