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2022年3月の記事一覧

詩 ほろりはらはら

詩 ほろりはらはら

ほろほろと咲くや桜
鎮守さまがおでましになって
良い子じゃ良い子じゃと
背中で眠る
赤子の頭をなでておいでか

春の霞は微かに色が乗り
ため息ひとつついた後で
うなじにのぼる乳の匂いに
我に帰るのは母か女か

はらはらと散るや桜
行きがよければ
帰りもよいよい
仰ぎ見ればいっときを惜しみつつ
鎮守様の懐で
杜の木々は伸びやかに
やがて青々と薫る風の中

花の命は短くと言う
枝葉の先々を楽しみに

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詩 ひと葉

詩 ひと葉

いつまでそこにいるつもりか

風に煽られながら
カサカサと乾ききった一葉
しがみつくでもなく
単に散る時を逃しただけだ
文句はあるまいと

枝の節々に現れた小さく固い芽が
いずれ膨らむ時が来る
青々とした若い葉が日差しを浴びて
この世の春を謳歌する
かつての自分のように

それを見届けてからでも
良いではないか

何を偉そうに
枯れた葉よ
まだ未練があるのだと
そう言えばいい

頑固者めが

一体

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