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自転車四国一周⑧四国最南端・足摺岬

昨晩、天気予報をにらみ、午前中なら走れると判断して、午前3時起床。台風が迫っている緊張感からか、パンクする夢を見た。
3時半に四万十市の宿を出た。
赤い橋を走り、四万十川をわたる。

4時前はまだ夜みたいなもの。車もいない。
小雨の中、自転車のライトだけで、暗闇に飛び込むのは怖い。
自動販売機や公衆電話の明かりが見えるとホッとする。

コンビニでおにぎりにチキンバーの朝飯。4時半過ぎると、うっすら明るくなり、5時頃には日が出たが、空は一面雲。まだ小雨だが、今日も降られるだろう。
なんとか四国最南端の足摺岬にいき、愛媛との県境の宿毛(すくも)まで行きたい。

時折、雨が強く降るが、まだなんとか耐えられる。
サーファーたちが、海へ出ていく。たくましい。

6時半。出発から3時間。
四国最南端・足摺岬についた!

太平洋!! 雲のすき間から日の光が少しだけ漏れて、空が明るくなった。
あっちは、オセアニアかー。いつか自転車で走りたいな。

同じように、早朝の雨の弱いうちを狙ってきた、おばさま二人組に遭遇。
写真を撮りっこする。
別れ際、「頑張ってね! 気をつけて!」と声をかけられる。

8時前。ようやく開いているスーパーみたいな店を見つける。
大きなカゴを持ったおばあさんが出てきたので、「やってます?」と聞くと、「やってるんじゃない」。どうやら野菜の販売所もかねているようで、作った野菜を置きにきたようだ。

入ると、店員らしき若い女性がいて、「どうぞ!」と笑顔で迎えてくれた。

菓子パン4つが半額の110円で、200円のやきそばと一緒に購入。外は土砂降りなので、お姉さんにお願いして店内で食べさせてもらう。
椅子を出してくれた。う、う、やさしい。

今日もレインウェアは役立たずで、Tシャツを着替えて、さあ出発。

「いってらっしゃい!」

お店のお姉さんが、笑顔で声をかけてくれた。
ほとんど人と会話することのない一人旅。お姉さんの何気ない言葉がしみる。

雨は、時折、弱くなることはあるが、延々降り続いた。
もはや濡れることになにも感じないほど、
服のまま海からあがってきた人みたいにびしょびしょ。
途中の道の駅で、雨宿りしていたら、

「雨、大変ねぇ。頑張ってね!!」

と店員さんから声をかけられる。

四国では、これまでも何度も声をかけられた。
台湾でも「加油、加油!(がんばれ、がんばれ!)」と何度も声をかけられたが、ここ四国も自転車が文化として浸透しているのかな。

一人旅だと、本当にうれしい。

雨がきつい、坂もきつい。
いつの間にかハンドルに蜘蛛が住みついていて、ハンドルまわりを糸でぐるぐる巻きにする。
とってもとっても、気づくと、また糸がふらーっと。とった手にくっついて、ヘルメットにも糸がふらー、ホイールにもふらー。
なんなんだ! めちゃくちゃイライラする。

10時半過ぎ。目的地の宿毛(すくも)に到着。愛媛は、もう目の前だ。
雨だとペースは落ちるかと思ったが、100キロ強を7時間とこれまでとほとんど変わらなかった。体は冷え切ったが、今日も何とかなってよかった。

愛媛の先輩から、「大丈夫か?」とメッセージ。
高知の雨は、外洋から直接雨雲が来るから、とりわけ激しいそうだ。
瀬戸内沿いの愛媛の松山なんかは、同じように台風が接近していても、さほど雨が降っていないという。

ただ、向かう方の愛媛の宇和島は、土砂災害レベル4(避難指示)。大雨警報が出続けている。
走ってきた国道56号は、土佐のあたりで土砂崩れが起きて、通行止めになっているという。ペースアップして走り切ってしまってよかった。

雨の間隙をぬって、宿毛の街を散策。
京都の人気ラーメン屋・第一旭に似ていて、かなり美味しかった。

激安のハンバーガー屋さん。

やっぱりスナックがたくさんある。釣りの客を見込んでいるのだろうか。
若干、興味はあったが、夜まで寝ないで待つ気力もなく、雨の中、宿まで歩く気力はもっとないので諦める。

台風4号は四国に上陸する前に低気圧になるようだが、警報が出ているうちは様子を見た方がよさそうだ。

やまない雨はないが、土砂崩れは、雨が上がっても油断禁物だ。

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