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吉田 翠*詩文*
2022年3月26日 17:30
ほろほろと咲くや桜鎮守さまがおでましになって良い子じゃ良い子じゃと背中で眠る赤子の頭をなでておいでか春の霞は微かに色が乗りため息ひとつついた後でうなじにのぼる乳の匂いに我に帰るのは母か女かはらはらと散るや桜行きがよければ帰りもよいよい仰ぎ見ればいっときを惜しみつつ鎮守様の懐で杜の木々は伸びやかにやがて青々と薫る風の中花の命は短くと言う枝葉の先々を楽しみにそ
2022年3月11日 17:49
いつまでそこにいるつもりか風に煽られながらカサカサと乾ききった一葉しがみつくでもなく単に散る時を逃しただけだ文句はあるまいと枝の節々に現れた小さく固い芽がいずれ膨らむ時が来る青々とした若い葉が日差しを浴びてこの世の春を謳歌するかつての自分のようにそれを見届けてからでも良いではないか何を偉そうに枯れた葉よまだ未練があるのだとそう言えばいい頑固者めが一体