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言葉にすること。言葉にしないこと。教えることと、教えないこと。映画「夢みる小学校」を見て思ったこと。

東日本縦断ラリーの目的地、八戸でした。

ゴールデンウィーク、おでかけのついでに映画「夢みる小学校」を見てきました!

えー、観てきた感想としては…
ふつうだった(笑)
です。(笑)

いや、まちがいなく良い学校であり、良い学びの場だなというはわかって安心しました(笑)。
ただ、
もしも、

「子どもたちがいい顔してるな!」
とか、
「画一的な学びじゃなくていいな!」
とか、ご感想を持たれる方がいるとするならば、
いや、今、たぶん、ふつうの公立の学校でも、こういう感じだよっ!
そもそも子どもたちは、いつだって、どこだって、楽しく過ごそうとしてるよ!
って思います。
もちろん、うちの塾(学習塾ホライズン)も、そうですし(*´з`)

でも、もちろん、僕も”ふだんの学校”をよく知っているわけではないので、やっぱりいまだに、
"無駄に権威的にふるまうセンセイ"とか、
"無駄な規則に縛られている場面"とかあって、
そういうことに耐えられないでいる繊細なこどもたちにとっては、
”じぶんがじぶんのままでいられる大切な場所”
なんだということはあらためて思いました。
…それも、うちの塾も同じように考えて、そういう場でありたいと思ってますけど。…うちの場合、そもそもちゃんとしてない場なんですけど(笑)

少しは片づけたいと思っています(;´Д`)

理想の学びを実践する場で学べば、理想の人生になるわけではない。

そんなことをいつも思います。
もちろん、自分なりに良いと思うベストを尽くしたいと思うのだけれど、人はそれぞれの思いがあって生きているのだから、すべてのひとにとってよい学び、よい学び場があるわけじゃないし、そもそも、よい学び、よい学び場に「していく」のは、”学ぶ人自身”だと思うからです。

”きのくに”については、ご自身の息子さんたちも通わせている作家の高橋源一郎が紹介されてて以前から気になっていたのですが、今回のドキュメンタリー映画でもコメントされてました。
「(きのくには)、理想を掲げて取り組んでいて、しかし、なかなか理想通りにはいかなくて、でも、そこを隠していないところがいい」というようなことをおっしゃっていて、僕もそうだなと思いました。それは、僕が十数年前、らくだメソッドを自分の塾に導入しよう!って思った時と同じでした。

「どの子にも学力がつく」
「自分でえらぶ!学ぶ!気づく!」
を謳う自学自習のらくだメソッド。
当時、民間人校長登用のさきがけとしてリクルート出身の藤原和博さんが校長をされていた杉並区の和田中学校の土曜寺子屋で使われていて、現場を見学…しにいって手伝わされた(笑)のですが、
まー、
なかなか自分ではやらないし、続けられない子たちも少なくない(笑)
でも、そんなの当たり前で(笑)、
なかなか、一人ではできないからこそサポートしてるわけで、
そうやって、目の前の子どもたちのリアルと向き合うことが大事で、
ああ、これが自分がやりたいことだなって思ったものです。

自分が理想と思う、
”あるべき姿”に、子どもたちを”合わせていく”のではなくて、
目の前のリアルな子どもたちをそのままに受け入れる。
しかしそれは、
いいね!
みたいな、上っ面の共感じゃなくて(笑)、
お互いを尊重し合いながら、異なる他者と、ちゃんと出会う時間でありたいです。

どうしてもね、”自分がやっていることの価値”を声高に言いたくなるんですよ、不安な時とか(笑)
僕も、「教えない教育」とか、周りにどう伝えていこうか?って悩んでた時(あっ、今も自分のやってることを伝えるのは悩み続けてますけど(笑))
過剰に、
「教えない」ことが大切!
”自分で考える”が大切!
って、”ことばにしちゃう”(言語化)ことが多かったです。
…あっ、やっぱり今もかもしれないけど(笑)
でもね、
自分で考えてほしいからこそ、
答えのない問題に取り組んでほしいからこそ、
”ことばにはしないこと”の大切さを思う今です。

先日、東日本大震災のとき、高校一年生だったという”若者”と話してて、
あのころから、”地域教育”とかの大切さが言われるようになったけれど、まず、最初に、
「今日のフィールドワークを通して、”今まで知らなかった地域の良さ”に”気づき”ましょう!」
とか言って、はじまる学びって、ほんっとに嫌!っ(笑)
ということを”共感”できてほんとにうれしかった(笑)
すると授業やフィールドワークの後の感想は軒並み
”この学びを体験して、今まで気づかなかった地域の魅力に気づいて、地域のことが好きになりましたっ!”
って、書いてくるわけよ、子どもたちみんな(笑)
それ見て、
”自分たちの伝えたい思いは伝わってるー!”
とか盛り上がっちゃってるやつ、馬鹿かと(笑)
…おっと、言い過ぎました、てへ(笑)


伝えたい思いは、できれば、たんたんとした日々の暮らしのリアルの中に自然に落とし込んでいけたらなと思っています。
ひとり一人に、否応なくあらわれる出来事と共に。
そして、ひとり一人が、ふとしたときに、
本当の意味で”気づいて”くれたらうれしいな。
それくらいの”控え目さ”を持っていることが、教育にかかわる人間には大切に思います。
”説明できないもやもやを大事にする”
”教育とは自己教育である(鶴見俊輔)”
といった、高橋源一郎さんの「答えより問いを探して」のなかの言葉たちを思いながら…
映画はいろんなみんなでみて話し合いたいと思いました。



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