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michinoxa 1st albam 『ゆりかごから』小話(7) 謎の液体と青い粉末

1stアルバム『ゆりかごから』の各楽曲について語る連載です。



2024.05.12 release
michinoxa 1st albam 『ゆりかごから』
1. 203 (feat. 知声)
2. みんないなくなってく (feat. 重音テト)
3. 中の下 (feat. 知声) [2024 Remaster]
4. potta-potta (feat. 知声) [2024 Remaster]
5. 玻璃の心臓 (feat. 知声) [2024 Remaster]
6. Fundamental (feat. 知声) [2024 Remaster]
7. 謎の液体と青い粉末 (feat. 知声)
8. 羽をもがないで (feat. 花隈千冬)
9. 157 (feat. 重音テト)
10. パーソナル (feat. 知声) [2024 Remaster]
11. 君のこと信用してないよ (feat. 知声)
12. ゆりかご (feat. 花隈千冬)

 ↓ Click here to listen ↓



曲全体の話

「謎の液体」と「青い粉末」とは一体何なのか

本作は 字面通りに歌詞を読むと

「え?? なに?? グロくない??」

となるだけだと思うので、
これらが一体何の喩えなのかということからお話しします。

実際に液体がでろでろしてたり、
青い粉を体表面に塗りたくっているわけではないよ!


謎の液体

  • 他人に見せたくない嗜好

  • 他人に理解されない嗜好

  • 例: めっちゃマイナーなミュージシャン


青い粉末

  • 「謎の液体」を隠蔽するための材料

  • いかにも「自分普通の人間です」と認識させるための道具

  • 特に「普通な人」から好かれたい場合に有効

  • 例: メジャーな音楽やYouTube、テレビ番組を履修すること


でも 青い粉末を体表面に塗りたくってる人なんて 世の中にはいない
つまり「普通な人」を演じているように見えて、周りからは「変な人」に見られている




コンプレックスや他人に理解されない嗜好を隠す

本作は6曲目『Fundamental』と同様に 中高生の大人しめな男子の片思い曲です。

が、『Fundamental』と違って

  • 「君が好きだ」というより「君に好かれたい」

  • それ以上に「君に嫌われたくない」「ありのままの自分を見せたら君に嫌われるに決まっている」

という思いを前面に出して、恋愛要素は少なめです。
まとめでは本作のテーマを「自己開示」としています。



制作時期


アングラボカロと自分

本作は『203』に並ぶ古参勢です。
リアルに高校生だった時期で
「自分はアングラボカロ好きだけど、周りの人は誰もアングラボカロ好きじゃない」と思ってた時期ですね。
VOCALOID・アンダーグラウンド・カタログとか視聴してました。
(下記はVOCALOID・アンダーグラウンド・カタログPart1にて選出されたヒッキーPさんの代表曲です)


あと、ニコニコ動画で「感性の反乱β」タグとか「ボーカロイド幻想狂気曲リンク」とか検索して聴いてましたね。



そして「アングラボカロ好きなことを隠さないと誰にも好かれないのでは…?」と思っていた時期でもあります。

青臭い話で恐縮なのですが、
中高生のころの自分はムードメーカーの1軍のクラスメイトに恋する傾向がありました。
今思えば、憧れもあったんでしょうね。

でも、クラスの1軍のムードメーカーの中高生がアングラボカロ聴くわけないじゃないですか。(偏見)


そんなわけでして、
恋愛と自己開示の悩みが一緒くたに どろどろに溶け合って謎の液体と化したような曲が出来上がったというわけです。

ちなみに今はアングラボカロ好きも趣味の作曲も許容した上で、一緒にいてくれる人を無事発掘しました。
いや〜、地底には物好きがいるもんですね。

また、アングラボカロ自体の地位も劇的に向上しました。なんて世の中だ……
まさか こんな形で悩みが解決するとは思いませんでした。



年齢による歌詞の成長

歌詞は同じ言葉の繰り返しで、稚拙さがありますが大部分をそのままにしました。
ただ、最後はかなり書き換えましたね。
この歌詞は高校生の自分には書けなかったです。
夢も希望もないな、高校生の自分。


君に気に入られたかった
君に嫌われたくなかった
液体まみれの手のひら
いつの日にか取ってくれますか

君に気に入られるために
君に嫌われないために
僕は今日も塗りたくって
本当の自分を隠して
青い粉末がなくたって
うまく笑えるその日まで






今回は以上です。

歌詞の全文は以下の通り。
是非読みながら聴いてみてくださいね。

歌詞

何かよくわからないものが
喉の奥 込み上げるので
何かよくわからないものを
口の中 押し込んだ

何かよくわからない液体が
唇に溢れ出るので
何かよくわからない粉末で
顔面を塗りたくった

それは不思議な景色
はたから見たらただの変な人
白い目と青い粉
でもそれは大切な儀式

君に気に入られるために
君に嫌われないために
僕は今日も塗りたくるんだ
青い粉をさ

君に気に入られるために
君に嫌われないために
僕は今日も青い粉末
塗りたくって笑っていよう

何かよくわからない液体を
いつまで隠し続けるんだ
何かよくわからない粉末で
自分を塗りたくった

何かよくわからない液体が
頬を流れて止まらない
何かよくわからない粉末で
口角を固めていたい

それは不思議な儀式
はたから見たらただの不審者さ
「白い目は幻だ」
告げたのは他でもない君さ

君に気に入られるように
君に嫌われないように
僕は今日も塗りたくるんだ
青い粉をさ

君に気に入られるように
君に嫌われないように
僕は今日も塗りたくって
青くなって笑っていこう

君に気に入られたかった
君に嫌われたくなかった
液体まみれの手のひら
いつの日にか取ってくれますか

君に気に入られるために
君に嫌われないために
僕は今日も塗りたくって
本当の自分を隠して
青い粉末がなくたって
うまく笑えるその日まで



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