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願い

よしもとばななさんの子育ての話で泣けてきたのが、「とにかくすこやかで生きてほしい。それ以外はなんでもいいから」という一節。

ばななさんのエッセイ『すばらしい日々』は2年ほど前、ちょうど妊活をしているときに買いました。
子どもを持つ人生になるのか、そうでないのか全く見当がつかなかった時期。
もし私に子どもができたら、ばななさんみたいな気持ちで育てたい…と、読んでいるときに涙が出たのを覚えています。

「子どもができたら」と先のことを考えるのもはばかられた妊活中。
いま、ありがたいことに妊娠できて、やっとここに書くことができます。

先々のことを考えて、いやいやでも準備して、我慢してふんばる…それはいつか私の子どもがほんとうに好きなことのために、ふだんの百倍も千倍もがんばって勝手にやるだろう。そう信じることがいちばん大事なのだと心から思えるようになった。信じていれば、必ずそのようになると信じること。人を信じるというのはそういうこと。

『すばらしい日々』ー「すこやかに」より

「これはやっておいたほうがいい」と先回りして、子どもがなるべく失敗しないような道を用意することもできるかもしれないけれど。
親のそういう行動で、本当の愛情が隠れてしまうことって多いと思うんです。

「あなたを100%信じてるから、自由に生きていいんだよ」

この言葉が欲しかったときがどれほど多かったか。
自分が揺らいでいるとき、やりたくないことに振り回されているとき、「こうしたほうがいいよ」と親から言われると、アドバイスではなくダメ出しのように感じてしまうんです。
もっと私の話を聞いて、私の気持ちを尊重してほしかった。
私は信用されていないんだという思いから、親を信頼できなくなって、愛情を受け取れなくなってしまったことがありました。

でも、愛があふれるあまり、色々言ってくれていたんですよね。
いまなら分かります。私も子どものために、こまごまとしたことの準備を始めているもの。

子どもが自分の意志を持って世の中に出ていけるようにサポートすること。
くじけたり傷ついたりして、どうにもならなくなったとき、帰ってきて休める場所があること。
厳しい世界にも挑めるように、すこやかな身体と心を整えておいてあげること。

子どもの100%味方でいるために、このことを第一にしたいなあ。
ばななさん、大切なことを教えてくださって、ありがとうございます。

「あなたを信じている」という気持ちが、いつか私の子どもに伝わるといいな、と願っています。

素敵なカラーの写真

いま妊娠18週ですが、ときどき、お腹のなかでモニョモニョ動く感覚が…これが胎動なのかな⁇
生まれてくる準備を着々と整えているんだなと、うれしくなりました☺


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