これまでのSDGs投稿まとめ【最終版】: 目標16、17(平和と公正、パートナーシップ)
今日の投稿で、いよいよ17個の目標に関わる投稿について、概要を説明することになりました。
下図に2021年 日本のSDGs目標17の通知表を示しましたが、目標16は「目標達成」、目標17は「主要な課題が残っている」(但し、適度に改善している)という評価です。
1.目標16「平和と公正をすべての人に」に関わる投稿
1-1)まずは、日本の現状の課題から
目標16に関して、日本は目標を達成しているという評価のようですが、いろいろ調べていくと以下のように沢山の課題が出て来ました。
❶子どもへの暴力・搾取
日本国内で年間約50名の子どもが虐待によって死亡している。
❷ドメスティック・バイオレンス(DV)
年間10万人以上もの被害者が、配偶者からの暴力について支援センターに相談している。
被害者の多くは女性で、男女格差社会や経済的な問題、子どもの教育環境の維持などを理由に、関係を断ち切れずに解決されないケースが多いとのこと。
❸政治の腐敗
2021年発表の世界の公務員の腐敗度ランキングでは、日本はクリーンさにおいて世界180か国中19位という好成績でした。
しかしながら、これは相対評価であり、他国と比較して、まだましというだけのようです。
例えば、「オリンピック関連支出の不透明さ」「政治家による事実確認に必要な公文書の破棄」「書類改ざんを迫られ自殺した財務省職員に対する調査不足」など課題が山積みしています。
❹選挙の低い投票率
2021年の世界の議会選挙投票率 国別ランキングで、日本は194カ国中の131位でした。
特に、若者の選挙・政治への無関心が問題視されており、選挙権が18歳に引き下げられましたが、残念ながら投票率に大きな改善はみられないようです。
目標16では、腐敗や汚職のない透明度の高い政治のありかたが求められていますが、その政治を作る第1歩の選挙率が低いのは、先進国として危機感を覚えるべき現実です。
❺男女不平等・LGBTQへの差別
日本には、いまだに根強く残る男女不平等の問題があります。
日本のジェンダーギャップ指数2021は156か国中120位で、男女の格差が他国に比べても大きくなっています。
日本では政治やキャリアなどあらゆる場面で女性の立場が弱い、と指摘されています。
❶〜❺の日本の課題の概要について説明しましたが、こういう課題があっても目標16が「目標達成」と評価されていることに違和感を覚えました。
私も今回の投稿で、これらの課題を再認識しました。
SDGsは、まず認識することが重要と言われます。
このような情報を今後も発信して行きたいと思いました。
1-2)目標16に関する投稿
恥かしながら、目標16は日本においては、大きな問題がないと思い、これまでほとんど投稿して来ませんでした。
唯一、課題と考えていたのは、下↓の投稿のジェンダー平等でした(これは目標5にも大きく関連しています)。
日本のジェンダーギャップ指数の順位は、なんと156か国中120位😢
日本の分野別指標では、「教育」と「健康」は0.95を超えており、ほぼ「完全平等」であるのに、「政治」0.061、「経済」0.604であり、「政治」に至っては、ほぼ「完全不平等」の状態になっています。
⇒この指数は、「経済」「政治」「教育」「健康」の4つの分野のデータから作成され、0が完全不平等、1が完全平等を示している。
日本のジェンダーギャップについては、「なんとなくよくないのかな」くらいにしか思っていなかったけれども、認識を改めました。
先程の❶〜❺の課題についても、深く知ることが、SDGsを理解することに繋がると強く思いました。
【引用・参照website】
◆Spaceship Earth website: SDGs16「平和と公正をすべての人に」の現状と取り組み事例“私たちにできること”
◆SAKISIRU website: 日本は19位、世界の公務員の汚職度ランキング
◆GLOBAL NOTE website: 世界の議会選挙投票率 国別ランキング・推移
2.目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」に関わる投稿
2-1)目標17の日本の主要な課題とは
日本には、「公正な資金の流れ」という点で、大きな課題があると評価さえているようです。
それには、2点あり、
❶国内総所得(GNI)に占める政府開発援助(ODA)の割合の低さ
❷金融秘密度スコアの高さ
です。
❶のODAについては、ターゲット17.2では、GNIの0.7%を援助に向けるとありますが、日本の場合は0.2%にとどまっています。
日本よりGDPが小さいドイツ、イギリス、フランスよりODAが少ないことで、必ずしも億歳協力に熱心とはいえないと思われています。
❷の金融秘密度スコアとは、銀行の守秘性、企業の情報公開制度、税務当局による納税者情報の把握などによって算出されるようです。
金融秘密度が高いと、財政の民主的統制を骨抜きにするばかりか、公正な競争を歪め、貧富の格差を拡大させます。
2-2)目標17に関する投稿
これまで、お話ししたSDGsの16の目標を達成するには、地球のあらゆる国、企業、団体、個人などのあらゆる関係者が価値観を共有し連携して、協力していく必要があります。
そういう事例について投稿していますので、簡単にご紹介します。
❶クボタと新潟県のパートナーシップ
クボタは、スマート農業をICT、ロボット技術を活用して、超省力・高品質生産を実現する新たな農業と位置づけ、
① 超省力・大規模生産
② 消費者等に安心と信頼を提供
③ 誰もが取り組みやすい農業
④ きつい作業、危険な作用から解
⑤ 作物の能力を最大限に発揮
の5つの方向性で研究を進めています。
このクボタは、新潟県とスマート農業の普及や新潟米の輸出促進に関する連携協定を結ぶようです。
クボタは、スマート農業を推進することで環境負荷低減や農業に関する社会課題の解決に向けて取り組んでいます。
一方、新潟県は、農業のDXを推進したいと考えており、双方の目指す方向が一致しており、協力関係を深めるようです。
❷企業と行政の協力で高齢者の介護を
日本は、高齢者の人口が全人口の29.1%(2021年9月総務省)になる超高齢社会であり、今後当分の間、さらに高齢化率が高まって行きます。
そんな中、企業は、あらゆるモノがネットにつながる「IoT(Internet of Things)」で介護を変える動きを行っています。
例えば、以下のようなものがあります。
① 排泄予測支援機器:超音波で排尿のタイミングを予測
② ベッドのマット下センサーとAIで転倒・転落を予測
③ ベッドの圧力センサーが呼吸や体動を測定し転落を予測
行政も、介護保険でこのような機器の対象を増やしているということで、企業と行政とのパートナーシップにより、高齢者への対応が進むことを今後も期待したいと思います。
【引用・参照website】
◆Yahoo!ニュース
「チーム地球」の一員としての日本の5つの優先課題――SDGs週間に考える
3.まとめ
本投稿を含め、6回の投稿で、過去に私が投稿したSDGsの17の目標に関連する一部を紐付けて紹介しました。
皆さんもご存じの通り、SDGsの17の目標には、169のターゲットがあり、今回私が紹介した事例はそのうちのほんの一部に過ぎません。
私の独自の視点になるとは思いますが、今後もSDGsの17の目標に関わる事例を発信して行きたいと思います。
今回の投稿を作成するに当たり、現状を理解することの大切さを知りました。
今回は日本の現状を主体にお話しましたが、世界に目を向けると、きっと我々日本人が想像することもできない事態が起こっています。
日本のSDGsだけでなく、日本が関わることができる世界のSDGsについても考えて行きたいと思っています。
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