コンビニの店員さんと傘
何日か前の夜のこと。
仕事を終えて、スイーツが欲しいなと思い、コンビニに入った。
5分か10分か、正確な時間は覚えていないけれども、そのくらいで会計を済ませて外に出た。
傘を取って早く帰ろうと思った時。
「あれ??」
傘がない。
何度も、傘立てに入っている傘を見てもそこにはわたしのものはない。
普通のどこにでも売ってそうなビニール傘。
間違えてしまうだろう、と思い、柄の部分にかわいいマスキングテープを貼っていたのに。
短い時間だったのに。
と、「〜〜のに」と、責めるような言葉が浮かんでくる。
しかも、そこそこの雨の強さ。
ちょっと歩いたらすぐ濡れてしまうだろう。
でも、傘を買うのは・・・。
と考えながら、数分傘立てを眺めていた。
「どうしました?」と、店員さんが店の中から出てきた。
「置いてた傘、なくなっちゃったみたいで。誰か持っていってしまったみたい。傘ありますか?」
傘買おう、そう決めて尋ねると、店員さんは「ちょっと待っててください!お店にあるいらない傘渡します」と言って裏手にいってしまった。
しばらく待っていたら、傘を持った店員さんがやってきた。
「これ使ってください!」って。
「え、いいんですか?」
「いいです!」
お言葉に甘えて借りることにした。
もちろん濡れなかった。寒い日だったから傘がなかったら雨に濡れて風邪をひいていたかも。
何より心があたたかくなった。
もしかしたら、そういうときは、売っている傘を買った方が良かったのかもしれない。
でも。店員さんの優しさに甘えてしまった。
本当に助かりました。ありがとうございました。
今度、傘を持ってお礼に行こう。
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