見出し画像

詩 残り雨


静かに去ろうとする切れ切れの雨音

指の隙間から
ハラハラと落ちていったものを
そのままとどめておけば良かったものを
甦らせた切れ切れの雨音
押し殺していた言葉が口をついて
恐れていた嗚咽に飲み込まれる

浮かんでは消え
消えては浮かぶ言葉の数々は
メロディを欲しがる頼りない詩のようで

雑多な音を剥ぎ落としていた
さっきまでの叩きつける雨が恨めしく
窓に伸びる雨粒の通り道を
爪でひっかいた

雨音は子守唄だとは誰が言ったのか
それがもし本当ならば

乾ききった髪にサテンのリボンが絡みつく
マリオネットのようにわたしも
目を開けたまま眠りにつくのだろう


#詩 #創作

スキもコメントもサポートも、いただけたら素直に嬉しいです♡