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苦手意識は自分自身を知るための大きなヒント(後編)

昨日のエントリーは、ずっと苦手だと思っていることの中には「好き」が隠れている可能性もあるけれど、一方で「やりたくないことを無理やり自分に押し付けている」ことに本来の自分が反発している可能性もある、という内容でした。

私が苦手な人や場面に遭遇したときにとる対処は、冷静になることと、その対象に対する感情を遮断することの二つですが、その前に大切なことを忘れていました。それは自分の意志を確認することです。

「本当はどうしたいのか」を自分に問う

何か(あるいは誰か)に対して苦手意識を抱いたときに目を向けるのは自分の気持ち。「本当はどうしたいのか」を自分に問うことです。

・苦手を克服するエネルギーを使ってでも実現したいか。
・苦手だと思っている根拠は何か。

私の場合は 一つ目の「克服するエネルギーを使ってでも実現したいか」と考えた段階で早々にシフトチェンジをすることが多いのが現状です。簡単にいえば「そこまでする必要ある?」と自問して答えがNOであれば手を引くということです。

そもそも「克服」という言葉やこの問いに違和感を抱くこともあります。その場合は苦手という言葉を使っているだけで、単に失敗が怖いだけということが私の場合はよくあります。あるいは難易度が自分に合っていない(難しすぎる)場合も苦手意識を抱いてしまいがちなので、その場合は「苦手なのではない(問題は別にある)」と自分の意識を書き換えます。

二つ目の「苦手だと思っている根拠」は先日のエントリーに書いた通りで、過去の記憶や誰かの言葉によって植え付けられたものである場合は、今の自分はどうなのかと考え直す必要があります。

苦手意識が作り上げている壁を壊す

向き合った結果、やはりその対象に対して苦手意識がある場合は、苦手だという意識はさておき、それによって作られた壁を壊すことを始めます。これは「苦手という仮面を被った失敗への恐怖」の場合も同じです。

この壁はたいてい幻想によって作り上げられています。過去に似たようなことでうまくいかなかった経験があれば「あのときうまくいかなかったから今回もうまくいかないかもしれない」、一度失敗した経験があれば「今回も失敗するかもしれない」。これらはすべて幻想であり妄想です。

たしかに時間軸としては過去と現在と未来はつながっていますが、出来事そのものは基本的には独立したもの。過去の出来事は過去の現実として捉え、今の自分は目の前の現実だけを冷静にみるようにします。

何かの誤解や思い過ごし、あるいは何か別のことが影響して苦手だと思っているかもしれないという可能性を頭の片隅に置きながら、落ち着いて事実を整理すると苦手意識が薄れていくことはよくあります。

ちなみに過去の記憶や経験がなく、ただ単に苦手だと感じている場合は、いわゆる「食わず嫌い」の可能性があるので、その場合は小さなことから試してみます。ダメ元と思っているくらいがちょうどいいステップです。

どうしても苦手意識が消えないなら自分の気持ちを遮断する

それでも苦手意識が軽減しない場合はあきらめて、苦手であるという気持ちを認めた上でその感情を切り離します。つまり機械的にタスク化します。このときのポイントは「苦手であることを認める」ということです。

私は挑戦したことのないことに対して苦手意識を抱いてしまいがちです。食わず嫌いというよりも小さな不安や心配で自分自身をがんじがらめにして動けなくなってしまうタイプなので、苦手だという感情に振り回されないように、とにかく感情スイッチを切ってとにかく行動します。考える隙がないくらいに(誤魔化しているとも言いますが…)。

何も考えずに集中して動いていると苦手だったはずのことが楽しくなる瞬間が訪れることがあります。余計な雑念がなくなって、本来の面白さや魅力に目覚める場合もありますが、一種のトランス状態のようなものです。「苦手だと思ってたけど実は好き!」と自分を安易に洗脳してしまわないように気を付ける必要があります。

ネガティブな感情は自分の願望の裏返し

苦手意識に限らず、怒りや悩みなどネガティブに見える感情は、その裏側に自分の願望が隠されていることがほとんどです。

「私は〇〇ができない」とずっと思っているのであればその裏側には「私は〇〇がしたい(のにできない)」という気持ちが隠されていますし、「どうして〇〇ではないのか」それはつまり「〇〇したい、〇〇であってほしい(のにそうではない)」ということ。

何か壁にぶつかったときは、乗り越えるべき壁なのか、回避することはできないのかを考える。そのうえで、乗り越えたい、あるいは乗り越える必要があると思うのであれば、感情と距離をおいて冷静に向き合う。

冷静に向き合ってみたらやっぱり乗り越える必要がなかったということもあります。そのときはそのとき。自分の本音に一番最初に向き合えるのはほかでもない自分自身です。

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