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脱炭素は政治主導で:菅前首相/岸田首相の決断とは。。。

日本人は、なかなか方針を外部に宣言して、それに向かって進んで行くことが苦手なようです。

特に政治においては、欧米の政治家は、未来の方針を掲げ、国を引っ張って行く傾向にありますが、日本の政治家は、国の未来を先導するために方針を語ることが少ないです。

1.菅前首相の決断: 2050年カーボンニュートラル

そんな中、菅前首相は、2020年10年26日、所信演説の中で、

「我が国は、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを、ここに宣言いたします。」

と演説しました。

この所信演説は、EUがいち早く2050年までにカーボンニュートラルを実現している状況の中でのものです。

この時点では、おそらく菅政権は、産業界の同意を得ていたわけではないと思いますが、この宣言をしたことは、日本の環境対策を大幅に推進する原動力になりました。

さらに、菅前首相は、

「積極的に温暖化対策を行うことが、産業構造や経済社会の変革をもたらし、大きな成長につながるという発想の転換が必要です。」

と続け、国内の発想の転換を促しています。

菅前首相は、短命の政権に終わりましたが、この宣言だけで、歴史的な使命を果たしたのではないかと私は思います。

そして、菅前首相は、

「省エネルギーを徹底し、再生可能エネルギーを最大限導入するとともに、安全最優先で原子力政策を進めることで、安定的なエネルギー供給を確立します。」

と原子力政策の推進について述べています。

第二次大戦での広島、長崎への原子力爆弾の投下や東日本大震災における福島第一原発での事故を経験した日本は、原子力発電に関しては、かなりネガティブになっていた中で、原子力を活用することを宣言していました。

ただ、日本政府としては、東日本大震災以降、原子力発電の新設や増設は「想定していない」という立場を取っていました。

【引用、参照website】
◆温暖化ガス排出、2050年実質ゼロ 菅首相が所信表明へ【日本経済新聞2020.10.21電子版】

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◆菅首相の所信表明演説全文「縦割り破りデジタル化」「少子化対策、真正面から」【日本経済新聞2020.10.26電子版】
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2.岸田首相の決断:原発新増設へ転換

以前、私の投稿(↓参照)でもお話しした通り、日本の脱炭素は進んでいません

その理由として挙げられるのが、

2011年の福島原発事故以降、原発再稼働が進んでいないこと

再生可能エネルギーの普及も遅れていること

そのため、今のところ2030年の電源構成で約20%を石炭に依存する予定であること

という理由です。

そんな中、2050年カーボンニュートラルを実現するためには、原子力発電について、政治決断をすることでした。

そういう背景の中、岸田首相が、「新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉の開発・建設」を各省庁に求めたようです。

【参照記事】
◆原発新増設へ転換、次世代型の建設検討 再稼働7基追加 岸田文雄首相が表明【日本経済新聞2022.8.25朝刊、8.24電子版】
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これは、多分、岸田首相の功績として残る決断だと思いました。

2050年を見据えた場合、原子力発電の安全性については、現時点では疑念があるものの、その結論を待っていては、何も進まないため、ついに決断しました。

この決断は、日本の未来を見据えたものであり、大いに評価したいと思います。

決断して考えを表明しないと何も進みません。

まず、前へ進むと言う意志表示をしただけでも素晴らしいと思いました。


3.さいごに

上に挙げた菅元首相と岸田首相の決断こそが今の日本に必要なことです。

もし、その決断が間違っていると気付いたならば、また、その時点で方針を転換すればいいと私は思います。

外部の状況と未来のあるべき姿を見据え、最善策を提示しすぐ実行するというOODAループ的な動きが今の日本には必要だと考えます。

OODAループ: ポストPDCAサイクルと言われている「臨機応変」「即断即決」の意思決定方法のこと。「O」Observe(観察)、「O」Orient(状況判断、方向付け)、「D」Decide(意志決定)、「A」Act(実行)のループを回すことで、予測のつかない状況に対応でsきる手法です。

OODAループについて更に詳しく知りたい方は、私の以前の投稿(↓参照)を是非、ご覧ください。


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