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ベトナムのアヴァン・ポップトリオ、Quyechがソンラ省の大自然の中撮影されたMV『CHO』を公開

こんにちは、midizine編集部です。2021年4月18日(日)、ハノイ(ベトナム)を拠点に活動するアヴァンポップ・トリオのQuyech(クエック)が4thシングル『CHO』のMVをリリースしました。

「Cho」とはベトナム語で「待つ」を意味します。歌詞の翻訳がまだなく、アーティストもあまり説明をしないので、ここからは編集部の解釈となります。

作詞作曲を担当しているギタリストのDuc(ドゥック)が川べりで寝そべったままギターをかき鳴らしたり、出演モデルのQuynh Ngoとバンドメンバーたちが河原を駆け回ったりする様は、童心を取り戻したかのような解放感を感じさせます。その一方で、現れることのない何かを待ち続けているかのような切なさも感じさせるのです。

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MVでの演者たちの動作は全て「待つこと」を表現しています。撮影時も具体的な筋書きがなく、多くのシーンがその場のインスピレーションで撮られたようです。「待つ」というと、どこか受け身で積極性を感じさせない側面もありますが、誰しも生きていれば待つ他ないという状況に陥ります。

人間がコントロールできない力や、突如降りかかってくるような事象に対しては備えようがありません。そもそも予測し得ない出来事について「待っている」と言えるのでしょうか。「待つ」ことがその先に思い描く対象があるから成立するのだとしたら、そこには期待や楽観といったポジティブな感情が必ずあるはずです。

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何か不可避の悲劇的な結果を待つような状況もあるでしょう。それでも人は100パーセント、負の状態に陥るものなのでしょうか。心のどこかで、救われる展開を思い描いているのではーー

といった思索につい耽ってしまうような、内省と静謐に満ちた美しい曲です。そう考えてみると、「待つ」とはとてもポジティブで力強い行為なのかもしれません。それはボコボコと打ちつけるプリミティブなパーカッションや熱のこもったコーラスによって生み出されるダイナミックな展開からも感じ取られます。

本楽曲『CHO』はデジタルでも配信されています。是非お楽しみください。


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