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Canvaで図書館の『分類ポップ』をつくろう!

はじめに

学習の成果物をつくるとき、どうしても「紙」「ペン」「資料」などを用意する手間が出てきてしまいます。また、その成果物もただ「掲示しただけで、いつの間にか忘れ去られてる…」という状況も多々あるように感じます。そんなときに便利なのが『Canva(キャンバ)』というアプリです。
Canvaはもともとデザインツールのため、豊富なテンプレートを使えるというのが魅力的です。また、同じスライドをクラウド上で共同編集できるというのも大きな特徴の一つでしょう。

今回の実践では、Canvaを活用することで成果物をつくる際の準備を極力減らし(教師の負担を軽減し)、かつ子どもたちの成果物が目に見える形で活用されるという取り組みをしてみました。Canva推しの先生方は、ぜひ参考にしていただきたいです。


図書館を使いこなそう

小学校5年生国語(光村図書)単元『図書館を使いこなそう』での実践です。学校図書館では、読みたい本や調べたい資料を探すときには「日本十進分類法」で探すとよいことが記されています。これは、すべての本の内容を0~9の種類に分けて棚に整理されているからです。分類は、下記のようになっています。

日本十進分類表綱目表(国土社)

ただ、これを覚えることは単なる暗記学習でありつまらない。そしてそもそも、勤務校ではこの知識を活用する場面がありませんでした。なぜなら、図書館に行けば棚ごとに「0 図書館の本」「1 てつがく」のようにポップが置かれているからです。これを授業の中で『分類ポップ』と名付けました。そして、子どもたちに課したミッションが次の通りです。

学校のみんなが欲しい本を探しやすい『分類ポップ』をつくろう!

これが単元のゴールになります。では実際に、ぼくがどのような流れで授業を行ったのかを解説していきます。

授業の流れ

1.日本十進分類法についてまとめる

教科書に書かれてある日本十進分類法について子どもたちと一緒にノートにまとめたあと、図書館にあるポップを見に行きます。ぼくの勤務校では、このようなポップが計27個、棚ごとに貼られていました。

十進分類法をもとに作られた棚ごとのポップ

これらの写真を事前に撮影しておいて、子どもたちと共有しました。そして、学んだ事を生かしてこのポップをもっと分かりやすく作り直し、最終的には図書館に掲示してもらおうという目標を立てました。
※司書の先生には事前に許可を得ています。

2.分類ポップをつくるポイント

実際に図書館にある分類ポップを見ながら、つくる際のポイントを整理しました。子どもたちとやりとりしながら、特に意識したいポイントとして以下の4つが出てきました。

①『数字』は大きい方が見やすい
②『ふりがな』があると、1年生でも読める
③『本の内容』を簡単に書くと探しやすい
④『イラスト』があると分かりやすい

分類ポップづくりのポイント

これらを確認し、実際にあるポップと比較しながらオリジナルの分類ポップづくりをスタートさせました。

3.Canvaでの分類ポップづくり

使用するアプリは、最初に紹介したCanvaです。
スライドの1枚目だけ、教師側でお手本となるようなポップを作成しました。それが以下のものです。

お手本として示した分類ポップ

これを示しながら「数字」「ふりがな」「本の内容」「イラスト」が入っていることを確認し、あとはリンクを共有して作業にあたらせました。
4月ということもありCanvaの扱いにはまだ慣れていなかったのですが、そこは触りながら少しずつ教えていくようにします。

実際に作業をしていく中で、子どもたちが「〇〇が勝手に消しよった」とか「△△の出し方が分かんない」ということが出てきます。導入期には避けられないものなので、そこを個別にフォローしながら作業を進めます。
作成していく中で、全体で確認したことが新たに2点ありました。

① 数字ごとに、メインカラーを変えていくと見やすい
② 完成したポップは『ロック』しておく

このようなアイデアが子どもたちの中からも出てきて、とても楽しくポイントを押さえた活動だったと思います。

4.作品を「作って終わり」にしないために

この分類ポップを持って、最終的には図書司書の先生に「こんなの作りました。ぜひ図書館で使ってください」とプレゼンをしに行きました。司書の先生も非常に満足してくれ、快くポップを使ってくれると約束いただきました。
こうして、子どもたちの作品が「図書館に掲示し続けられる」というのが、この活動で最も重要なポイントだったと思います。そうすることで、子どもたちはいつ図書館に行っても「これは自分たちで作ったポップなんだ」と振り返ることができるし、そうすることで自然と単元のめあてである日本十進分類法についての理解も深まるからです。

さいごに

いかがだったでしょうか?
単元のゴールになにかの成果物を作るというのは、昔からある教育活動の1つかと思います。社会科のまとめに新聞づくり、などはその典型でしょう。
しかしこの新聞づくりも、ややもすると「作って終わり」になりがちではないかと思います。実際、ぼくはほとんどが作って終わりになっていました。すべての単元でこうした活動ができるわけではないですが、ぜひ成果物をつくる際には、作ったものをどう活用するかを意識していくとよいかと思います。

そして、こうした制作活動において『Canva』というアプリは非常に優秀です。理由はやはり「テンプレートが豊富」「共同編集ができる」という点が挙げられます。これらのメリットを享受することで、クラスみんなで協力しながら高クオリティのものが作れるからです。
また、アプリ内にあるテンプレートをそのまま活用することで、先生が事前に教材を作成する必要もほとんどなくなります。今回紹介したように、その活動に合いそうなテンプレを1つ見つけてちょちょっと変えるだけで、あとは子どもたちがどんどん進めていってくれるからです。

ぜひ、本記事をお読みの先生方の実践に、少しでも役立てて頂けたら幸いです。

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