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綴ることは、削ること。(週報_2019_02_16)

【sideA】

今週は既存の記事のPVが伸びた1週間だった。
というのもnote内で2人のユーザーさんにご紹介いただいたから。

1人目は嘉晶(Yoshiaki) さん
日常系noterさんが好きという記事で、仲高宏さんハネサエ.(puhi.co) さん大旅そばさんというガチ正統派日常系noterさん(私もみんな大好き!)に並んで、いやだいぶ下駄を履かせてもらいご紹介いただきました。

嘉晶さんは私を日常系と括ることで私が困惑するんじゃないかと心配されていましたが、いえいえ私は!日常系!noterです!(えへん)

非日常も毎日続けば、日常。

互いにnote酒場記事を上げているのでもしかしたら面識があると思われているかもしれないけれど、実は私と嘉晶さんはまだ顔を合わせたことがないのです。

でも、下瀬さんの「甘さなんてさ、ちょっと忘れちゃったよ」と困ったような笑顔が薄く見える、そんな羅列が愛しい。

嘉晶さん、心底、描く人なんだなぁ。
noteの文字列を読みながら、まだ見ぬ私の困り顔までもう見抜いてる。
愛しいなんて、ほんと、身に余る。

嘉晶さんの記事をRTする際に少し触れたけど、私のようにたまにアダルト向け記事を書いている人間を推すことって、すごくリスクのあることだと思うんです。
そんなこと気にする素振りも見せない嘉晶さんはすごく強くて優しい人だと思う。
子供の頃、家が貧乏で汚い身なりをしている私にも、変わらず優しくしてくれたクラスメイトみたいだ。

いつか直接私の困り顔、見てね、嘉晶さん。

もう1つの記事は下読みの下読みさん
編集歴10年という下の下さん(って呼んでね!って書いてあったから!笑)が、私のnoteについて感想を寄せてくださっています。

まず最初に、書き出しの”ある方の他薦”がめちゃくちゃ気になってます。

え、誰。
ひそかに私を推しているあなたは誰。
(さすがに叩かれてしまえ!と思って薦めてはいないだろうから、愛を感じずにいられない。今からでもいいので名乗り出ていただいたらお礼に換気扇の掃除くらいはします。もしくはおっぱい揉むくらいなら…どうぞ…///)

他薦の場合は一律で甘口に評されているとのこと。
言葉少なながらも、非常に丁寧に褒めてくださって…それがもう有難い…。
後半また触れますが、私は書くこと自体が初心者で、何事も見よう見真似で始め、本当に私の文章が人様に伝わっているのかが不安で仕方ないのです。
だからこうして、文章を扱うことを生業にしている方から感想を寄せていただけることは非常に心強かったです。

そして最後のフレーズが私の胸に刺さる。

丁寧に磨き上げられた言葉が並んでいる、そんな印象です。

そうなんです。
そこ、太字。そこ、強調。
私の長所であり…最大の短所になり得る部分だと思いませんか?

どんなに眩い宝石をたくさん持っていても、それに見合うチェーンや留め具がなかったら、ネックレスにはならない。

本当は下の下さん、お見通しなんじゃないのかな。
疑心暗鬼すぎますか?ねえ、下の下さん。

最後まとめてのお礼になりますが、嘉晶(Yoshiaki) さん、下読みの下読みさん、ご紹介、本当にありがとうございました。

換気扇の掃除要員が必要なときにはいつでもご用命くださいね!!

******

【sideB】

Twitterではもう宣言していたが、年内に某誌の新人賞へ応募する作品を書き始めている。

正直、どこまで通用するか、皆目見当もつかない。

そもそも私が文章っぽいものを書き始めてようやく1年。うちnoteに来て約半年。

私はまともな教育を受けていない。最終学歴は高卒だし、学校とは唯一親の虐待や束縛から逃げられる安息の場所であったので勉学に励むなんて余裕はまったくなかった。

だからずっとずっと自分が信用できない。
ここにいて皆と同じような言葉をなんとなく使い一緒に並んでいるように見せかけて私だけがハリボテで、私だけが空っぽで、私だけがインチキなんじゃないかとずっとどこかでやましく思っている。

応募要項を見ながらファミレスで恩人氏と作戦会議のようなものをした。
彼は私なんかに何故かまうのかわからないくらい上質な教育を受けてきた人間だ。(恩人氏の名誉のために言うが当然本人の才能と努力の賜物である)

私がふわふわと、こういうものを書きたい、と言う。
彼が理詰めで私のプロットに注文をつける。
私は彼が返す言葉の何割かが、解らなかった。
彼が私のためにきっととても噛み砕いて伝えてくれている言葉の何割かが、能力不足により理解できなかった。

無知とは、こんなに恥ずかしく、また惨めなものなのか。

私は私なりに書きたいものを伝えようとした。
でもうまく伝わらない。
それもそのはずだ、私の今までの作品はずっと偶然の産物ですべてがなんとなく出来上がってしまったものなのだから。

その日はいつもよりずっと早く布団に入り、うなされながら眠った。
夜中何度か目が覚めるたびに冷たい汗をぐっしょりとかいていて、朝になると冷えきった身体をうまく起こすことができなかった。
どうにかして仕事を休み、昼頃やっと床から這い出すとトイレで二口三口、乳白色の半固形物を嘔吐する。

「こんな大きなパフェ、食べきれないかな」

「いいよ残ったら俺が食べるから」

キャラメリゼされたパフェの入口を柄の長いスプーンでノックする。
上から順に食べようとする私に「パフェは層を楽しむものだから縦に食べなよ」と彼が言い、そうか私パフェなんて人生で何度も食べたことがなかったな、ということに気が付かされる。

スプーンを奥深く挿し入れ、ブリュレとビスケットと何種類かの色のアイスクリームを一度に掬う。

「美味しい…」

「ほらね」

あと何口か食べることは出来たけれど、あまりほじくり回して彼に渡すのは気が引けて早々に長いパフェグラスをあちら側に差し出す。
彼がスプーンでブリュレの層を突き破りビスケットを押し退けバニラアイスといちごのソルベを掻き取るように掬い出す。
グラス越し、ためらいながらも滲むように混じり出す白と赤。

「むちゃくちゃ美味い」

スプーンを口に運ぶ彼とくしゃくしゃに微笑み合う。
テーブルのあちら側とこちら側のあいだに。
運転席と助手席のあいだに。
見えない深くて暗い川が流れている。

私は、私のことしか書けない。
私の書きたいものがうまく伝わらなくて、私は何度も私のことを、私自身のことを懸命に伝え続けた。
わかってほしい気持ちから発した言葉の数々が、逆に私を対岸へ追い詰めてゆく。

面白いものを、書くつもりでいます。
けれどこれを書き上げたとき、きっと私は彼に軽蔑されると思う。
どろりと濁った深くて暗い川に、コポ…と喉を鳴らしまた一口嘔吐する。
書く、とはこんなに、辛く哀しく、己を削る行為なのですね。

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