見出し画像

日本×オーストラリアでzoom配信落語をやってみた感想

ワーキングホリデーにてオーストラリア滞在三年目。学生時代に培った落語は国が変われど演じる機会に恵まれた。同じ屋根の下で暮らす日本人の前だったり、現地の日本語放送のラジオ番組だったり、日本語を勉強しているオーストラリア人の小学生の前だったり(これはクソスベッた)。オーストラリアで本格的に落語ができる人間は僕くらいのもので、それが理由に様々な場面で自分の名刺代わりになってくれた。

そして、僕が落語を異国でやっていることを知ってだろうか、落語研究部がきっかけで知り合った方からメッセージをいただいた。内容は、その方が主催する素人の落語会のお誘いである。しかしながら、その方が暮らしているのは日本、僕が暮らしているのはオーストラリア。わざわざ一回落語を披露するために一時帰国なんてことはさすがにできない。

そこで文明の利器の登場である。

zoomだ。

ビデオ会議など離れた場所でのミーティングで多くの会社にも導入されているこのサービス。他のビデオサービスと比べて機能も充実しているのが素晴らしい。

この、zoomを使って落語会をやるというのだ。

・・・

面白そうじゃねぇか。俺が参加せずに誰が参加するってんだい。


配信落語をやるにはやはりある程度の装備を整えるのが必要である。まずは音響から。PCにも備え付けのマイクはあるが、音が命だということもあり、そこそこの性能のマイクは必要だ。ということで買ってきたのがこれ。

画像3

amazonにて20ドルそこらで取り寄せたそこそこ高性能のマイクである。元々ゲーミング用らしい。

そして座るときに欠かせない座布団。これがないと落語の途中で足がしびれて詰む。

普段落語会でやる時にはもっと良いものを使っているのだが、豪州という他国では本格的な座布団というものはそらなかなか手に入らない。ということで今回はダイソーで購入。

画像3

日本でも有数の100円ショップとして君臨しているダイソー様だが、オーストラリアにも各所に存在している。ただ値段は100円ではなく2ドル80セント。日本よりはちと高いが、それでも安いもんは安い。


迎えた当日。マイクは伸縮しないため、無駄にデカいベッドを利用してマイクの高さを調節する。良い感じにできたセットアップがこちら。

画像3

右側に非常に不格好なシーツの残骸が見えるが、カメラには映っておらんので問題ない!主催者の方に事前にマイクテストしていただいたが音質万全。セットアップは完了したので後は本番まで時間を待つのみである。

本番数時間前から、正直緊張していた。普段から緊張しいな性格だが、さすがに配信では、なんて高を括っていたが、演じている姿を誰かに見られるわけだからそら緊張はそこそこにする。ぶっちゃけ今日は昼食が喉を通らず水だけで済ませた。そして何回もトイレに行った。

日本時間、14時30分頃。そしてオーストラリアはメルボルン16時30分頃に僕の出番がやってきた。落語に入る前に、マクラと呼ばれる導入で適当なことを喋り肩を慣らす。今回演じさせていただいたのは、『鮫講釈』という話。落語に似た芸能である、講談を扱った噺である。正直落語を初めて聴く人にはとっつきにくい話だが、今回は落語を聴いたことがある落語研究会のOBさんがほとんどだったこと、そして自分がとてもやってて楽しい噺だったことからチョイスさせていただいた。作業をしながら聴いてくれてる人がほとんどでマイクがオフの方が多かったためウケたかどうかは定かではないが、一部お客さんから感想などいただき大変嬉しかった。俺はこのために落語をやっておるのである。依存しすぎるのはよくないが、やはり落語によって承認されるのは嬉しい。素直に楽しかった。

おわりに

僕が豪州で落語をやっていることをnoteに書いていなければ、この会に誘われることももしかしたらなかったのかもしれない。多くのアウトプットを許してくれて、チャンスを恵んでくれるnoteの存在は本当にありがたい。

時間を置いてこれから打ち上げである。落語が終わった後の打ち上げもまた絶品だ。場所が離れていても落語がやりたい人が、聴きたい人に落語を聴かせることができる。科学の進歩に圧倒的感謝である。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?