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【質問回答】スキンシップが嫌でたまらない。娘の甘えに応えてあげられない…

ヴェネツィアは数日前から、びっくりするくらいにいきなり、真夏になってしまいました。スイカだぜ、花火だぜ潮風だぜ、ジャワカレーだぜ!
海に…海に行きたいぜ…

私は潮水が好きで、夫は真水が好きです。
私は夏が好きで、夫は寒い季節が好きです。
私は南欧が好きで、夫は北欧が好き。
私は肉食で、夫は野菜が好きです。
なにもかもが反対です。

だもんで、彼は今週末、家族を涼しい山の中の美しき湖に連れて行こうと計画しているようですが、暑い暑いといいながらもワイは…ワイは海で太陽に焼かれたいんやで…かのアラン・ドロン演ずる『太陽がいっぱい』の主人公、トムのように…

人って不思議なものですね。
こんなにも暑いのに、ますます太陽を求めるなんて。
素直に避暑地に行けばいいのに、暑いついでにもっと暑苦しく過ごしたくなるのです。

人は波風のない日々には波風を求め
波風の立つ暮らしには安泰を求め
あらゆる幸福にさえも無邪気に飽きる
いじましくあどけない羽を背中に生やした
悪魔の友達だ

思索のネタになる詩ですが、これについて書いているとどんどん深くハマっていってしまいそうなのでここらで切り上げるとしましょう。

さて、今日はこちらのご質問にお答えいたしますよ。

これはご質問ではなかったのですが、勝手にこの状況を改善するためにできることを、私なりに書いてみたいと思います。

これは多くの方が知るところだと思いますが、スキンシップの苦手な人は、すべてのケースに当てはまると言うことはできませんが、やはり幼少期に十分にお母さんに甘えることができなかった人が多いのですね。

そのことがはっきりと記憶にあるという人もいれば、「甘えたいと思ったことなどない」と感じるほど、まったく覚えのない人もいます。

あなたは今の状況を娘さんのために改善したいと思うのに、自分自身のスキンシップに対する拒絶感が、自分でもどうにもならないと感じているのですよね。

その場合はきっと、あなた自身が小さかった頃に、お母さんに甘えるのを抑えたことについて、記憶にない部分もあるだろうことが推測できます。あなたのお母さんの不機嫌さや孤独感などを感じ取った記憶はあるとしても、甘えたい気持ち自体を覚えていないかもしれません。

私は今のあなたの状況を、まったく完璧なものだと思うんです。
あなたにはお子さんがいて、そのお子さんとの関係を通して、自分の置いてけぼりになってしまった寂しさを思い出し、そこを乗り越えていくことができるからです。

それは、本来のあなたの自然な状態を取り戻すきっかけになるんです。お子さん無しでは、自分の記憶にもないような寂しかった思いを癒やすきっかけは、なかなか得られないですもんね。

まず最初にいちばん大切なことは、あなたが今スキンシップが苦手であるのは、あなたのせいではないと知ることなんです。あなたはご自分を責めてしまっていますが、あなたが悪いのではないということです。本当に、あなたが悪いのではないんですよ。小さかったあなたは、お母さんの孤独感や厳しさを、ただただ愛をもって肯定し、その環境に順応しただけなのです。

さらにもうひとつ大切なのは、あなたは娘さんの甘えに応えてあげられないことを悔やんでおられますが、それはあなたの娘さんへの愛情だということです。あなたは、愛情深いお母さんなのです。そうでなければ、このことを気にもかけないのです。

だから、まずは自分が悪いから今の状況を招いたのではないと、ご自分のことをわかってあげてください。それから、あなたは娘さんに愛情があるということも、わかってあげてくださいね。娘さんに対して罪悪感を感じたときには、そのたびにこのことを繰り返し繰り返し思い出してください。やがて、頑張って思い出さなくても、それが自然と自分に馴染んできますよ。

そして、地道に取り組んでみたいのは、少しずつ、あなたがあなたのお母さんに対して遠慮してきたこと、お母さんに受け入れられなかったこと、受け入れられないだろうと思って抑えたことなどを思い出していくことです。

本当は手がつなぎたかったけど、お母さんの機嫌が悪いから言えなかった。
本当は思いっきり膝に乗りたかったけど、そういうことをするとお母さんは迷惑そうに顔をしかめるから、しなかった。
本当はさっき見たことが話したかったけど、どうせ聞くのが面倒くさいし興味がないと知ってるからやめた。
本当は抱きつきたいけど、お母さんはそういうのが好きじゃないからしなかった…
ただ当たり前のように、そうしてきた。

子どもはなにも考えずに好きなようにしているように見えますが、深く考える前にただただ自然とお母さんに合わせて、無意識にお母さんに気遣って、それによって人格の一部を形成しながら生活しているものなんですね。疑問を抱く前に、ナチュラルにそうしているのです。

こうしたことを思い出すのは、私たちにとってとても勇気のいることです。思い出しそうになるだけで拒絶感を覚える人もいます。
思い出しかけると目の奥が泣きそうになって、そこでほとんど自動的に、パッと無感情になってしまう人もいます。だから、なかなか思い出せない。そして、私たちはそういう記憶を思い出せないことで、バランスを取って生きているんです。

けれども、「自分が悪いわけではなかったんだ」という感覚が馴染んでくると、すこーしずつ扉が開いてきて、すこーしずつ思い出すことを受け入れられるようになってきます。自分だけでやるのは難しいと思ったら、専門家の手を借りるのもいいですね。

愛情をまったく必要とせずに生まれてくる人はいません。
だから、誰もが愛を求めて生まれてきますが、人はたとえ親だとしても、その求めに100%応えるというのもなかなかできるものではないのです。

あなたもそうだし、あなたのお母さんもそうだった。
きっと、あなたのおばあちゃんもそうだったのかもしれませんね。

このことを、思いっきり恨んでもいいし、責めてもいいんです。
お母さん、なんで私に冷たくできたの。どうしてそれを可哀想だと思わなかったの。ひどいよ、バカ親、お前がぜんぶ悪いんだよ。と、思いたいだけ思っていいんですね。自由に、好きなだけ。翼を広げて、大空に羽ばたいて、親を恨んでいいのです。だんだんそう思うのも飽きてくるほどまで。

母さん~あなたはなぜ~
私を可愛がらなかったの~
一体あなたの何が~あなたにそうさせたの~
ああ~愛知らぬ~哀しき人間よ~
哀しき~人はなぜ~誰かを愛するの~

我は行く~蒼白き~頬のままで~
我は行く~~~さらば~、昴よ~~~!

と歌えばいいんです。
可哀想な俺達ですもん。(くだらなくてすみません…

飽きてきたら、あるいは最初からでもかまいませんが、お母さんもまた今の自分のように、自分の拒絶感がどこから来ているのかわからなくて、自分でもどうしようもなかったのかもしれない。と思ってみてもいいですね。

人間は誰しも、どんな親でも受け入れ、肯定できる状態で生まれてくるんですね。でも親のほうは、自分で生んだ自分の子どもでも、その子を愛しているはずでも、お前がいるから大変でしょうがないと顔に出したり、言うことを聞かないと許さないと脅したり、お前のためにやってやっているんだから感謝しろと威圧してしまったりするんです。人ってこんなふうに愛する存在に悲しい思いをさせてしまうほど、未熟で愚かです。

そんな親を、子どもは無意識に無邪気に、肯定してしまう。だから、まるで当然のことのように愛を求めることに蓋をしてしまう。そして知らぬ間に、愛を求めること自体を、気持ちの悪いものだとすら思い込んでしまう…

それを、まだ小さな身体に宿る、ピュアな心でやり遂げてしまうのです。するともう、大人になってもその蓋を開けられなくなる。人は器用で、不器用ですね。我らは哀しき地球人です。みんな多かれ少なかれ、そんなところがあるものです。

でもあなたは、せっかくこんなにも娘さんのことで苦悩しているのですから、これを機に、自分を癒す旅に出てみてはいかがでしょうか。その旅をする母を見ているうちに、娘さんもきっと、見えないところから癒やされていくことになると思います。

どうか、あなたはまず、あなたを許してあげてね。
どうかどうか、幼かった自分には選択肢がなかったことを、繰り返し繰り返し思ってみてください。そこからきっと、良い癒やしの旅に出られるはずです。応援しています!

それでは、またね。

毎日無料で書いておりますが、お布施を送っていただくと本当に喜びます。愛と感謝の念を送りつけます。(笑)