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ともだちへの手紙 02


ふたりの兄貴、ジュウとセバスチャン へ


フィンランドの冬
凍った湖におそるおそる立ってみる


ジュウはミュージシャンになるって
夢に向かって頑張ってるかな?
ヘルシンキでのお仕事は順調かな?
セバスチャンの旅はどう?
新しい暮らしには慣れた?


フィンランドの湖
11月中頃の晴れた日にはこんなかんじ

一ヶ月後にはこうなる
全部凍ってる


一年前にフィンランドの小さな村で出会って、フィンランドの寒くて暗い冬を同じ家の中でぎゅっと家族みたいに一緒に過ごした日々はわたしにとってすごい大事な思い出になった。

あのとき、わたしは二人に話していなかったけど、フィンランドに来る前のデンマークのファームではいろいろと悲しいことがあったんだよね。初めての海外での暮らしと人間関係、拙い英語でのコミュニケーション、何もかも上手くいかないような気がしてた。


その半年後の夏にジュウと再会したとき
わたしは何気なくその話をしたら
なんで言ってくれなかったんだよー
って優しくハグしてくれて
本当にお兄ちゃんみたいだった


それで逃げるみたいにしてフィンランド行きを決めた。でもフィンランドでもおんなじかもしれない、上手くいかないかもしれない、そうだったらどうしようって、心ががちがちに強張ってて、最初はふたりとも全然うまく喋れなかった。たぶんふたりはそれに気付いてて、ずっとそばにいてくれて、話しかけてくれて、笑わせてくれてたんだなって、いまは分かる。

にこにこしてるわりにいつも不安そうなわたしにずっと「 わからないことはわからないって言っていい 」「それは違うとか嫌だとか思ったらそう言っていい、何でも言っていいんだ 」ってふたりが言い続けてくれたから、いまみたいなわたしでいられているんだと思う。刷り込まれたんだと思う。当たり前のことなのに、あのときのわたしにはそれがすごく難しくて、出来なくて、自分をどう表現していいのか分からなかった。


大きな窓がついた
バルコニーみたいな空間
大好きだった


少しずつ仲良くなって、「 お前、なんでそんなことも言わないんだよ〜、ちゃんと言えよ〜 」ってふざけながらも、わたしが本当に言いたいことだったり不安に思っていることを引き出してくれた。ふたりは別にそんなつもりじゃなかったのかもしれないけど、そのおかげでずいぶん傾いてたわたしの気持ちの軸が元に戻っていったような気がする。いまになってそう思う。もう感謝の気持ちでいっぱいなのよ。そんなこと言ったことなかったけど。

どんどん図々しくなっていくわたしを、妹みたいに可愛がってくれてありがとう。ふたりが「俺たちには日本人の小さな妹がいる」って言ってくれたこと、本当に嬉しかった。


冬直前のコテージからの景色
15時すぎには日が沈んでく


たった一ヶ月やそこらだったけど、結局わたしの英語は拙いままでいろんなことを分かり合えたわけじゃなかったけど、それでも一緒に過ごした時間のなかで、大事だなあ、家族みたいだなあって、そんなふうに思える、思ってもらえるひとができたことは、わたしの自信にも繋がった。

日本を離れて初めて、心から安心できた日々だった。特別に何かしたり話したりしなくても、寒いねーって珈琲飲みながら映画を観る時間とか、それぞれがギター弾いたり筋トレしたり日記書いたりして思い思いに過ごしてた時間とか、そういうのばっかりがものすごく大事な思い出になってるんだよね。


本当になんでもない時間が
だらだらと過ぎていたけど
それが最高だった


それからわたしはまたホイスコーレのために
デンマークに戻ったわけだけど、本当はすごく怖かったし不安だなあって思ってた。でもわたしには全然違う国からやってきてたまたまフィンランドで出会ったふたりの兄貴がいて、ふたりともそれぞれの旅を続けてるんだよなって思ったら、がんばれた。そこからまた大好きな友達ができたのも、楽しい日々が送れたのも、元を辿ると兄貴たちのおかげです。



元気にしてるかなって、いつも気になる。
ふたりにとってもあの日々が少しでも心に残っているといいな、英語の下手な小さな日本人がふたりの間で楽しそうにしてたこと、たまに思い出してくれたらいいなあって思う。
ありがとうね。また会おうね、絶対ね。


ふたりに負けじと自分なりに
旅を続けている
さきより



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