一つの物語が終わった
昨夜の満月で、またひとつの物語が幕を閉じた。
彼と再会して2カ月・・・本当に精一杯やってきた。
彼の「回避型」(愛着スタイル)、感情的な共有を苦手とする性格、(心理学で言う)ナルシスト・・・このような特徴的な問題が見えてきて、それでも、この世界で一生懸命根を生やし、強く凛々しく存在する図太い1本の美しい大木のような彼を、私は心の底から愛していた。
でも彼の特徴は、私がどんなに愛しても、彼からの「愛」が表現されにくいということ。
その部分を、私が理解し続けることができなかった。私のニーズも満たして欲しかった・・・私たちが昨夜「別れ」を選んだのは、私のそんな決断からだった。
「OK then」(わかったよ)
私の話を聞いて彼が言った。
「Thank you」
私の中には本当に感謝しかなかった。それ以上の言葉はなかった。
「Bye」
彼は捨てるように私に言った。
これで本当にすべてが終わったのだと感じた。
自分のニーズも相手のニーズも満たされる健全な恋愛
彼と一緒にいて、私の「ニーズ」が満たされることはなかった。
彼と会う約束をしても繰り返されるドタキャン、「忙しい」「仕事が入った」「気分が良くない」「体調が良くない」「今日は都合が悪い」・・・
いつもはっきりとした理由がなく断られていた。そして結局、私たちが会えるのは月にたったの2~3回だった。
私たちの喧嘩の原因はいつもこのことだった。
「私の時間がリスペクトされていない」
彼が私と時間を過ごそうとしないこと、どこかで私を回避している・・・どうしても愛されてる気がしなかった。
彼にこのことを言及すると必ず「君のことを大切に思っている。君をいつも笑顔にしたい。大好きだから」と言う。
彼のその言葉を信じたくて、なんとかつなぎとめてた部分はある。
しかも彼自身は、表面的には本当にそう思っていたのかも知れない・・・
愛着スタイル・回避型(Dismissive Avoidant)
私はこの愛着スタイルについて随分勉強した。
Dismissive Avoidantという言葉を知って、彼のこと、彼の特徴を、とてもよく理解することができた。
Dismissive Avoidantの特徴が見られる人は、恋愛関係において「Emotionally Unavailable」とも特徴付けられる。
恋愛において相手が「感情的に不在」というのは、機能不全な関係性に陥りやすい。だから危険信号といわれている。
私の彼には、Dismissive AvoidantとEmotionally Unavailable、両方の特徴が見られていた。そこで、大体の人は私たちの関係を「機能不全」と結論付けていた。
私は彼のことを随分考えた。彼にこのような特徴があるのは、機能不全な家庭で育ったからだ。言えば、彼のせいではない。だから、私は彼のことを本当に理解したいと思っていた。
彼の家族について、彼の口から話を聞いたのはほんのわずかだった。
「世の中には恵まれた環境にいる人間とそうでない人間がいる」「自分の努力で来れたのはここまでだ」若い時に軍隊に入ったのは父親に薦められたから。医療従事に携わるいとこの話、そしてカリフォルニアに居るおばさんの話。彼の口から母親の話を聞くことはなかった。
「Dismissive Avoidant」も心理学で言うところの「ナルシスト」も、機能不全や感情的に希薄、ネグレクトな家庭環境、もしくはコントロールなど非常に厳しい家庭環境に身を置くことで形成されていくことが多い。
彼の中には「厳しさ」「怒り」が見え隠れしていた。私の想像では、彼にとって重要な保護者だった父親がとても厳しい人だったのではないかと思う。
母親の話が出てこないことから、母親的な愛情(母性)を受ける機会が少なかったのではないかと思う。でもどこかで母性を求めているから、女性が大好きで、とっかえひっかえする。
だから彼はどこか冷たかった。感情が存在していないみたいなところがあった。感情の起伏が激しかった。感情にむらがあった。
私とあまり会おうとしなかったことは、彼にとっては(無意識の)防衛反応だったのではないかと思う。彼が私と時間を共有することで、彼の中で芽生えてしまう感情を抑えていたのかもしれない。だから別れるときに「Bye」と冷たく言い放ったのは、もともとこの「別れ」という感情的な結果に自分が揺さぶられないために、普段から私との感情的なつながりを避けていたのだと思う。彼にとっては意識的な行動なのか、それとも無意識的なことなのか・・・
私にとって「感情」の触れ合いはとても大事なことだった。そして彼にはそういった深いつながりを求めていた。
彼は、感情的な深いつながりを口では「持ちたい」と私に言っていた。でも、彼はそういう関係を明らかに避けていた。今思えば、それが何かを本当に「知らない」んだと思う。
彼は人生で3度結婚&離婚を繰り返していた。彼は過去に、それらの女性たちとは少なからず深い関係を望んでいたのだと思う。しかし、この12月に3番目の妻と別れ、私との交際を選択した際に、彼は「感情」というものを更に自分の奥深くに閉じ込めてしまったのだと思う。
彼には4人の子供が居て(最終的にわかったこと、5人)、感情的に子供たちとの関係も絶ち切っていた。彼にとって大切な子供の存在を、彼の人生の中で傍に置こうとしていなかった。結果、結婚生活も大事にしない。その部分で、心理学でいうところの「ナルシスト」の特徴も見えてきた。
彼は、自分を守ることで精一杯なのだ。そんな彼の傍で、私が幸せになれるとは思えなかった。
私は彼のことを愛していた。心から愛していた。
きっと彼の妻たち、子供たちの母親たちも、彼のことを心から愛していた(愛している)と思う。
彼が周りからの愛を感じることはきっと難しいのだと思う。だから彼は、深くなりにくい関係性を渡り歩いているのだと思う。
私は、(彼が彼自身を守るために)結果自分が粗末にされたり、彼の深くなりにくい女性関係の一人にすぎない事実が本当に嫌だった。だから、別れを選択した。
私たちの物語はここで終わった・・・
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