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脱炭素、2022年の最重要キーワードは「スコープ3」!【続編】:スコープ3を制するものは、脱炭素を制する

1. やはり、「脱炭素、2022年の最重要キーワードは “スコープ3”」

先日の投稿で、「スコープ3を知らない企業経営者は、今年生き残れない」ということを発信しました。

「スコープ3」については、この投稿の中で説明していますが、簡単に言うと、
・事業者のサプライチェーンにおける事業活動に伴って排出する温室効果ガス排出量のうち、
・スコープ1(事業者自らによる燃料使用等による直接排出)
・スコープ2(他社から供給された電気、熱、蒸気の使用に伴う間接排出)
を除く、その他の間接排出量のことを指します。

具体的には、下図の❶から⓯に当たる間接排出のことです。

スライド1

本日の日経新聞では、このスコープ3に関わる記事が掲載されていましたので、紹介します。


2.2050年の温暖化ガス排出量ゼロ 半数の企業で未表明【日本経済新聞2022.3.20朝刊】

◆50年排出ゼロ、半数未表明 国内400社分析、欧州に遅れ 排出量の数値化難しく【日本経済新聞2022.3.20朝刊】

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この記事は、日本、アメリカ、ヨーロッパの各地域で、時価総額上位400社を対象に、温暖化ガス排出量の実質ゼロに向けた取り組みについて分析した結果に関するものです。

一言でいうと日米欧の大企業は、排出量の実質ゼロを目指す動きが足踏みしているとの評価です。

日本の主要企業400社に関しては、半数の200社が2050年までの排出実質ゼロを宣言していないとのことです。

これは、アメリカ(214社)よりは少ないが、ヨーロッパ(157社)と比べると出遅れているようです。

大企業の排出実質ゼロ宣言が進んでいない理由として、この記事では以下のようにいくつか理由を挙げています。

❶自社が大量の温暖化ガスを出していない。

❷排出量を測定する機能がない。

❸再生可能エネルギーを調達しにくい。

❹国の産業政策や対策の枠組みが不十分である。

エネルギー関連等、排出量の多い企業には投資家の風当たりが強いため、ゼロ宣言が進んでいるようです。

一方、自社が大量の温暖化ガスを排出していない電機や機械等を含む産業やIT(情報技術)企業は、あまりゼロ宣言が進んでいないようです。

この記事の終わりの方で、「脱炭素に後ろ向きな企業への圧力は一段と強まる見通しだ」と言っています。


3. 日経新聞記事に対するコメント

日本政府は2020年10月に2050年温室効果ガス実質ゼロ(カーボンニュートラル)を宣言しました。

その年の12月に経済産業省が発行した「2050年カーボンニュートラルをめぐる国内外の動き」の資料には、世界で123カ国1地域が、「2050年までのカーボンニュートラル(CO2排出をネットゼロに)にコミット」したと記載されています

そういう意味で、日本政府の宣言は世界から見て決して早いとは言えません。

そんな状況の中で日本の時価総額上位400社のうち200社が「2050年までの排出実質ゼロを宣言」しているのは、かなり頑張っていると私は思います。

しかしながら、日本固有の課題は非常に多いことも事実です。

それは、日本政府は、2050年温室効果ガス実質ゼロと宣言しながら、再生可能エネルギー比率向上の進捗の遅さを始め、国の産業政策や対策の枠組みが不十分だという点です。

具体的には、電力構成の中で、再生可能エネルギーをかなりの比率で賄わないと、日本では、電気自動車でのカーボンニュートラルは、非常に困難になって来ます。

そういう中でも、「2050年までの排出実質ゼロを宣言」できるのは何故でしょうか。

それは、スコープ3のデータをしっかり押さえているからだと思います。


4.スコープ3の重要性

先程紹介した日経新聞記事の中で、大企業の排出実質ゼロ宣言が進んでいない理由として、挙げている「❷排出量を測定する機能がない」というのが正しくスコープ3を押さえていないということです。

日経新聞の記事の中でも「原材料の調達や社員の出張、販売した製品の使用等、取引網全体にわたる排出量は数値化が難しいうえ、自社だけの努力では削減できない。排出ゼロを達成するには、取引網全体にわたる排出量を簡便で正確に把握できる仕組みが不可欠になる。」と言っています。

これは即ち、1.で説明したスコープ3の15個の間接排出量を把握していないということです。

この間接排出量を抑えるためには、私はDXの力を借りる必要があると考えています。

即ち、サプライチェーンに関わるデータを全て一元管理しビッグデータとして、そこから必要な情報を加工して取り出すと言うことが必要になって来ます。

その加工したデータを見ることで、サプライチェーンのどの部分で、どういう対策を取らなければならないかが自ずと見えて来ます。

最近、私の会社で、「DXでSDGsを実現する経営者Zoomセミナー」「勉強会」を企画していますが、これらは、まさしく今のスコープ3のような対応の場合に非常に有効になります。

即ち、

【ステップ1】
SDGs目標の13「気候変動に具体的な対策を」の「13.2 気候変動対策」を企業の重点目標に選定する。

【ステップ2】
この目標を達成するために、サプライチェーン全体のCO2削減を目標とする。

【ステップ3】
スコープ1、スコープ2は、従来のやり方でCO2排出量を計算できる。

【ステップ4】
しかしながら、スコープ3は、自社だけでは計算は難しい。関連する企業からいろいろなデータを入手する必要がある。

【ステップ5】
データをいちいち各社からもらって、加工していると現状のCO2排出量を計算するのに長期間かかってしまう。

【ステップ6】
そこで、簡単にデータを入手し、そのデータをCO2排出量に変換できないだろうか。

【ステップ7】
DXを使ってスコープ3を直ぐに把握するという変革を検討する。

と流れで進めて行くことになります。


脱炭素、2022年の最重要キーワードは “スコープ3”です。

スコープ3をどれだけ制御できるかが、企業の「排出実質ゼロを宣言」を支えることになります。



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