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「人間らしい時代」を喜んで受け入れたい。


『真の喜びは真の能動にある』by Eフロム。

僕らはもっと幸せについて考える必要がありそうだ。この記事で言いたいことはだいたいそんなことだ。

どんどん便利な時代になってきて、このいい時代にわくわくしているのは僕だけだろうか。AIが普及する時代が来ていて、人間は必要以上にしなくていい「仕事」が消えてなくなるかもしれない。生活をするためのコストがぐっと減るかもしれない。最高かよ。

衣食住のコストが極端にまで減って、「自由な時間」が増えたら僕らは何をするのだろうか?美味しい酒を飲む?ビールを飲む?焼酎…とお酒大好きな僕はそっちに頭を取られがちなのだけど、真面目に考えると、たぶんもっと友達と過ごす時間を大切にしたり、家族の時間を大切にすると思う。もっと人同士で触れ合う「人間らしい」時間を過ごせるようになると思うのだ。

そうは思うのだけれど、なんだか今の時代はおかしい。楽しそうに働いている人は多くはないし、なんだか辛そうに過ごしている。仕事に対してやりがいを感じている人の割合を調べてみると、厚生労働省のデータだって、リクルートのデータだって、仕事に対してやりがいや楽しさを感じている統計で過半数を超えているものを見たことがない。満員電車へのクレームは耳の中にタコが生息するくらいに聞き飽きた。人口が減っていくからGDPが減っていって経済成長が止まるなんだかんだは分かる。

でも言いたいことはそんなことじゃない。みんなもっと「楽しく生きようよ」とか「幸せに生きようよ」ということを言いたい。50カ国近く旅をしてきて、こんなに治安もよくて、ご飯が美味しくて、文化があって、便利な国はないと思う。それなのに何かが悲観的で違うんじゃないかなと感じる。なので、これから始まりつつある「100年時代」に向けてもっと楽しむヒントだったり、幸せになるようなヒントになればと思って、この記事を書きたい。

まず、僕個人の体験の話から始めようと思う。なんだか年始なので、こんな真面目なことを書いているけれど、普段はお酒に飲まれている人間なので、この記事を読んでくれてる人も僕と同じペースでお酒をのみながらついてきてほしい。ちなみに、僕はいま2杯目。(よなよなエールとパンクIPA.)

僕は旅が好きで、海外も国内もよく行く。そして、仕事は観光に携わることをしてる。なので、旅先で、日本人も日本人以外にも多く出会ってきた。そして、旅先で出会う多くの人が幸せそうにしてるのだ。「なるほど、これはすごいぞ」と。「おお、旅すごいぞ」と思うわけである。で、なんでこんなにみんな楽しそうなのかと考えた所、僕はこんな結論を下した。

「旅好きな人が楽しそうなのは、自己決定をする機会が多いから」

特にバックパッカースタイルの人たちなんだけど、次に行く国が決まっていなかったり、宿、移動手段ともに割とその場で決めていたりする人が多い。最後は自分で決断を下すのである。その決定自体が、いいか悪いかは分からないけれど、ただ、それを正しくするように旅人は動く。これが根本にあるんじゃないかと思う。

大学や仕事についても、あまり自分の意思で進んでいない人は多いんじゃないかと思う。僕は新潟出身だったんだけど、なんとなく受験勉強をしていて、なんとなく上京を考えて、その場の流れとか雰囲気で走ってきた。特に何かそれで悪いことが起こるわけじゃないんだけれど、どこかのタイミングで、自分の生きる意味が問われる。その時に、なにか自分が決定していないと、自分と社会の距離が遠くて、生きる意味をいとも簡単に失う。今必要なのは、自分の意思でちゃんと決定することなのではないかと、旅を通じて感じた。

なんて、意気揚々と思っていて、もっと「楽しさ」とか「幸せについて」調べていて「ウェルビーイング(well-bing)」という考えにたどり着いた。そして、気づくわけである。いやあ、学問ってすごいなあと。たくさんの「幸せ」についてすでに研究されてるわけである。

医学的アプローチ、快楽的アプローチ、持続的幸福など色々ある。これは興味ある人はぜひ読んでほしいので、本のリンクを下に貼るけれど、一度じっくりと学ぶ価値はあると思う。少しだけ引用する。

もしかしたら、ウェルビーイングとは、「人生に意義を見出し、自分の潜在能力を最大限に発揮している状態」と理解するのが、最も適切かもしれない。今挙げた3種類の捉え方はそれぞれ、エウダイモニア的アプローチにほぼ相当し、ともに現代のウェルビーイング理論の基盤となっている。
ウェルビーングの設計論
ポジティブ心理学より(これもよく聞く)
幸せな状態をはかる要素としてPERMA(パーマ)を提案している。
P:ポジティブ感情:自分を幸せと思っているのか?
E:エンゲージメント:時間を忘れての没頭
R:関係性:自分のことをおもってくれる人
M:人生の意味や仕事の意義、及び目的の追求
A:何かを成し遂げること。
それはポジティブ感情、没頭、意義、自尊心、楽観性、活力、心理的回復力、有能感、情緒的安定、良好な人間関係である。

僕が上で書いたことについて詳細な研究がされている「自己決定理論」というものがあったり、本当に多岐に及ぶ。すごい。ただ、「内発的動機」(それ自体がそもそもたのしくて面白いからやっている。逆は、報酬等でうごく外発的動機)による行動が大切だという研究が多かった。大切なことは「自律性」だということだ。

Eフロムの「人生と愛」ではこう書いてある。

「人間は、自己を表現している時、内在する力を発揮しているときのみ、自分自身なのだと私は思っている。それに反して人間が〈ある〉ことをやめて〈もつ〉ようになり、使うようになれば、人間は堕落し、物になり、彼の生活は無意味になる。生活は苦痛になる。真の喜びは真の能動にある。」

「真の喜びは真の能動にある…。」この言葉すごくないですか?自分の能動的な行動に喜びがあると。自分でコントロール出来るってことなんですね。

あともう一つだけ記事を引用して終わりたい。...さて、お酒は足りてますか?僕は今、5杯目で記憶は曖昧です。おっと、ただそんな自分を受け入れないといけない時代なのかもしれない。時を先に進めよう。

「生活について」の記事とTwitterを引用する。今、世界中を旅をしている友人のものだ。

そうだよなあと思いながら、これが深く話題になった理由を考える。(Twitterで25,000イイね!)

「ああ、最近『生活』をしてないわ…」ということだと思う。仕事などに忙殺されて、ちゃんと自分の時間を過ごしていない。「生活」をするだけでも時間がとってもかかるのだ。そこに今は「仕事」で残業だの、子育てだの入ってきたら、「生活」をする時間がないではないか…。そろそもこの「生活をする」ということを意識して最近を過ごしているだろうか。これだけ反響が大きかったので、たぶん多くの人が自分の生活は今の状態じゃいけない...と感じたのだと思う。

この記事の最後はこのようにまとめられている。

「ご飯を作る、服を洗う、住まいを綺麗に保つ。すべて君が君の責任においてやることだよ。一つ一つマインドフルであること。それが大事なことなんだ。」
余談
「生活」とか「暮らし」ついて考えて見たい人にはメディア「灯台もとくらし」をおすすめします。僕の好きなメディアです。

そして、この自分の「生活」を時間として確保するためには「自分の時間の生産性について」考えなきゃいけないと思う。これは、今自分がベンチャー企業で働くからこそよく感じることでもある。どれだけの人が「自分の生産性」と向き合っているのか。例えば、自分が理想とする年収があるとしたら、どれだけの時間でどれくらいを生産しないといけないのか。そもそも「自分の生産性」と向き合ったことがあるだろうか。いつまでも自分が必要な時間が作られなく、忙殺され、生活ができなく、何かを羨ましがる人生が続いてしまうのが今の日本なのではないかと思う。

ちきりんさんの2013年のブログに「生産性の概念の欠如」について書かれたものもあるので、引用する。

結論を書いておきましょう
生産性を上げる以外に、給料を上げる方法はありません。

「生産性の概念の欠如」がたぶんもっとも深刻 - Chikirinの日記

さて、そろそろ記憶も曖昧になってきたし、僕の中でエレベーターが緩慢な速度で動き出しているし、簡単なまとめで終わりたい。

まとめ

・「楽しさ」とか「幸せ」についてちゃんと考えてみること
・幸せのためには「自律」が必要
・生産性を見つめながら自分らしい時間を作る
・自分の幸せは自分で作る

そしてこの言葉に尽きると思う。

『真の喜びは真の能動にある』

いい2020年にしましょう。
いい日本にしましょう。

ではでは!今年もいい年に。

補足:
働くことや、豊かな社会について考えたい人はこちらをオススメします。


ありがとうございます!また新しい旅に出て、新しく感じたことや学びを言葉にできればと思います!あるいは美味しいお酒を買わせて頂きます。そして、楽しい日常をみなさんにお届けできれば。