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若葉のふるさと協力隊2023 参加者感想文【前編】

2023年度全国9か所で開催した、4泊5日の農山村ボランティア「若葉のふるさと協力隊」。

参加した方々に感想文を書いていただいたので、その一部をこちらでご紹介します。




①「自然との共生と人生の創造」 活動先:高知県大川村

社会人7年目になり、転職や結婚・出産など新たな環境に挑戦をしている同僚や友人を目の当たりにする機会が増えてきたことを機に、私自身も新しいことに挑戦しようと、以前から興味のあったボランティアに参加することに決めました。

自然が好きなので、日本の農山村の暮らしを知れる若葉のふるさと協力隊の活動はとても魅力的でしたが、生まれも育ちも東京で地方の暮らしには縁がなく、ボランティアも初めてだったため、少しハードルが高いかなと不安もありました。

でもチャンスの女神は前髪が3本、面白そうと思った直感を信じて参加することにしました。

1日目と2日目は大雨により、いくつかのプログラム変更を余儀なくされました。少し残念ではありましたが、足元の悪い中、安全運転で送迎をしてくださったり、私たちのために村のえきでコーヒーを提供してくださったり、地域の方々のあたたかい対応には感謝しています。

楽しみにしていた大川黒牛へのエサやり体験が無事にできたことはとてもうれしかったです。牛たちはとても愛らしく、癒されました。牛の成長に合わせてきめ細かくエサの分量を管理し、藁や穀物といろいろな種類のエサをあげていることは初めて知りました。

3日目の村民祭準備では、地域の青年団の皆さんと一緒にテントや提灯の設営、机・椅子の準備などをお手伝いしました。私の地元では、青年団という組織もなく、地域のお祭りの準備に青年がなかなか出てこないという課題があるので、準備の主体が青年層ということに感動しました。だからといってそれ以外の人が知らんふりというわけではなく、元青年団の方々も、未来の青年団の方々も自然と集まってきて皆で準備する光景は、学生時代の文化祭を思い出すようでとても楽しかったです。

4日目の豆腐作り体験では、おいしい豆腐作りを体験できたことはもちろん、大川村の昔ながらの生活を垣間見させていただき、大変貴重な経験になりました。

大川村は、美しい自然に囲まれ、人々が元気で、風通しのいい風土が整っているように感じました。

プログラムに参加する前の農山村へのイメージは、過疎・閉鎖的・高齢化などマイナスな面もありました。実際に、大川村は離島を除くと日本で2番目に人口が少ない自治体ということですが、一方でこどもや若者が多く、教育への取組みも充実していて驚きました。

また、若葉や緑のふるさと協力隊、地域おこし協力隊や、ふるさと留学制度などで、村外からの人を常に受け入れている点も、私のイメージしていた閉鎖的なコミュニティとは全く逆で、実際に参加してわかったことでした。

大川村で生まれ育った人、移住してきて数年来の人、地域おこし協力隊で移住を試みている人、期間限定で大川村に住んでいる人、色々な方とお話しする機会をいただきましたが、共通して感じることは自分で人生を創っている活力があるという点です。

季節に合わせて作る食べものを決めたり、水道の管理も自分たちで行ったり、村議会の存続が危ぶまれれば自ら手を挙げて地域を奔走したり、新しい挑戦を地域の人が喜んでくれるからとお店を始めたり…。何をやってもいい環境で、自ら何をやるか決めて挑戦することは自由であると同時に結構難しいことでもあると私は思います。

他方、仕事でもお祭りの準備でも、なんでも「なんで私が…」と、やらされている感を感じた瞬間につまらなく、辛いものになることが多いので、自分の人生を主体的に創る姿勢はとても重要で、実践している方々をみて素敵だなと思いました。

そういう意味では、都市部に住むか、農山村に住むかはあまり関係ないかもしれませんが、大川村の豊かな自然との共生が人々の心に作用しているようにも感じました。美しく豊かな自然は人の心を癒したり、エネルギーを与えてくれたりするもので、私自身も都市部とは違った解放感と充足感を味わいました。

「上流は下流を思い、下流は上流に感謝を」という言葉も地域の方から教わりました。早明浦ダムの建設は、大川村の歴史にとっても大きな意味を持っていると思いますが、四国を支える上流地域に住む務めや思いをもって生活されているのだなと改めて感じました。

1日目、2日目で経験した大雨もある意味自然のエネルギーで、自然と関わるうえでは、畏怖もあるかと思います。それも含めて、私が大川村で感じた活力は、自然と人々との相乗効果で生まれているのかなと思いました。

ボランティアとして何かしら社会貢献できたらと思って参加したにも関わらず、この期間はむしろ大川村の方々から沢山の学びやおもてなしをいただきました。

いつか本来のボランティアとしての役割を果たせるよう、大川村に恩返し・貢献していける存在となれるように、私自身も今一度しっかりと人生に向き合い、時々自然のエネルギーをチャージしながら力をつけていきたいと思います。

大川村の豊かで雄大な自然に癒され、地域の方々が生き生きとしている姿に元気をもらい、勇気を出して参加して本当によかったです。お世話になった大川村の皆様にはとても感謝しております。

必ずまた訪れたいと思います。5日間ありがとうございました。



②「感謝・楽しむ 学んだ小国町」 活動先:山形県小国町

「こういう田舎が日本を支えているということを覚えておいてほしい」

私が一番はっとさせられた言葉だ。
普段私は、お金を出せば手に入る消費者側だけにいて、裏にはこういう農家の方達の努力があるおかげで食べ物をいただいていることを忘れてしまっていた。

私は山形県小国町での4泊5日でたくさんのことを学ばせていただいた。
”稲刈りをしてみたい”、私は農業に興味を持っている。何か関われるものはないか、そんな時に若葉のふるさと協力隊を知った。短期ボランティアという形で携われることに魅力を感じ、稲刈り・星空観察・芋煮会ができる、そんな言葉に惹かれて小国町を選んだ。
実際はボランティアというには申し訳ないほど、様々な体験を”させていただいた”と感じる。小国町の良さを満喫しまくった充実した4泊5日だった。

一番は、皆さんの優しさ、温かさだ。
親切を当たり前のようにしてくれて、自然に深々と頭を下げたくなった。こんなに短期間で「ありがとうございます」を伝えたいと思ったのは初めてかもしれない。天候不良時に、急遽お話を聞く機会を作ってくれたり、翌日に私たちが収穫体験できるようにわざわざ少しだけ収穫部分を残しておいてくれたりと、ボランティアに来たはずなのに助けていただいてばかりだった。

そして、皆さんからパワーをいただいた。
お若い!交流した皆さんがとても生き生きとし、仕事に誇りを持ち心から楽しそうにしているのが印象に残っている。前へ前へより良いものを目指して、小国町をよくしていきたいという熱意を感じた。私が会社員の頃、ただ愚痴をよくこぼしていたことを思い出し、こういう風に働きたい、かっこいいと輝いてみえた。
今回、地域おこし協力隊の若い方やマルチワーカーの方とも交流でき、新しい働き方を知ることもできた。自分が生き生きする働き方とはどんなだろう…。

しかし、地方の問題も肌で感じた。米農家の方から後継者不足、設備・田んぼを後世に受け継いでいきたいという切実な思いを伺った。
今は農家さんがいくつもある所でも、ここ5、10年で地方の風景・コミュニティはがらっと変わってしまうのかなと痛感した。高速道路の建設予定地になっている水田を小国町で見て、この稲穂の揺れる素敵な景色、お米がなくなってしまうのは嫌だなと思った。どこか他人事のように思っていた問題だった。しかし私にはすぐに行動できる程の力も何もない。関心を寄せることからしていきたいと思った。

最後に、知らない土地で新しい人と交流することで、新しいもの・コトと出会うことができた。気づき、学び、楽しさ、無知、日常から何かを変えてみることで見え方が変わるんだなと。農業への興味から参加したが、人との繋がり、地方での暮らしのプチ体験、とってもとっても楽しかった。

緑のふるさと協力隊の川添さん、小国町の皆さま本当にありがとうございました!



③「鏡野町での5日間」 活動先:岡山県鏡野町

私は大都市でしか生活したことがなく、農村部の生活はどのようなものか知ってみたい、体験したい、という気持ちが以前からありました。

岡山県鏡野町の若葉のふるさと協力隊の応募をインターネットで見つけ、稲刈り、炭焼き等の体験、地域の方々との交流を目的に応募しました。

稲刈りはバインダーで稲を刈り取り、束ねて天日に干す「ハデ干し」を体験しました。バインダーで一直線に刈ることは全く容易ではなく、地元の方にコツを教えて頂きながら最後の方には田んぼの端から端までなんとか刈れるようになりました。また、干したワラは牛の餌として利用され、稲を余すところなく使われていました。

半世紀以上にわたり米作り、牛の飼育を続けている方から、大事にしている考え方として「商売よりも良いものを作る」ということを伺い、都会の大量生産・消費社会と比べ、量よりも質を大切に、そして周りとの人との繋がりを大切にしていることが素晴らしく感じました。

炭焼きは、高温で熱した木材を窯の外に出し、灰で土をかぶせて急冷する白炭作りを体験しました。

外気温が30度近い中、高温の木材を窯から掻き出す作業はとても暑い作業でしたが、様々な器具(例;ぶたのしっぽの形をした長い鉄製の器具)を器用に使い、白炭を作る作業は長い歴史と熟練を感じました。

毎日の作業の後には温泉に入りましたが、鏡野町には沢山の温泉が存在し、渓流(あまごを期間中に10匹以上頂きました)も併せて町が多くの観光資源を持っていると感じました。

4日目の夜は報告会があり、その後の懇親会では楽しく交流をした一方、若いころの苦労や努力の大切さを話していただいたのも強く印象に残っています。役場の方、地域の方から、暮らしの生の話を伺うことができました。皆さん人柄が本当に良い方ばかりであり、若葉のふるさと協力隊を通して、農村部の生活をまるっと体験できた、貴重な5日間でした。

鏡野町、特に富地区の皆さん、コーディネーターを務めて頂いた森本さん、尾形さん&為国さん、ありがとうございました。

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