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郵便の未来はどうなるのか??

【まとめ】郵便料金値上げの内容

総務省は2023年12月18日に、25グラム以下の定形の郵便封書について料金の上限額を現在の84円から26円引き上げた110円の案を情報通信行政・郵政行政審議会に諮問しました。

実現すれば消費増税を除き1994年以来、30年ぶりの値上げ。
50グラム以下も現在の94円から16円上げて110円に統一し、重量区分をなくす方針。はがきも7年ぶりの値上げとなる見込みで、63円から22円値上げし85円にする。

定形外の郵便も3割ほど値上げする。レターパックや速達は、利用者の利便性を重視して値上げ幅を抑える。来年秋以降の改定になる見込み。

値上げの背景は郵政事業の赤字

総務省の郵便事業の収支の試算をみる限りでは郵便事業は赤字です。日本郵便が行う郵便事業の営業損益は昨年度、211億円の赤字となり、2007年の民営化以降で初めて赤字とのことで、さらに今年度は919億円の赤字となる見通しとのこと。

総務省が示した試算では今回値上げを行わなかった場合、郵便事業の営業損益は、2027年度には3050億円の赤字になるそうです。
かといって、値上げを行った場合でも、2025年度には67億円の黒字になるものの、2026年度には再び400億円の赤字に転じ、2028年度には赤字額は1232億円に拡大すると試算しています。つまり今回の値上げくらいだと焼け石に水。。。

郵便の利用者の減少による赤字

国内郵便は2001年度の262億通をピークに減少傾向が続いていて、昨年度は144億通で、ピークと比べて45%の減少。

出典:総務省 郵便物数の推移

全国に約2万4000ある郵便局のコストは増加傾向で、日本郵便はこれまでも普通郵便の土曜日の配達廃止や郵便物を住所ごとに仕分けする作業を機械化し、配達ルートを自動で作成するシステムを活用するなど効率化を進めるなど業務の効率化を進めていますが、昨年度の営業費用のうち人件費が66%を占めるなど収支の改善が難しい構造的な課題を抱えています。
23年春闘では物価高に伴って07年の民営化後で最大となる月4800円の基本給底上げを実施しており、事業の効率化だけで人件費をカバーするのは不可能です。

郵便ポストの利用状況

日本郵便の調べでは、全国に17万5000のポストがあり、1ポスト当たりの利用は月30通以下となっており利用率は25.1%となっています。(4本に1本)

赤字部分を考察する

今回大幅な値上げですが、この値上げを行ってもたった1年しか黒字にできません。抜本的組織の見直しを行わないと再起不能になります。

私はかなり郵便事業と密接な仕事なのですが、民営化したとはいえ窓口や社員の対応は融通の効かない相変わらずのお役所仕事感は正直否めません。
能力以上に給与をもらってる人をたくさん抱えた状態で休みが多い(稼ぐ時間が少ない)会社であれば、相当な努力で利益を出さないと、この結果は当たり前ではないかと感じます。今回もサービスは改悪の状態での値上げです。

かんぽ生命保険の不正販売問題や年賀はがきのノルマ問題など、ブラックな部分で黒字化していたことが浮き彫りになった結果かと。
郵政民営化でも会社を分割すると赤字が原因で問題が起こると言われていました。郵便局の保険の不正も、公的な機関なら利益を出さなくて良かった会社が民営化することで利益を出さなければならず、不正をするようになったのではないか?とも言われています。

今回の問題は私は「小泉純一郎の負の遺産」であり、民営化の完全な失敗例だと感じています。

この値上げはデジタル化の促進と世界標準に合わせた物価高を促進していく予感がします😢

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