メモ:とあるタンブラーについて


突然ですが今手をつけている作業進捗が滞ってきたので一本何か書こうと思います…

前に「my favorite things」というお気に入りのモノについて書いた記事を膨らませて、身の回りのもので何か書こうかと。


そうだわ。これについて書きます。

(思い立って撮ったので机の傷が目立つ)



2つセットで売られている、とあるコップです。商品名でいうと[Tumbler Juomalasi 33cl Water green] 、つまりタンブラーグラス。

私の大学での研究テーマに関連する、フィンランドのアイノ・アアルト(Aino Marsio-Aalto,1894-1949)というデザイナーがデザインしたものです。

資料集めのために春休みにフィンランドに行き、現地の工場に隣接するアウトレットで定価の半分くらいで買いました。(コロナの影響はギリギリ受けずに帰ってこれました、本当によかったです…)


ここからはざっくり、すごくざっくりと説明をば…


絵画や彫刻のような一点ものの作品と違って、近代にデザインされたものって作られてからどんどん量産されて市場に出回ります。

これもその一つで、一番最初にデザインされたのは1932年。

当初はこれと同じようなデザインのタンブラー、皿、ボウル、水差しなどのテーブルウェアのセットとしてBölgebrick《ボルゲブリック》というシリーズでデザインされました。当時の作品コンペで受賞したり、数年後のミラノトリエンナーレではゴールドメダルを獲得したりと、かなりのグッドデザインだったわけです。

美術館にもしっかり収蔵されていて、これは実際に行ったフィンランドデザインミュージアムのサイトです。フィンランド語なので、雰囲気で見るかブラウザの翻訳機能を使う必要がありますが…

6ユーロくらいで叩き売りされてたタンブラーとほとんど同じようなのが、ガラスケースにきちんと入って陳列されているって、なかなか不思議な気持ちになりますよね。


このデザインのどこがスゴイのかについても書こうとしましたが、めちゃくちゃ長くなりそうなので割愛……

デザイナーのアイノさんについてふんわり書いておくと、当時女性の少なかった建築の世界で活躍し、旦那のアルヴァといい具合に能力を補い合いつつ共同で仕事して、自分たちの会社のこともやりながら子育てもしっかりやったとても優秀な人だったようです。私も強い女になりたいな〜

あとこれ、見た目の割にけっこう飲み物が入ります。雰囲気的には水とかお茶を飲むのにいい感じ。(トマトジュースとかは微妙)


残り1年を切った大学での卒論では、こうしたアアルト夫妻のデザインを中心にまとめていく予定です…まとまったらいいな。応援よろしくお願いします。