事業を生み出す挑戦は本当にリスクを伴うのか?
こんにちは。いつも記事を読んできただきありがとうございます。
今週はスペンサー・ジョンソン著「チーズはどこへ消えた?」を読んで、学んだことを読者の皆さまに共有していこうと思います。
この本を読んだことで私は「変化や挑戦をすることはリスクではなく、安全を求める行為でもある」という大きな気づきを得ることが出来ました。
本書では二匹のネズミ「スニッフ」と「スカリー」
二人の小人、「ヘム」と「ホー」が迷路の中でチーズをどのように探してい
くのかを描いている物語です。
探している「チーズ」とは私たちが人生で求めること、つまり「家族や恋人」「お金」「大きな家」「自由」「健康」などを象徴しています。
そして「迷路」はチーズを追い求める場所を表しており、会社や地域社会かもしれないし、家庭かもしれません。
ある日、二匹のネズミと二人の小人は迷路の中で大量のチーズを見つけ出しそこで幸せな生活を手に入れます。
しかし、現状は変化し続けており、ある日チーズは無くなってしまいます。
二匹のネズミは現状を複雑に分析することはせず、次のチーズを探しに行くことが出来ましたが、二人の小人はその場から動くことが出来ませんでした。
小人たちはチーズがなくなったという事実を認めることができず、こんなはずはない。本当の原因は何だろうか。自分たちは過去に努力をして、チーズを獲得したのだから、こんな目にあって良いはずがない。と考えてしまうのです。
耳が痛くなるような物語ですが、誰しもが自分にも当てはまる話なのではないでしょうか?
過去の成功や実績にしがみついてしまうために、変化を恐れ、現状を正しく把握することが出来ない。
何も動けずにいた小人たちでしたが、そのうちの一人「ホー」は考えを変化させ、最後には新しいチーズを見つけることが出来ます。
一方で、「ヘム」は現状にしがみついたまま、変化をすることができず最後まで新しいチーズを見つけることは出来ません。
企業における事業創造の場面でも同じようなことが見られます。
事業環境の変化により既存事業の売り上げが落ちているのにもかかわらず、このままでも大丈夫であると信じてしまう。
管理職層が変化を認めることができず、新規事業を潰してしまう。
「ホー」のように環境の変化を正面から見つめ、組織に変化を生み出していくためにはどうしたら良いのでしょうか?
小人の「ホー」が自らを変化させていくながで学んだことはVUCA時代を生きる私たちにとっても必ず役に立つはずです。
「ホー」が学んでいったことをこれから紹介していきます。
1.過去を大切にしすぎるのではなく、現状を見つめ変化させていくことが大切である。
昨日まではあったはずのチーズが突然なくなっていたのに気がついた二人は事態を信じることが出来ませんでした。あのチーズをもとにして将来設計をしていたのに。。。
意気消沈をして家に帰るとき、「ホー」は壁に
と書きました。
自分が大事なものを失ったときに、人は現状を受け入れることが出来ず、過去の状態のままなのではないかという幻影を抱いてしまいます。
現状を受け入れることができなかった小人「ヘム」はこんな発言をしています。
「ヘム」は過去に見つけた大事なチーズを大切に思うあまり、現状を変えようという発想が全くなくなってしまいます。
これは、過去に業績を上げた事業にしがみついてビジネスモデルを変化させることが出来ない企業に似ています。
過去にどんなに成功したビシネスでも、現代の事業環境に合っていなければ新たな価値を提供することは出来ません。
事業環境を真っ直ぐに見つめ、既存事業を大きく変化させていく、または、新たな事業を生み出すことで始めて変化していく事業環境の中でも価値を生み出していくことが出来ます。
過去に利益を上げていた事業形態にこだわりすぎず、自らを変えていくことが大切です。
2.何もせず現状維持を目指すよりも、挑戦をした方が安全なこともある。
待っているだけではチーズが戻ってこないことを知った「ホー」は新しいチーズを探すために迷路にまた足を踏み入れました。
最初こそ不安や恐怖で胸がいっぱいでしたが、歩き始めるうちに、新しいチーズのかけらをいくつか見つけることが出来ました。
そして、自分がもう恐怖にかられていないことに気づき嬉しくなります。
新しい方向に進んでいることがわかっただけで元気が出て力がわいてきたのです。
今や、必要なものが見つかるのは時間の問題に過ぎないと思った「ホー」はこう悟りました。
「ホー」は人が恐れている事態は実際、想像するほど悪くないのだと思いました。自分の心の中に作り上げている恐怖のほうが、現実よりずっとひどいのです。
チーズがない状態にもかかわらず、戻ってくるかもしれないとその場にいたままでは、道中に落ちているチーズのかけらを見つけることは出来ませんでしたし、チャンスは来ないままです。
新しいチーズが見つからないのではという恐怖から、探しに出かけようという気にすらならなかった彼でしたが、今では、もっと見つかるのではないかと、先のことを考えるだけで、胸がおどります。
新規事業を生み出す際にも、様々なリスクを考えて何も動けなくなってしまうことがあると思うのですが、まずは小さくても動き始めることが重要です。
すぐに大きな利益を上げることが出来なかったとしても、個人や組織が成長していくことで、少しづつ目指している状態に近づいていくことが出来ます。
先日のラジオで話していた「新規事業ごっこ」から抜け出すための思考とも似ていますので時間のある時にぜひこちらも聴いてみてください。
新しいことに挑戦することは恐怖を伴うことですが、挑戦しないことが安全なことだとも限りません。
どうせ変化をしなくてはいけないのであれば、自らの意思で小さくても動き始めることが出来たら良いですね。
3.変化をする楽しさに気がつけば、誰しもが進路を変えることが出来る。
変化は害を与えるものと考え、それに抗う人もいます。
しかし、新しいチーズをみつけられれば変化を受け入れられるようになる、と考えることも出来ます。
全て、どう考えるかにかかっているのです。
それに気がついた「ホー」は壁に
と書きました。
もっと早く変化に対応し、もっと前にチーズ・ステーションCを出ていれば、今頃は、いろんなことがもっと好転していただろうと思いました。
過去を捨て去り、現在に適応することができれば、いっそう力強く、速いスピードで迷路を進んでいくことが出来ます。
新しい道を進み続け、物語の最後に大量のチーズを見つけた彼は「変化、ばんざい!」と乾杯の仕草をします。
変化を恐れて、古いチーズの幻想にしがみついていた彼はもういません。
自分が変わるには自らの愚かさをあざ笑うことです。
そうすれば見切りをつけ、前進することが出来ます。
ビジネスを行うみなさんも、自分の行っている事業はこれからもずっと価値を生み出すことが出来るのか。早く見切りをつけて、新しい事業を進めた方が良いのか。現状を見つめ、前進していくことが大切です。
自分で気づくことでしか生まれない変化をいつ起こせるかは自分にかかっています。
「ホー」のように、歪んで捉えていた現状を素直に捉え、自らを変えていくことを恐れなければ、変化はもっと楽しく、人生は活き活きしたものになるでしょう。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回の記事では、
スペンサー・ジョンソン著「チーズはどこへ消えた?」を読んだ学びを
の3つのトピックに分けて書かせていただきました。
これを読んでいて、既存の事業に愛着を持ち長く取り組んできた人ほど変化を受け入れることが難しいのではないかと感じました。
誰もが長い時間かけて努力をし、価値を上げてきた事業モデルを手放すことはしたくありません。
しかし、事業を続けてきた中で培われてきたスキルやノウハウは方向転換をしたとしても、必ず活きてくると思います。
過去の栄光を捨てるのであって、今ままで行ってきた中で手に入れた自らの価値を捨てるわけではありません。
現状を常にフラットに捉えて、変化を恐れず挑戦をしていくことが出来る企業はこれからも新しい価値を提供し続けることができると思います。
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