見出し画像

私が独立した理由【エステティシャンン】

私が独立した理由、それはとてもシンプルな事です。
自分がやりたい事をするには独立という道しかなかった。

ただそれだけでした。

その答えに行き着くまでには、多くのお客様との出会いがあり、そこで感じた事全てが私の中で独立という形を確かなものに変えてくれました。

サロンのホームページでも独立についてお話していますが、こちらではもう少し掘り下げてお話し出来たらと思います。


エステサロンの在り方とは

今はエステサロンというと、色々な種類のエステサロンがあります。
フェイシャルやボディに特化したサロン、痩身サロンやブライダルサロン。他にも、マシーン専門店やよもぎ蒸しサロンなど、様々な美容法を提供するサロンがあります。

私が修行したエステサロンは、ボディにフェイシャル、痩身やブライダルなど、コースに合わせて美容機器や手技を使ってケアしていくサロンでした。

サロンによってやり方は様々だと思いますが、エステサロンというと、ボディやフェイシャルなどの内容が決まったメニューが主流で、気に入ったらその回数券を購入する。というやり方が一般的かなと思います。
私が今まで勤めていたサロンや、行った事があるサロンやSPAも、実際そうでした。中にはオーダーメニューがある所もありますが、選べる範囲が狭かったり、コース内容を少し変更できるだけだったと感じた記憶があります。


ある時、お客様に言われたことがありました。
「今日は○○が疲れているから○○をやってもらうことはできない?」
ですが、そのお客様が持っていた回数券の中には、その時希望された箇所の施術は含まていませんでした。

もちろん私には権限がないので、店舗責任者に確認。その時のお店側の提案としては、希望の施術箇所が入ったコースを別に買ってもらう、というものでした。
ですが、元々何万円もする回数券をお持ちのお客様に、新しいコースをおすすめする事は私には出来ませんでした。従って、お客様の希望に添えなかったという事がありました。

恐らく経営者側からの目線としては、新しい回数券を買ってもらい売上を出すチャンスなんだと思います。
ですが、お客様と直接接する側からすると、疲れた状態で来たお客様に対して、コース前に追加でチケット購入のお話は出来ませんでした。
内緒でやってしまうという事も出来ますが、それも違うなと思い、もどかしい思いをした事を覚えています。
それと同時に、身体の状態は毎日変わるのに毎回同じ工程の同じ内容のメニューを施術する事に対して疑問に思いました。

そして、この事が当サロンのカスタムトリートメントが生まれるきっかけとなりました。

画像1

お客様エステティシャンの関係

私が勤めていたエステサロンには、毎日多くのお客様がいらっしゃいました。一日平均4~5名、多い日は6~7名のお客様に入る日もありました。自分の担当するお客様以外も合わせると、一日計20名様近くのお客様にお会いしていました。

・身体や美容のメンテナンスとして定期的に。
・何カ月かに一度のご褒美として。
・同窓会やブライダルなどの特別な日に備えて。
・ご家族や親しい方からのプレゼントとして。

お客様の数だけサロンにいらっしゃる理由がありました。
そして、その背景にはお客様の物語がありました。

サロンに来るためにお仕事を頑張ったり、忙しい中時間をやりくりされたり。初めて行くサロンには行きづらいと思いながらも、勇気を持って扉を開けてくださる方。ご家族に、たまには息抜きしておいでと言われ、やっと出来た自分の時間で来てくださる方もいらっしゃいます。

今まで本当にたくさんのお客様と出会い、時間を共有してきました。
その時間は、お客様が様々な思いを抱えていらっしゃる事、様々な環境の中にいらして、頑張って生活しているという事を実感させてくれました。
頑張って生活するのは当たり前のようにも感じますが、それが当たり前ではない事にも気づかされました。

そんな経験から、お客様が一息つける特別な場所になるようなサロンを作りたいと思いました。


お客様とエステティシャンはの関係は不思議です。

お客様と話す会話は本当に様々で、お仕事の話、ご家庭の話やプライベートの話。きっと言いにくいだろうなと思う話も…。
お客様は「この距離感だから話せるの」と仰ってくれます。
もちろん必要最低限しか話さない場合もありますが「今日は大変だったんだろうな」とか「嬉しい事あったんだな」など、言葉は交わさなくとも伝わってきます。

お客様がサロンに滞在する間のほぼ全ての時間を共有するからこそ、言葉を交わさなくてもダイレクトに気持ちが伝わる瞬間もあります。
その気持ちを汲んで接するのもエステティシャンの役目だと思っています。

そんなお客様に対して、サロンにいる時はゆっくりとリラックスしていただきたい。そう強く思っています。

画像2


お客様に教えてもらった事

私にとって独立は、お客様と過した時間の中で気付かせてもらった事の結果でした。

お客様のご希望に添えなかった経験から「出来る限りお客様のご希望に沿えるコース内容にしたい。」そして「毎日変わる身体に対して向き合いたい。」その思いが強くなり、カスタムトリートメントコースが生まれました。

エステの醍醐味としていつまでも健康で美しくいられるようにという考え方がありますが、そのためにはまず、身体を根本から整えていく必要があります。身体は一つで繋がっているため、どこかの不調で崩れたバランスは、他の部分のバランスも崩していきます。

外側の美しさと内側の美しさ、そして心が健康であることが、いつまでも健康で美しくいられる秘訣だと思います。なので、身体に関係する全ての方向からアプローチ出来るホリスティックサロンを作りました。

生きていると、上手く行かない事や理不尽と感じる事がたくさんあります。
自分の気持ちを押し殺しても進まないといけない時もあります。
でも、また前を向いて頑張らないといけません。
そんな時、唯一リラックスできる場所があったらまた頑張れるかも…
そんな思いからプライベートサロンを作りました。

お客様と接する中で「こんなサロンがあったらいいな」と思う理想のサロンが出来ました。ですが、そんな理想のエステサロンは何処にもありませんでした。
ないなら作ろう。自分のやりたい事をするには独立しかない。
そんな気持ちから独立を決意しました。

画像3

まとめ

「独立」
美容業界では、比較的みなさん考えられる課題だと思います。
私も何となくではありましたが、ずっと頭の片隅にはありました。ですが、きっかけがなければ中々踏み出せない一歩だとも思います。

当たり前ですが、独立するには全て自分でやる必要があります。
ただサロンワークをしていればいい訳でもなく、経営だけすればいい訳でもなく。全てを同じくらい満遍なくしていかなければなりません。
この全て満遍なくというのは、私も永遠の課題だと自負していますが、本当に難しいです。

このnoteを読んでいただいている方の中にも独立されてサロンを開いている方はたくさんいらっしゃると思います。そんな方に一つお伺いしたい事があります。
もし誰かに「独立しようか悩んでいる」と相談された時、独立を進めますか?

私の答えはNOです。もちろん反対している訳でもありませんし、決めた方に対して止めてる訳でもありません。ですが、自分が経験してきたことを考えると、正直無責任に進める事は出来ません。

独立するまでの間は、振り返るとあっという間でしたが、本当にたくさんの事がありました。
今まで歩んできた自分と価値観や考え方が違う人にも会いますし、当たり前と思っていた事が通用しない事もあります。何かある度に予測している事以上の事が起きますし、何かをクリアしてもまた新しい壁が現れます。

大変と言いたいわけではなく、独立しようとしているなら、何か断固としたものを持ってください。その思いが何かあった時の糧になってくれるはずです。
偉そうな事を言っていますが、私もまだまだ歩んでいる途中です。これから何度も壁にぶち当たるとも思います。ですが、私には揺るがない思いがあります。だからこそ、独立して今までやってこれたんだと思います。

正解もないですし、答えは何十年も先にしかわからないと思います。その答えがわかるまで、自分の思いを糧に歩んでいきたいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?