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伊豆ではじめる。~熱川温泉ネイルサロン『anti』開業プロジェクト~/micro development inc.

私には好きなものがいっぱいある。

例えば、愛犬と散歩しながら眺める夜明けの空が好き。

どこまでも広がっていそうな海と、時間によって、季節によって、少しずつ違う空の色。昇る太陽。
東伊豆に移住してきてもうすぐ2年。当たり前になりがちな景色だけど、ふと「贅沢よなー」ってしみじみ感じたり。


例えば、アンティークものが好き。
特に、蝶を象ったものはついつい集めてしまう。
好きなものに囲まれた空間にいると、好きな自分を取り戻せる気がする。

新しい場所・東伊豆で、いつかやりたかったことを、自分ではじめてみた。
周りの人に助けてもらいながら、慣れないこともうまくいかないこともたくさんあったけど。

そしたら、好きなものがもっと増えた。まちのことも自分のことも前よりもっともっと好きになった!

これは、私が東伊豆でネイルサロンをはじめた物語。


伊豆の力をゆびさきに乗せて

「またね」
旅で東伊豆にやってきた子に手を振る。

私がはじめたお店にも来てくれた子。
ようようを出て改札に入っていく背中は華奢だけど大きくも見える。あの子のことだから、また忙しい日常に戻って頑張るんだろうな。私も、頑張る!

夏の夕暮れ


東伊豆に移住してきた2年前、いつかやりたいと思っていたネイリストの仕事をはじめてみることにした。


昔から絵を描くのが好きで、一時は絵を描くのを諦めかけたこともあったけど、やっぱり好きで描き続けてきた。
そんな感じで好きな「絵を描くこと」と、指先がかわいくなることでなんでもない日が特別になる気がして好きな「ネイル」を掛け合わせて辿り着いたのが、ネイリストの仕事。

実際にはじめると、お店のコンセプトや内装のデザイン、情報発信など色々なことを考えていかないといけないのが大変…。けど、企画の始まりからお店がはじまった後も一緒に考えてくれる会社にお願いしてみると、結果はとっても良い感じにまとまった!


できたお店を一言で表すなら、「秘密基地」とか「隠れ家」みたいな場所。大きな棚を私の好きなものでいっぱいに埋め尽くしたい。

そんな、好きなものに囲まれた空間でネイルをしたら、なんでもない日が特別になる気がする。

忙しい日常を離れて伊豆に来てくれた人には、0.7倍速で流れる時間をゆっくり過ごしながら回復して欲しい。日常に戻っても、伊豆の力をぎゅっと込めた指先から、いつでも好きな自分を取り戻せるようにしてもらえたら嬉しいな。

伊豆には、好きな自分を取り戻して明日も頑張ろうって思えるような、そんな力があると思う。



熱川温泉ネイルサロン『anti』開業プロジェクト

東伊豆町にあるネイルサロン『anti』。
2年前に移住してきた女性が開いたお店です。

弊社では、2022年12月1日から本ネイルサロン開業プロジェクトの伴走支援を行っており、初の個人向けプロジェクトコーディネートとなりました。


今回のネイルサロン開業プロジェクトでは、ご相談者様へのヒアリングから開業・運営支援までをトータルコーディネート。

成果物:
コンセプト、店名、ロゴ、グラフィック、ショップカード、SNS開設&運用支援、内装設計


コンセプト:恋するゆびさきリトリート

ご相談者様とのヒアリングから、テーマとして「#伊豆の自然」「#隠れ家」「#回復」の3つを掲げ、コンセプトを作っていきました。

#伊豆の自然(EARTH)
目の前に広がる伊豆の海。
時間によって、季節によって
さまざまな色がある。
この自然の色をゆびさきに。

#隠れ家(ATELIER)
好きが詰め込まれている。
好きが溜まっていく仕掛け。

#回復(RETREATMENT)
景色も温泉も食事もネイルも。
伊豆全てで回復する。
そのエッセンスをゆびさきにのせて日常へ。


店名・ロゴ・グラフィック

店名の『anti(アンティ)』は、「これからはじめるネイルサロンで、好きなものをたくさん集め、大事にためていきたい。『好き』に囲まれた空間にしたい」というご相談者様の想いから、「『antique(アンティーク)』へ向かう途中」という意味を込めてご提案しました。

ロゴは、「anti」の「a」のフォントをベースに、これからできていくニュアンスを汲み取って一部欠けたデザインに。そうすることでネイルを見る手のかたちをイメージしてみました。

グラフィックは、ネイルで使うようなカラーをベースに複数の色をペーストする油絵を作成しました。アンティークな風合いとこれから色々なものが積み重なっていく意味合いを表現し、インテリアの中、SNSなどでも目を惹く、キャッチーなものを目指しました。


小規模プロジェクトでは、あるものを活かす

個人向けプロジェクトを伴走支援する上でのポイントが、「ご相談者様の予算内で、その規模に合わせた適切な提案をする」ということ。一般的に、法人向けのものとは異なり、小規模での実施になることが多いです。

これに対して私たちが意識したのは、「全体の内装設計(改修)は低コストで抑えつつ、建物の古さをアンティーク風に活かし、プロジェクトに合った空間をつくる」こと。

例えば、壁のデザインは、大きな棚をしつらえるだけに留め、ご相談者様の想いでもある「好きなものを集め、ためていく」空間にできるよう、余白を残しました。

また、壁紙の色や、コンセントのプレート(一般的に白色)をアンティーク風の真鍮しんちゅうテイストのものに換えるなど、小さく手を加えられる部分にこだわることで、大きなコストをかけずに「好き」だと納得できる内装に仕上げられました。


本プロジェクトの成果

本プロジェクトを通して、3つの成果があったと考えられます。

①ネイルサロン事業としての成果
事業としては、サロンのお客様は月に10名程度ご来店、予約は毎月満枠となる規模になりました。

ヒアリング時に伺ったご相談者様の希望は、アルバイト・パートとして働く代わりに、いつかやりたいと思っていたネイリストの仕事をしたい、とのこと。当初の希望通り、アルバイト・パートとして働くのと同程度の収入を得られるくらいまで事業を成長させることができました。

また、サロン情報を掲載しているウェブサイトへの掲載案内をいただくなど、サロンとして第三者からの評価も得られるようになってきています。


②まちに対しての成果

今回のプロジェクトは、「東伊豆町に移住してきた女性が自分で事業をはじめる」という事例になりました。

「やってみたいことがあるけどちゃんとできるか不安だ」
「何からはじめたら良いのかわからない」

という想いを持っている人は、実は少なくないのではないでしょうか。
今回の事例では、東伊豆町というローカルで、やってみたいことの実現を伴走支援することができました。

成功例があることで、次にチャレンジする人のハードルは少しずつ下がっていきます。そうして新たに「はじめる」人がどんどん増えていくことで、ローカルはさらに盛り上がっていくと、私たちは考えます。今回のプロジェクトが「東伊豆町ではじめる」事例としてまちを盛り上げていくひとつのきっかけになれば幸いです。


③私たちにとっての成果

冒頭でも書きましたが、本件は私たちにとって初めての個人向けプロジェクトコーディネート案件として実施いたしました。ご相談者様のご要望を伺うヒアリング段階から、企画、空間設計、運営支援までしっかり併走しながらコーディネートさせていただくことができました。

私たちは、このプロジェクトを通して得た知見やノウハウをフレームワーク化し、新しく提案するサービス「IZURU」の型をつくりました

「IZURU」は、個人向けのプロジェクトコーディネートサービスとして、「やりたいことがあるけど、はじめかたが分からない」という方を対象に、構想段階から企画、実施まで、なかなか手が回らないデザイン・ブランディングまわりを、私たちが一貫して伴走支援いたします。現在、モニター利用者を募集中です。詳しくは、下記リンクからnote記事をご確認ください。



あとがき

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。ネイルサロン『anti』に興味を持ってくださった方は、素敵なネイルで指先からリトリートする体験をしに、ぜひお越しください!

今回のプロジェクトでは、東伊豆町に移住してきた女性がずっとやりたかったことをはじめるのを伴走支援することができました。

「ローカルではじめてみる」が当たり前になる世界をつくるため、引き続き活動していきますので、応援していただけると幸いです!


関連リンクはこちらからチェックしてみてください!

「ネイルサロン anti」Instagram

※画像からInstagramにアクセスできます


「IZURUモニター募集」note


photo:田中 亨憲(SOW)
text & edit:花崎 寛太(micro development inc.)


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