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「対話」してきた2022年を振り返る

2022年がもうすぐで去年になる大晦日。
12月29日のまちおか(まちだ丘の上病院)での納会を終えて、今年の通常営業モードが終わりました。

もちろん、この年末年始期間も現場は動いて下さっているし、たまりにたまった仕事たちを整理する年末年始の経営者モードとしては稼働中ですが、それでも、一年間出会いがあり関わってくださった多くの方に、まずは「感謝」です。

目指している「あなたらしさ」

「地域を支える医療機関」を目指すまちおかでは患者さんや利用者さんおよび関わっているスタッフの「あなたらしさ」を目指しています。

「あたたかな地域社会」づくりを目指す一般社団法人地域包括ケア研究所では、地域で暮らす一人ひとりの物語りを「あなたらしく」紡いでいくことを行ってきています。

「あたたかな組織作り」を目指す株式会社みやび&カンパニーでは、組織のミッションを達成するための「あなたらしさ」を実現できる経営を支援しています。


それぞれ少しずつレイヤーは異なりますが、ぼくが実現したい世界において、いつも誰かの「あなたらしさ」に向き合っているんだと考えています。


あなたらしさを実現する「対話」

そして、「あなたらしさ」を実現するためには、まずは目の前の一人ひとりが認め合うための「対話」がめちゃくちゃ大切であり、今年はずっと「対話」することに向き合ってきた一年間だった気がしています。

「対話」とは、時には時間を要し手間のかかるものであり、時には異なる意見や考え方に触れて心が痛むこともあります。家族や恋人や親友のような特に親しい人との対話を除くと、どちらかというと「対話」とは避けたくなるものかもしれません。

それでも、目の前には向き合わなければならない何かが必ずあって、決めなければならないことや、小さな問題などが沢山起こります。時には「大きな問題」だって起こります。

そんな時、「対話」から目を背けてしまうべきでしょうか?あるいは、「対話」という場に際して「自分の意見を押し通してやろう」とか「参加する気がない」ような態度で臨むべきでしょうか?

「対話」とは、自分の考えや意見を押し通す場ではないし、誰かを傷つける場でもありません。素直に、複数の意見や価値観をテーブルに並べて、その違いを知りつつ、その中から「より良い答え」を探究していくプロセスではないかと考えます。


対話からうまれた「あたたかな」体温


最近、カオス的な状態の中から「対話」を経て、チームがあたたかくなる体験をいくつかしました。

一つ目は、先日、まちおかの終末期の患者さんがご自身の願いをかなえるために「特別な思い出の地」へ出かけて行った出来事がありました。私たちは医療者として、その本人の意思決定を専門的な視点や支援でサポートしました。

生活している人が自分の思いに従って、自分のやりたいことをやるのは「当たり前」ですが、病院ではその「当たり前」を実現することはとても難しいことです。僕はこの「本当は当たり前」であることを、「本当に当たり前」にしたいと願っています。

この「本当は当たり前」であることを、実現するためには、たくさんの「対話」があったものと思います。そして、たくさんの「対話」から生まれた努力があったに違いないと。
そんなたくさんの「対話」を経て、小さな奇跡的な「当たり前」を実現してくれたまちおかのチームがとても誇りです。

二つ目は、ある地域の事業で、関わるメンバーがあまりにも多くコンセンサスが得られずに混乱してしまっていたプロジェクトでの出来事です。

このプロジェクトでは、とにかく「対話」の量を増やしました。どんなに小さな「疑問」や「不安」や「問題」でも、拾い上げてみんなで共有しようという「場」をたくさん持ちました。
みんなそれぞれがかなり忙しいメンバーでしたが、何とか時間を確保して定例の「対話」の場を確保しました。

すると、カオスのようになっていた状況が、徐々にカオスの霧が薄くなっていき、全体像を把握できるようになってきました。困難な状況であることには変わりなくとも、全体像が把握できない前提の困難と、把握できる困難では雲泥の差があります。

「対話」から生まれたチームの体温が、プロジェクト全体にかかっていた「霧」を消し去ってくれたのだと実感しました。


あらためて気が付くことが出来たこと

あらためて気が付くことができて、確信に変わったことは、どんなチーム(それは、組織でも、地域でも)でも、一人ひとりは、みんなが前に向かって誰かの「あなたらしさ」を実現したいと思っていること。
そして、日々何らかの小さな努力をしていること。それがなかなか報われないこともあるし、努力できない日だってある。

これは、人生だって、チームだって、組織だって同じだと思う。それでも、みんなが昨日よりも今日、今日よりも明日には、一歩進みたいと“きっと”願っている、ということ。

前に進みたいエネルギーが強いほど、すれ違いが生じて、摩擦だって起こる。でも、摩擦は「体温」を生み出すためのエネルギーになる。

だから、これからも「何を大切にするか」をみんなで「対話」しながら、一つひとつ歩んでいきたいなと願っています。

今年も、一年間、沢山の出会いと経験をさせていただきました。

来年も、引き続きよろしくお願いします!


ちょっとだけ宣伝です。まちおかが、在宅チームの強化のために、仲間を募集しています!


よろしければ、サポートお願いできますでしょうか。いただいたサポートは、「あたたかな地域社会」の実現のために使わせていただきます。