今日の日経新聞記事(調剤DX進まぬ改革)から: お客様目線で考えるとDXの糸口が、きっと見つかる

今日の日経新聞の記事(↓添付)を見て、最近の薬局についてのいろいろな不満がよみがえって来ました。

そんな一消費者の不満を解消するような仕組みを考えたら、DX(デジタルトランスフォーメーション)に繋がるのではないかと考えました。

◆【真相深層】調剤DX 進まぬ改革 外部委託の提言を薬剤師ら反対 高齢社会、役割再定義迫る【日本経済新聞 2022.2.9朝刊)】

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1. 一消費者の不満

私が子供の頃は、風邪を引くと、近所の掛かり付けのお医者さんに診てもらい、その受付で薬ももらっていました。

でも、今は、大部分のお医者さんは、受付で診察料を払った後、処方箋をもらい、そして薬局にいって処方箋を出して、薬代を払うという面倒くさいことをやっています。

昨今のデジタル時代に、処方箋を紙でもらい、薬局に行ってその紙の処方箋を出すというのがそもそもナンセンスだと思いませんか。

そこで、薬局に関して、思っていた不満を思い出して書いてみました。

●医者に掛かるのは、体調が悪い時なのに、医者で診てもらう時に待たされ、また、薬局で待たされる

●当然、待合室には、いろいろな病気の方がいらっしゃるので、あまりその場にいたくないし、医者と薬局で2回も待つのは、病気の身では本当につらい

●薬局では、医者で話したことを、また聞かれることがあります。患者のことを気遣ってのことだと思いますが、身体がしんどいので「えっ、また、聞くの〜?!」っていうふうになってしまいます

初めての薬局になると、書類を一通り書かなければならないのが面倒です。かと言って、いつもの薬局にその薬があるかどうか不安だし、残念ながら仕方がないのかなとも思っています。


2.日経新聞の記事の概要

この記事では、薬剤師の業務をデジタル技術の活用で進化させる調剤DXがなかなか進まない理由について述べています。

薬剤師の仕事は、❶対物業務(調剤・包装、処方箋受取り・保管、薬の在庫管理)と❷対人業務(処方内容チェック、患者状況から医師に処方提案、在宅者訪問による薬管理)に大別されるとのこと。

厚生労働省は、対人業務を担う方向性を掲げており、そうすることで、患者に寄り添う業務に多くのマンパワーを充てようとしている。

経団連は、この厚労省の改革を実現性するために❶対物業務のうちの調剤業務の外部委託を提言している。

【経団連のシナリオ】
・電子処方箋とオンライン服薬指導が浸透し薬が自宅配送されると、患者は薬局に出向く必要がない。

・そうすると、❶対物業務は大きな薬局に集約して効率化できる。

・各薬局の❶対物業務の負担が軽くなり、❷対人業務に充てる時間を増やすことができる。

・その結果、薬剤師は自宅にいながらの服薬指導が可能になり、子育て・介護とも両立しやすくなる。

【薬剤師会等の反対】
ところが、薬剤師会などは、外部委託解禁は、中小薬局淘汰の引き金になりかねないと反対しているようです。

一方では、外部委託をダメとしながら、業務の対人シフトをどう進めるのかの道筋が示せていない状況のようです。

このような状況のため、調剤DXがなかなか進んでいないようです。


3.調剤DXを進めるために(私案)

日経新聞の記事から、調剤業界のいろいろなシガラミにより、調剤DXが進んでいない現状の紹介がありました。

話しは変わりますが、経済産業省のDXの定義を抜粋すると
「顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革」「構造的で抜本的な変革」を求めています。

そこで、現状の調剤業界の状況はさておき、私の不満を全ての顧客のニーズとすると、どういった「構造的で抜本的な変革」をして欲しいのかという観点で私案を考えました。

2-1)私案(あるべき姿)の内容

❶お医者さんに診てもらったら、電子処方箋を「調剤の外部委託業者」と「かかりつけ薬局」に送付してもらう。
(補足)医者のDXを考えると、リモート診療としたいがここのところは省略です。

❷「かかりつけ薬局」で処方箋の内容をチェックし、本人に確認すべきことがある場合は、スマホに連絡を入れてもらう。

必要に応じて、Face TimeやZoom等を活用して、対面コミュニケーションを図る。

❹特にチェックで問題がない場合や本人とのコミュにケーション完了後、「外部委託業者」から薬を自宅に発送する。

薬の発送は、例えば「バイク便」「Uberの仕組み活用」「ドローン」等で、時間を指定して当日すぐに届けてもらう

❻薬代の清算は、医者で済ませる。

お薬手帳は電子DB化して、個人情報保護の元、関係者閲覧・記載が可能にする。

2-2)DXを進めるために

自社でDXを推進するためには、以下のようなステップで考えてはどうでしょうか。

❶DXは、顧客や社会のニーズを基に変革していくことが大前提なので、まずは、お客様にとって、もっとも便利な方法を考えて見る。

❷この方法を導入したと仮定した場合、「お客様」「会社」「従業員」「その他、利害関係者」にとって、どのような変化(メリット/デメリット)が起きるかを明確にする。

❸この変革をするための、特に法的な課題は早いうちにクリアにすべきだと思います。

❹このビジネスフローの変革によるメリットと必要な費用をお金に換算する。

❺このビジネスフローを実現できるITシステムの検討を行う。

❻具体的な導入戦略、スケジュール、体制を決定し、プロジェクトを推進する。

ビジネスフローを変革するためには、まず、今のビジネスフローを忘れて、一度、極に振って考えることが重要だと思います。

その結果、変革のメリットがデメリットより、極めて大きいと予測が立つのなら、経営トップが全社の検討チームを発足し精査していくのがいいのではないでしょうか。


4.まとめ

❶本日の日経新聞に、調剤DXが進んでいない旨の記事があった。

❷私も今の薬局には不満が多かったので、その不満を書き挙げてみた。

❸DXは、顧客や社会のニーズを基にした構造的で抜本的な変革なので、この私の不満を解消できる理想の姿を考えてみた。

❹調剤業界には、いろいろなシガラミがあると思うが、まず、この理想の姿を前提にどういうビジネスフローの変革ができ、メリットの大きさを見積もることが重要である。

❺ビジネスフローの変革によるメリットが極めて大きいと判断されたなら、経営トップが全社の検討チームを発足し精査していくとよい。

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